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しおりを挟む「……だから、瑠衣はもう、うちの子じゃない、って。出て行きなさい、って」
「瑠衣、キスしよっか」
「ちょっと! 人の話、聞いてた?」
「聞いてたよ。だから」
キスしよう、と寿士は瑠衣の唇を塞いだ。
「やだ。ちょ、やめ……」
さっきまで、陽詩の身体を舐めまわしていた舌だ。
咥内へ入ってきた時、瑠衣は嫌悪感を覚えた。
「瑠衣、好きだ。大好きだよ、瑠衣」
「んっ、ふ。そ、んな……、騙されない、ん、だからッ……」
それでも寿士の唇は、瑠衣の舌を吸ってくる。
舌を絡めて、擦ってくる。
「んぁ、ふ。ぅん、んんっ、う……」
キスをしながら、寿士は腰を瑠衣の中心に擦り付けていた。
互いの性器が布越しに当たって、どんどん硬くなってゆく。
血は全身に巡り、二人を熱くさせていく。
「瑠衣は、もう独りじゃないだろ。寂しくは、ないだろ」
「うん……」
寿士の声は、優しかった。
その言葉に、瑠衣は涙をこぼした。
やはり一粒だけ、こぼした。
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