死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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ダンジョンのスタンスピードを単身で収めた日の翌朝、俺を含む冒険者達は王都に戻るための準備をしていた。
 
朝食をとり、出発するまでの間、荷物と装備の点検をして居る。

「皆!出発するよ!」

女冒険者が皆に声を掛け、馬車は出発する。

ガタガタと舗装されていない道を馬車は進んでいく。

冒険者達に聞いた所、あのダンジョンから王都に行くのに4時間程掛かるらしい。

「兄ちゃん、王都に戻ったら英雄だな、王都を救ったとなれば王族から直々に感謝の言葉を言われるし、なんなら爵位を貰える可能性だって有るぜ、そうなりゃ一気に勝ち組だ」

1人の冒険者が俺にそう話しかけてくる。

「何を言ってるんだ、俺たちは王都に戻ったら報酬を貰って自由だけど、兄ちゃんは王都に戻ったら大変だぞ、なんせ王都の危機を一人で救ったんだ、王様に会ったり色々としないといけないことが一杯だ」

そしてそれを俺の隣に座っている冒険者が反論する。

俺的には爵位とかには興味は無いし、貴族になんてなったら人付き合いが面倒くさくなりそうだし、自由が無くなりそうだから勘弁だな。

邪神の力は5つの国にそれぞれ封印されているらしいから、一つの国に留まる訳にもいかないからな。

そんな理由から俺が貴族になりたかったとして、あの王に爵位をあげると言われても断るしか無いという訳だ。

馬車に乗っている冒険者達と他愛の無い話をしていると直ぐに時間が過ぎていく。

ダンジョンで有ったトラブルやパーティ間のいざこざ、そして冒険を聞くというのは、前世で見た漫画や小説とは違う面白さが有った。

そして俺たちを乗せた馬車は二度ほどモンスターが現れた事を除けば、特に止まること無く、王都に進んだ。

「おっ、見えてきたな…」

そして4時間程馬車に揺られ続けた俺たちは王都まで戻ってきた。

俺の乗っている馬車を先頭に王都に向かっていると、何やら王都から大きな鐘の音がなっている。

「鐘の音?何か有ったのか?」

俺は王都になにかが起こったのかと馬車から飛び出そうとしたが、それは近くに居た冒険者に止められる。

「にいちゃん、この鐘の音は緊急事態だから鳴らしてるんじゃない、俺たちが無事に帰還しているのを市民に知らせる為にならしているんだ」

その冒険者が言うには、この鐘の音は俺達の帰還を知らせる為にならしているらしい。

だが、何故俺達の帰還を市民に知らせる必要が有るのだろうか?

俺が疑問を浮かべている間にも馬車は進んでいき…そして王都の門をくぐった。

ワァァァァァ

馬車が入った瞬間に耳に入ったのは歓声、目に映ったのは街道の周りいる大量の人だった。

「こりゃあすげぇ…」

近くにいた冒険者がそう呟いたのも納得できる。

クリスが試練をクリアして帰ってきたと同じぐらい…もしかしたらそれ以上の人が街道に出ていて俺達の方を見ているのだから。

そして市民の中の1人が大きな声を出す。

「兄ちゃん達!王都を救ってくれてあんがとな!お陰で俺たちはここを離れなくてすんだぜ!」

男性の一言を皮切りに周りにいる人達は次々と声を掛けてくる。

聞こえてきた内容の殆どは王都を救ってくれてありがとう!と言うものだった。

民衆の声を聞きながらも俺たちを乗せた馬車は進んでいく。

そして俺たちを含む馬車は遂に王都の冒険者ギルドの前に着いた。

俺たちは通行の邪魔にならないようにと馬車を脇に止め、冒険者ギルドの中に入っていく。

冒険者ギルドの扉を開けて中に入るとこれまた冒険者達が一斉にこちらの方を向く。

「ちゃんと成功したみたいだな!」

「そこに居るのがスタンスピードを収めた人なの?」

「ああ、この人がダンジョンのスタンスピードを収めてくれた…えっと…」

冒険者達は一斉に話しかけてきて、それに俺たちと一緒に来た冒険者は答えようとするが、俺の名前を知らないために答えられないみたいだ。

「訳有って本名は言えないんだ、そうだな…俺の事は気軽に黒騎士さんとでも読んでくれ」

俺の名前を知らない冒険者が困ってるのを見た俺は冒険者達に向けて自己紹介をした。
    
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