恋してみよう愛してみよう

大波小波

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「デートは失敗だったな……」
 親指の爪を噛み、詩央は忌々し気に吐き捨てた。
 話の流れに乗って、杏より僕を選んでもらおうとしてみたが、無理だった。
「杏くんとの食事はやめて、僕と約束してくれると良かったのに!」
 キャンドルの休憩室で歯噛みしてみても、仕方がない。
「こうなったら!」
 詩央は、内線電話をかけた。
 相手は、真だった。

「北條さん、今から休憩室に来られませんか?」
『詩央くんか。どうした?』
「大切なお話が、あるんです」
『電話では言えないような?』
「はい」

 詩央の声色に、真は胸をざわめかせていた。
「まさか、店を辞めたい、なんて言うんじゃないだろうな」
 しかし、詩央の話は彼のことより杏を気遣ってのことだった。

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