死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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「それでは、お客様の原石を買取致しまして、指輪の方は…金貨50枚でお売りさせていただきます」

なんと、商人はあの原石を金貨150枚で買い取ってくれるらしい。

渡した原石の数は合計で20、つまり、原石1つで金貨7.5枚になったという訳だ。

あの品質の原石で1つ金貨7枚半、とすれば最高品質の原石をだしたらどれ程の価値が付くのか…

まぁだしたらやばい事になりそうだからやらないけど

「金貨50枚?それで良いんですか?」

流石にあの原石1つで金貨7枚半は高すぎると思う。

「いえ、先程も申した通りにこの原石は通常の原石より大きく、珍しい物です、さらに良い加工をすればその価値は莫大的に上昇します、なので、私はこの原石達に金貨150枚という値段を付けたのです」

「そうですか…ならそれでお願いします」

流石にああ言われたら俺から言うことは無い。

俺はバックの中から取り出すようにアイテムボックスから金貨50枚を取り出す。

「では、これでお願いします」

俺は商人に金貨50枚が入った袋を手渡す。

「はい、それではこちらをどうぞ」

そして商人は袋の中を確認しないで商品を俺に渡した。

袋の中に本当に金貨が50枚入っているか、それは中身を確認しないと分からない筈だ。

なのに何故商人は確認もせずに俺に商品を渡したのだろう?

手に持った感覚で袋の中に金貨50枚が有ると分かったのか?

ふと疑問に思ったら俺は商人にそれを尋ねる事にした。

「ああ、それですか、良く聞かれるんですよ」

商人はそう言うと俺の疑問に答えてくれた。

「これはお客様の言っていた様に袋の重さで中に入っている硬貨の枚数を当てている訳では有りません…」

まぁ種類毎に硬貨の重さは殆ど変わらないから、出来ない事は無いだろうが、それができるようになるには多くの時間が必要になるだろうしな。

それに、重さだけなら金貨以外の物を袋に入れてしまえば誤魔化せてしまうし…

「お客様、私たち商人は、商人ギルドに入る事で商人と名乗ることが出来るようになるのはご存知ですよね?」

俺は商人にいきなり聞かれたその問に頷く。

「商人ギルドに入ることで、商人は色々な面で商売がしやすくなるというのは知っているでしょう、ですが商人ギルドにお金を寄付する事で商人ランクという物を上げることが出来るのはご存知ですか?」

「商人ランク、ですか?」

商人ランクか、なるほど…冒険者ギルドだと依頼を受けたりすると冒険者ランクが上がるが、それの商人版なのだろう。

商人ランクを上げるためには商人ギルドに一定額の寄付が必要になるが、その分ランクを上げれば何らかのメリットが有るのだろう。

確かにギルドの維持に貢献する商人にランク付けをして、それに伴って上位者に利益が渡る様にするのは効果的だ。

商人達はランクを上げるために商人ギルドに多額の寄付をするから、商人ギルドは経営資金を手に入れることが出来るし、商人はランクを上げることでより多くの利益を得ることが出来る、つまりはウィンウィンの関係って奴だな。

「商人ランクとは、先ほど説明した通りに一定の量のお金を商人ギルドに寄付する事で上げることが出来ます。
そして、商人ランクを上げる事によって商人ギルドから商売に役立つ特別なアイテムが渡されるのです」

「特別なアイテム…ですか?」

「ええ、そのアイテムを使う事で取引が進めやすくなるのですよ」

取引が進めやすくなるアイテム?そんなの聞いたことが無いな。

「普通は話さないんですが、お客様は信頼出来そうなのでお話しすると…商人ランクを上げることで商人ギルドから貰えるアイテムというのはアイテムオーブなのですよ」

商人は秘密ですよ、といってそう教えてくれた。

「スキルオーブ…ですか?」

スキルオーブとは、何度使っても壊れることの無いスキルスクロールの上位互換のアイテムだ。

ユグドラシルオンラインでは中盤辺りで追加されたアイテムだが、この世界にも有ったなんてな。
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