恋してみよう愛してみよう

大波小波

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 神社は、思っていたより混んではいなかった。
「よかった。人にもまれるのは、好きじゃない」
「でも、迷子になりそうです」
 離れるなよ、と真は杏の手を取った。
「あ……」
 嬉しいな。
 はしゃいで、その腕にしがみついてしまいたい。
 そんな想いを抑え、杏はただ真の手を握り返した。
 はたから見ると、幸せそのものの二人だ。
 そして、そんな真を目ざとく見つけた人間がいた。
「北條さん?」
「あ、これは。三村(みむら)さん、明けましておめでとうございます」
 三村は、真の店の常連だ。
 すらりと背の高い、品のいい顔立ちのイケメン。
 それだけでなく、上場企業の社長でもある。
 莫大な資産を持ちながら、庶民的な『キャンドル』に通ってくれる。
(まあ、他にも行きつけの高級クラブがあるだろうけどな)
 そんな風に、真は考えてはいたが。

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