俺の小悪魔は悪魔 ~反社見習い×悪魔見習い 七瀬を救うためなら俺の存在が消えてしまっても構わない~

大波小波

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1話 お兄さん悪い人でしょ?

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 薄明るい照明の下、相良 丈士(さがら じょうじ)はオンザロックのウイスキーを飲み干した。
 軽やかなジャズのピアノが流れる中、丈士はグラスの中を見つめる。
 考えるのは、今日大学の講義をズル休みした罪悪感、ではない。
 このグラスに残った氷を、口に含むかどうか、だった。

 氷をかじる、なんて。
 そんな行為は幼い、と丈士は思う。
 しかし今夜は、なぜだか妙に喉が渇いているのだ。
 乾いているのは喉ではなく、心。
 丈士は、まだそのことに気付いてはいなかった。
 そこへ、新しい酒が彼の前に差し出された。

 顔を上げると、もう顔なじみになったマスターが微笑んでいる。
「あちらのお客様からです」
 マスターの見る方へ目を向けると、小柄な少年が手を振っていた。
「いいの? あの子、未成年じゃない?」
「成人しておいでですよ」
 丈士がウイスキーのグラスを手に取ると、それを合図に少年はカウンターの端からこちらへ席を移って来た。

「飲んで飲んで。僕からの、奢り」
 やたら人懐っこい笑顔だ。
 栗色の髪は、ナチュラルツーブロックマッシュ。
 色白の肌に、くるくるとした瞳。
 なだらかな鼻梁の下には、形のいい唇が。
 ふるいつきたくなるような、美少年だ。

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