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「……ダメッ!」
秀実は目を固く瞑り、再生をストップさせていた。
見られない。
これ以上、見られないよ。
「近藤さんが他の人とキスしてるところなんて、見られない……」
耳が熱い、頬が熱い、そして……。
「ぼ、僕、勃ってる?」
生きることで精いっぱいだった、毎日。
性欲など、すっかり鳴りを潜めていた。
キスなんて、忘れていた。
はぁはぁと息を荒げ、秀実はバスルームへ歩いた。
「ダメだ。近藤さん、近藤さん……!」
タイルの上にしゃがみ込んで、緩く勃ち上がった性器を手に取った。
夢中で手を動かすと、身体の中心がどんどん熱くなってゆく。
「あ、あぁ!」
頭の中に、知らない誰かとキスをする士郎が浮かんでくる。
そしてそれを、自分と置き換えて駆け上がった。
「……ッん! ふ、ぅん、んんぅ!」
びゅっ、と精が飛んだ。
流しっぱなしのシャワーの湯に運ばれ、秀実の体液は流されていく。
「はぁ、はぁ、ああぁ……」
精は流れたが、心の澱は流れない。
「僕、何てことを」
近藤さんで、抜くなんて!
あの人は、命の恩人なのに!
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