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しおりを挟む弦はそこで、女生徒の言葉を思い出した。
『河島くんも、中にいるんですよ~』
「まさか、千尋が!」
じょッ、女装した千尋が、この中のどこかに居るというのか!?
そして、どこの馬の骨とも知れぬ男に迫っているというのか!?
(いかん! 許さんぞ、千尋!)
それからの弦は千尋の姿を探して、迷路内の行き止まりという行き止まりを、巡った。
セーラー服に、ゴスロリに、ミニ丈浴衣。
チャイナドレスに、魔法少女に、バニーガール。
様々な女装コスの男子生徒に青ざめながら、こみ上げてきた吐き気を抑えながら、ようやく……。
「千尋!」
「弦先輩!?」
ようやく、千尋の姿を発見。
しかし、そこに到達するまで、弦はあまりに酷いものを見過ぎていた。
妖怪変化のような女装男子たちに追われ、キスを迫られ、身も心も疲弊していた。
まさに、掃き溜めに鶴。
千尋のメイド姿は、三千里歩いて探し当てた楽園の天使のように、清らかで可愛いらしかった。
「会いたかったぞ、千尋!」
ひし、と抱きしめてきた弦に、千尋は飛び上がるほど驚いた。
(どうしたんですか、先輩!?)
ダメです、先輩。
僕たち、男同士なんですよ!?
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