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「あぁ……。やっぱ、コレだね……」
 透明の、手のひらサイズのスプレーボトル。
 中には、淡い黄色の液体が入っている。
 一ヶ月ほど前に、友人に勧められて買ったものだ。

『気持ちを明るくして、リラックスさせてくれるハーブなんだって』
 
 誰にも喋っちゃ、ダメだよ。
 友人はそんなことを言って、試供品をくれた。
 三嶋はすぐに、このハーブの虜になり、1万円でスプレーボトルを買った。
 その効果と高値から、そして友人の言葉から、三嶋はこれが脱法ドラッグだとすぐに気づいた。
 だが、自分が悪いことをしている、という意識は全くなかった。
 自分だけは依存症にならないという、根拠のない自信もあった。

「ちょっと高いけど、買ってよかった」
 でも、もう半分になってしまった。
「また……新しいの……買わなきゃ……」
 服が皺になることも忘れて、三嶋はそのまま眠ってしまった。


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