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しおりを挟む「フッ、くだらん」
「そんなこと、言わないでください。僕のクラスでは、迷路をやるんですよ」
教室内を段ボールの壁で仕切って迷路を作り、中に入って遊んでもらおうという、千尋のクラスの企画。
男子は壁を作る大仕事を、そして女子は参加者へのプレゼントとして、ビーズ細工のストラップをせっせと作っている。
「その中に、赤い鳥のストラップがあって。それが、すっごく欲しいんです!」
要するに、弦にそのストラップをゲットしてもらい、後で自分に譲ってほしい、というわけだ。
お祭り騒ぎの最中は、屋上でのんびり昼寝でもしていよう。
そんなことを考えていた弦にとって、ずいぶん面倒くさいミッションだ。
「鳥の人形を欲しがるなど、子どもっぽいぞ」
弦の態度は、冷たかった。
そう切って捨てて茶を飲む彼を、寂しそうに見てうつむく千尋だ。
その姿に、弦の気持ちは少し揺らいだ。
まぁ、考えてみるかな、と心の中で妥協した。
しかし翌日、真逆の願いを千尋から受けることとなった。
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