死んだと思ったら異世界に

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「これは…何ですか?」

修羅は中身を確認する前に質問をしてきた。

「いや、さっきって言うか今もだけど、少し疲れてそうな様子だったからな、それでも使って疲れを癒してもらおうと思ったんだ」

「主殿…」

そう伝えると修羅は感極まった様に俺を呼ぶ。

「これ、開けてもよろしいですか?」

修羅が袋を開けて良いかを聞いてきたので許可を出す。

「これは…アロマキャンドルですか?」

「ああ、昔にゲーム内で五感を感じられるのだったら精神的にゲーム内でリラックスをした場合現実でどの様な影響が有るかを実験した事が有ってな、その時に出来た物だ」

「そうなのですか」

「ああ、このアロマキャンドルには魔力を込めるだけで良い香りが発生し、精神のリラックス効果に加え、肉体的な疲労も回復させる効果がついているからな」

「そうなのですか…ありがたく頂戴します」

修羅はそう言ってお礼を言ってきた。

「気にしなくても良い、修羅はギルドマスターとしての仕事を頑張っているからな…でもちゃんと休まないとダメだぞ」

俺は修羅に注意をする。

ギルドマスターが病気になったらギルドの機能が一時的に停止するし、何か問題が起きても対処できなくなるからな。

そして俺はふとそのアイテムを作った時の事を思い出した。
 
「そうそう、そのアロマキャンドルなんだが…人が居ないところで使ってくれって…遅かったか」

そのアロマキャンドルを使う上の注意をしようと思ったんだが、いう前に修羅はアロマキャンドルに魔力を込めてしまったらしい。

既にアロマキャンドルに火が付いていて、辺りにはリラックス効果が含まれた甘めの香りが漂い始めている。

「修羅!冒険者ギルドを隔離するぞ!」

俺は修羅にそう伝えてから時空間魔法を発動させて冒険者ギルドの周辺の空間を閉鎖する。

「主殿!?」

俺のいきなりの行動に修羅は驚きの声を上げる。

「すまない!そのアロマキャンドルはリラックス効果が強すぎて一定以上の疲れが有る者がアロマキャンドルから発せられる匂いを嗅いでしまうと体を休める為に眠ってしまうんだ!」

「何ですと!」

この強制的な眠り状態はある程度のレベルのMndがなければ強制的に発動される。

「しかもこのアロマキャンドルの匂いを嗅いで眠った者は体の疲れが取れるまで眠り続けるという効果が有るから一人の時に使用するようにしないといけないんだ」

「何ですと!…と言うことは」

修羅は俺が何故冒険者ギルドを隔離をしたのかが分かったみたいだ。

「まさかこのアイテムにそんな注意点が有ったとは…主殿、咄嗟の対処、ありがとうございます」

修羅は俺に礼を言ってきたが、今回は俺が注意点を先に伝えていなかったのが悪かった

「礼なんて言わないでくれ、今回は俺の説明不足だった、本当に申し訳ない」

「いえ!主殿は悪くありません!説明を聞く前に使用してしまった私が悪いのです」

「いや、今回は本当に俺が悪かった…それでこの状態をどうしようか」

俺と修羅の周りにはアロマキャンドルのせいで眠ってしまった冒険者と受付嬢が居る。

「取り敢えずは男達と女達を別々の部屋に寝かせましょう…確か空き部屋が有った筈です」

「ああ…俺はこの空間の時間の流れを操作して外の空間より時間が遅くなる様にする」

「はい、頼みます」

俺は大量の魔力を使い、時空魔法で作った空間の時間の流れを操作する事が出来る。

時間の流れを遅くする事で1時間寝ていても現実では20分しか経っていないという状況を作り出すことが出来るのだ。

これでどれだけ寝ていても実際に経っている時間は少ないので、魔道具が暴走して少し眠らせてしまったという事にできるだろう。

その後、修羅と俺は女性と男性で部屋を分けて床に布団を敷いて眠らせる作業に移った。

その後、起きてきた人達に事情を説明し、今回のアロマキャンドル暴走事件は幕を閉じた。
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