111 / 280
111
しおりを挟む
ブラットと別れた俺とヤヨイは何故公国が教国と戦争を起こそうとしているのかを探るべく、住民に話を聞こうとしていた。
「可笑しいな」
俺たちは情報収集をしようとしたのだが、街の中には一般人が居ない。
確かに人は居るが、皆冒険者の様に武装をしているし、商人は居ても、普通に買い物をしたりしている人が居ないのだ。
「マスター、一先ずそこら辺のお店で話を聞いてみましょう、商品を買えば店主も喜んで情報を提供してくれる筈です」
「そうだな、そうしよう」
ヤヨイの提案によって、俺たちは近くに有った武器屋に入る事にした。
ドアを開けるとカランカランと音が鳴り、店主がこちらを見る。
「…いらっしゃい」
店主は俺たちに向けて小さく言うと、すぐに視線を手元にある新聞の様なものに落とした。
「これは…アレか?」
日本では珍しくなった職人気質の親父という奴じゃないだろうか?
漫画だと、良い物を作るが、売る相手を選んだりする奴だ。
日本だと、機械化が進んで職人がやらなくても良い性能の物が作れる様になっていったからな。
最高の1を時間をかけて作るのではなく、同じ時間で、高性能の3やら5やらを作った方が良いという風潮になってたしな。
日本では多少残っていると言う話を聞いていたが、実際に会うのはこれが初めてになるかもしれない。
俺は少しワクワクしてくる気持ちを抑え、店主に話しかける事にした。
「すいません、少し聞きたい事が有るんですけど」
「…」
声を掛けたが反応が無い。
聞こえてないのか?ともう一度声を掛けようとした時、いきなり大きな音をたてて店のドアが開いた。
「おい爺さん!今日こそ武器を売ってもらうぜ!」
そう言って中に入ってきたのは全身に鎧を着込んだ男たちだった。
男たちは店内をズカズカと進んでいき…店主の前に行く。
「アルバレス卿からの正式な書状だ、断ることは出来んぞ」
集団の中で一番偉そうな奴が店主に書状を見せる。
アルバレス卿という人がこの国でどれ程偉いのかは分からないが正式な書状を出して武器を集めているとなると戦争が始まるのにはそこまで時間が無いと言うことか?
それに、書状を出してくると言うことは、ここの店主の売っている武器が高性能なのだろう。
「ワシは言った筈だ、ワシの武器は戦争に使う為に作っている訳では無い、もう一度言うぞ、諦めて帰れ」
店主の親父さんはそう言うとまた新聞を読み始めた。
「アルバレス卿に逆らうのか!」
兵士の1人が店主を叫ぶが、店主は兵士無視をする。
もう対応する気は無いのだろう。
「貴様ぁ!」
兵士の1人が店主の態度に激昂して怒鳴りながら腰の剣を抜いて振りかぶった。
「おい!止めろ!」
兵士が店主を切ろうとしたのに気づいた兵士が止めようと声を出すが、頭に血が登って聞こえないのか兵士は剣を振り下ろす。
「おい、流石にそれは見過ごせないぞ」
俺は剣が店主を切る前に兵士の腕を掴んで止める。
「っ!?」
俺に腕を掴まれた兵士は怒りの表情で俺の方を勢いよく振り向く。
「少し落ち着いた方が良い」
俺は手加減を発動させた状態で首に手刀を打って兵士の意識を落とす。
手加減を発動させておけばどんな攻撃を当てても死なない。
「グッ!」
意識を失った兵士はその場に崩れ落ちる。
周りに居た兵士達は、いきなり乱入してきて、1人の兵士を無力化したという事で警戒しながらもこちらを見ている。
どうやら抜剣をする奴は居ないようなので、一応は状況判断が出来ているのだろう。
まぁ攻撃をされても平気とは言え、店に迷惑を掛ける訳にはいかないからな。
「気絶させただけだ、このままでは本当に切り掛かって行きそうだったからな」
俺はそう言って敵意は無いとアピールをする。
すると店主に書状を見せていた兵士…隊長だろうか?が後ろにいる兵士になんらかの合図をした。
合図をみた兵士は剣の柄から手を離す。
「店主、私の部下が失礼をした、そしてそこの御人、部下を止めてくれた事、感謝する」
隊長らしき人は店主に謝罪をして、俺に礼を言ってきた。
「可笑しいな」
俺たちは情報収集をしようとしたのだが、街の中には一般人が居ない。
確かに人は居るが、皆冒険者の様に武装をしているし、商人は居ても、普通に買い物をしたりしている人が居ないのだ。
「マスター、一先ずそこら辺のお店で話を聞いてみましょう、商品を買えば店主も喜んで情報を提供してくれる筈です」
「そうだな、そうしよう」
ヤヨイの提案によって、俺たちは近くに有った武器屋に入る事にした。
ドアを開けるとカランカランと音が鳴り、店主がこちらを見る。
「…いらっしゃい」
店主は俺たちに向けて小さく言うと、すぐに視線を手元にある新聞の様なものに落とした。
「これは…アレか?」
日本では珍しくなった職人気質の親父という奴じゃないだろうか?
漫画だと、良い物を作るが、売る相手を選んだりする奴だ。
日本だと、機械化が進んで職人がやらなくても良い性能の物が作れる様になっていったからな。
最高の1を時間をかけて作るのではなく、同じ時間で、高性能の3やら5やらを作った方が良いという風潮になってたしな。
日本では多少残っていると言う話を聞いていたが、実際に会うのはこれが初めてになるかもしれない。
俺は少しワクワクしてくる気持ちを抑え、店主に話しかける事にした。
「すいません、少し聞きたい事が有るんですけど」
「…」
声を掛けたが反応が無い。
聞こえてないのか?ともう一度声を掛けようとした時、いきなり大きな音をたてて店のドアが開いた。
「おい爺さん!今日こそ武器を売ってもらうぜ!」
そう言って中に入ってきたのは全身に鎧を着込んだ男たちだった。
男たちは店内をズカズカと進んでいき…店主の前に行く。
「アルバレス卿からの正式な書状だ、断ることは出来んぞ」
集団の中で一番偉そうな奴が店主に書状を見せる。
アルバレス卿という人がこの国でどれ程偉いのかは分からないが正式な書状を出して武器を集めているとなると戦争が始まるのにはそこまで時間が無いと言うことか?
それに、書状を出してくると言うことは、ここの店主の売っている武器が高性能なのだろう。
「ワシは言った筈だ、ワシの武器は戦争に使う為に作っている訳では無い、もう一度言うぞ、諦めて帰れ」
店主の親父さんはそう言うとまた新聞を読み始めた。
「アルバレス卿に逆らうのか!」
兵士の1人が店主を叫ぶが、店主は兵士無視をする。
もう対応する気は無いのだろう。
「貴様ぁ!」
兵士の1人が店主の態度に激昂して怒鳴りながら腰の剣を抜いて振りかぶった。
「おい!止めろ!」
兵士が店主を切ろうとしたのに気づいた兵士が止めようと声を出すが、頭に血が登って聞こえないのか兵士は剣を振り下ろす。
「おい、流石にそれは見過ごせないぞ」
俺は剣が店主を切る前に兵士の腕を掴んで止める。
「っ!?」
俺に腕を掴まれた兵士は怒りの表情で俺の方を勢いよく振り向く。
「少し落ち着いた方が良い」
俺は手加減を発動させた状態で首に手刀を打って兵士の意識を落とす。
手加減を発動させておけばどんな攻撃を当てても死なない。
「グッ!」
意識を失った兵士はその場に崩れ落ちる。
周りに居た兵士達は、いきなり乱入してきて、1人の兵士を無力化したという事で警戒しながらもこちらを見ている。
どうやら抜剣をする奴は居ないようなので、一応は状況判断が出来ているのだろう。
まぁ攻撃をされても平気とは言え、店に迷惑を掛ける訳にはいかないからな。
「気絶させただけだ、このままでは本当に切り掛かって行きそうだったからな」
俺はそう言って敵意は無いとアピールをする。
すると店主に書状を見せていた兵士…隊長だろうか?が後ろにいる兵士になんらかの合図をした。
合図をみた兵士は剣の柄から手を離す。
「店主、私の部下が失礼をした、そしてそこの御人、部下を止めてくれた事、感謝する」
隊長らしき人は店主に謝罪をして、俺に礼を言ってきた。
0
あなたにおすすめの小説
男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜
タナん
ファンタジー
オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。
その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。
モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。
温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。
それでも戦わなければならない。
それがこの世界における男だからだ。
湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。
そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。
挿絵:夢路ぽに様
https://www.pixiv.net/users/14840570
※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~
空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。
もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。
【お知らせ】6/22 完結しました!
スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う
シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。
当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。
そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。
その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明
まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。
そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。
その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる