恋してみよう愛してみよう

大波小波

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「あのッ! のぼせると、いけないですから!」
「バスタブの湯を、抜こうか」
「風邪ひくと、いけないですから!」
「シャワー、出しっぱなしにして蒸気で温めよう」
「もう、夜も遅いですから!」
「明日は、朝寝坊しよう」
 こうなるともう、逃れられないことを杏は悟った。
「じゃあ、せめてベッドでしたいです。僕、初めてだから……」
「解った」
 久々に、初々しい体が抱けるのだ。
 真は機嫌よく、バスタブから出た。
 タオルで彼の体を拭く間、杏は緊張で目が回りそうだった。
(北條さんのここ、こんなに硬くなってる)
 これが、今から自分の中に挿入ってくるのだ。
 そう考えると、気絶しそうだった。
(無理! こんなに大きいの、絶対に挿入らないよ!)
「私は一杯だけ寝酒を飲んでくるから。杏くんは、先にベッドに行って」
「はい……」
 重い足取りで寝室に向かう杏を、真は見送った。
「少し、可哀想かな」
 バーボンで喉を潤しながら、彼について考えた。

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