死んだと思ったら異世界に

トワイライト

文字の大きさ
29 / 280

29

しおりを挟む
あの後、男が逃げようとしたら先回りして退路を塞ぐという行為を繰り返し、俺からは逃げられないと悟った男が折れた。

「クソ!逃げられねぇ!」

「もういい加減諦めなよ、君は俺からは逃げられないんだから」

「俺がお前から逃げられない事はもう分かった、だが俺たちのボスに何の用が有る、それを話さない限り俺はここから動かねぇからな」

どうやらこいつらのボスはずいぶんと部下に慕われているらしい。

「何、俺は君たちと取引がしたいだけだよ、でも話を纏めるんだったらトップと話した方が早いだろ?」

「っち!…こっちだついてこい」

俺がそう言うと男は一応納得した様で歩き出したので俺は男についていく。

いりくんだ裏道を通っていく男についていくと貧民街の様な場所に出た。

貧民街、異世界をモチーフにした物語に出てくる描写は見たことが有るが実際に見たことは無かった。

やはりこういう世界だと貧富の差が激しいみたいだな。

男とともに貧民街を通っていき、一際大きい建物の前に着いた。

「ここが俺たちの事務所だ、今ボスに話を通す、少し待ってろ」

男はそう言って建物の中に入っていってしまった。

少しの間待っていると男が出てきてついてこいといって建物に入ったので俺も建物の中に入る。

建物の中に入り、一直線で階段を上がっていく。

1階と2階には何人かの男達が居たが、3階には人の気配があまりしないし、そもそも部屋が1つしか無かった。

ここがコイツらの言うボスの部屋という奴だろう。

「ボスはお前と二人きりで話がしたいらしい、くれぐれも手を出すんじゃねぇぞ」

男は下に戻っていったので俺は扉を開けて中に入る。

「あんたがあたしに用があるっていう男かい?」

部屋に入って俺に話しかけてきたのはなんと女だった。

金貸しのボスと言ったらゴツい男のイメージが有るから反応が遅れてしまった。

「ああ、そうだ」

「あんたの話は部下から聞いている、大方あの教会の借金を帳消しにしろと言いたいんだろうがそうは行かないよ」

まぁ普通この状況で来たらそう考えるのも分からなくはない。

正義感で行動する奴はいつでも居るからな。

「いや、俺はそんなことを要求しない」

「成る程、どうやら正義感だけであたしに会いに来た訳じゃ無いみたいだね。
あたし達が金を貸したのはあの教会に居た前の神父、だがあの神父が教会を担保にした以上、借金が返せなければあの教会と土地はあたし達が貰う権利が有る」

この世界に連帯保証人の制度は無い…が、神父が逃げてしまった以上引き継ぎで来たシスターに返して貰うしか無い。

しかもシスターは子供達と教会に住む事になるから、教会が無くなってしまえば子供達の住む場所がなくなってしまう為、新しく来るシスターが 優しい人ほど逃げることは出来ない。

どうやら前任の神父はクズだが頭は悪くないらしい。

「あのシスターには気の毒だけど私たちも商売だ、前任の神父が借りた金貨300枚、返して貰えないとこちらがやばくなっちまう、あたしも部下を持っている身だ、何よりも部下の生活を大事にしなければならない」

部下を持つ身として…か、俺も自分の会社を持っていたからな、部下の生活を守るという大切さや難しさは良く分かる。

というより借金が金貨300枚とは…3000万円だぞ、良く神父は借りられたな。

まぁあっちとしては金が回収できるなら誰でも良いのだろう。

「まぁあんたの気持ちは痛いほど分かる、俺も部下を持っていたからな。
金貸しとして借金の回収をするのは当たり前だし、シスター達に手を上げた形跡も無いから手荒な回収をしている訳じゃ無いんだろう」

「それで、結局あんたはなんでここに来たのかを教えてもらおうか」

「それは勿論、金貨300枚、俺が代わりに返すと伝えに来たんだ」

「は?」

俺がここに来た目的を話したらボスの女は間抜けな声を出して固まった
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う

シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。 当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。 そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。 その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...