死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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移動を始めた王は黒い炎、邪神の力の元に向かう。

「ユウヤ殿、こちらに」

邪神の力の前に立ち止まった王は俺に向かってそう言ってきた。

「すまない、あまり見たことのない光景で驚いてしまった」 

現代日本の科学技術では普通に使われているが、この中世ヨーロッパ風の世界観ではあり得ない事だからな。

やはり神が直接封印したというのも納得できる。

この世界に住んでいる者でホログラムを再現できるやつは居ないだろうからな。

そもそもホログラムを見たことも無いし、想像する事も出来ない筈だからな。

再現できるとしたら現代日本で生活をしていた転生者ぐらいだろう。

魔法で再現するためには充分なイメージと魔力操作が必要になってくるから、ただホログラムを知っているだけじゃダメだろう。

「そうか、ユウヤ殿でもこの光景を見たことは無いか、これは邪神を封印してくださった神が邪神の封印がどれくらい維持されているかを簡単に分かるようにと作ってくれた物らしいんです」

「そうか、随分とすごい技術が使われているのだろう」

「神の技術ですからね…私たちには理解できない物です」

それはそうだろう。

邪神の力の封印がどれくらい維持されているのかを常に確認しつつ、機械を使ってないのに、封印の状況のデータを共有してホログラムとして空中に投影するなんて俺でも出来ない。

特にデータの共有が不可能だ。

ネットの様にクラウド上に情報を共有する様な装置が無いのに魔法的要因で情報の交換ができる方法なんて想像が付かない。

空中にホログラムを投影するぐらいなら再現できない事も無いが…それならば光魔法で投影したい映像を作り、それを空間魔法を使って作った結界に投影すれば良いだけだからな。

結界は透明だから側からみたら空中に映像が映っている様に見せることが出来るって事だ。

まぁ今はそんなことを考えている場合じゃないか。

「それでユウヤ殿?封印ごと別空間に放り込むと言っておりましたが、実際可能なのかね?」

王はプランが実行できるのかを聞いてきた。

現状調べてみないと分からない…あの門ごと異空間に飛ばすわけにはいかないし、邪神の力だけを異空間に放り込む訳にはいかない。

というのもこの空間自体に侵入者撃退用の設備が十分に付いているからだ。

これ程、侵入者に対する防衛機能もしっかりと起動するみたいだし、、特定の血筋を持っている者以外に防衛機能の停止が出来ない所と言い、別に俺が何もしなくても問題はないと思い始めた所だ。

「一応この封印ごと別空間に移動させることは可能です」

「そうか!それでは早速」

始めてくれと言われる前に俺は王に話す。

「ですが、門の防衛機能とか諸々を考えた所、別に封印を移動させる必要は無いと思うんですが?」

そう話したのだが、王からの返事が無い。

「王?」

「…確かに邪神の封印は完璧だ、悪魔がこの部屋の中に入ってくることは無い。
封印を別の場所に移さなくても悪用される事は無いだろう」

それなら別に動かす必要は無いんじゃないか?

「だが、それだけでは駄目なのだ!確かにこの部屋に侵入することは出来ないだろう」

まぁ王族以外には門の防衛機能が停止出来ないわけだからな。

「だが、もし邪神の力を求めて王都に攻めてきた魔王候補の悪魔が私か、家族を殺して、王族の血を手に入れれば簡単にこの部屋に入ることが出来るのだ、近衛騎士は他の者に比べれば圧倒的に強いが、悪魔達がどれくらいの戦力で攻めてくるかは分からない」

まぁそれはそうだな。

「私はともかく妻や娘を危険な目には会わせたく無いのだ」

俺は王の話を聞いて納得した。

今までは封印を維持していれば平気だったが、悪魔が邪神の力を狙ってくるとなれば、クリスやコーデリアさんにまで危害が加わる可能性が出てきたから、現状それを覆す事が出来るかもしれない俺にこうして頼んでまで、邪神の力を移動させたい訳だな。
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