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「それで?そのスキルオーブにはどの様な効果が有るのですか?」
スキルオーブは誰にでもスキルを覚えさせる事が出来るが、商売が上手くなるスキルなんて有ったか?
「ランクによって変わりますが、審美眼という物の価値が分かるようになるスキルや、その物について分かるようになる鑑定と言うのが有りますよ」
審美眼と鑑定か…確かに審美眼があれば美術品を扱う時に偽物かどうかを判断出来るし、鑑定では物の品質が分かるようになるから、確かに商売が上手くいく様になるというのも分かる。
「というのは先ほど袋の中身を確認しなかったのも?」
「ええ、とあるスキルで袋の中身を確認したという訳です。
このスキルが有れば払われた値段が直ぐに分かるので、中身をごまかされたら直ぐに分かるという事ですよ」
「成る程…それは便利ですね」
「はい!それに、お客様の渡されたお金を直ぐに確認するというのは失礼に当たります、商人は信頼が大事ですので、取引相手を信頼してると伝える為に渡されたお金を直ぐに確認する事は出来ません」
そうか、相手が渡したお金を直ぐに確認するという事は取引相手が料金を誤魔化していると疑っていると言っている様な物だからか。
「それで大手と取引する場合には取引内容と多少支払われる料金が違う…という事も有ったのです…」
そうか…後々支払われた料金が取引と違い、取引相手に言ってもそれが本当かは分からない、といってはぐらかされる訳か。
それに、キチンと料金を支払ったのに、言いがかりを付けてきたと言いふらされてしまえば商人としての信頼が一気に無くなってしまう。
1商人と大手の取引相手、何方の言い分を信じるかと言われれば大手の方を信じる人が多いのだろう。
そのリスクを考えると例え料金が取引内容と違っても泣き寝入りをするしか無くなるって訳か。
「ですが!このスキルを持っているだけで取引相手が支払った料金は一目瞭然、リスクを負わずにきちんとした取引を行うことが出来るようになったのです!」
商人は興奮した様子でそのスキルの素晴らしさを語っている。
そりゃあ取引におけるリスクが下がるなら皆商人ランクを上げようとするか。
「そうですか…」
「はい、そうなんです…それでは料金は無事に頂きましたので、こちらを」
商人はそう言うと俺に指輪を渡す。
「はい、確かに頂きました…それで、聞きたいことがあるのですが、聞いても良いですか?」
「ああ、先ほど言っていた奴ですね、ええ、よろしいですよ」
商人の了承が得られたので、俺は商人に四大貴族が頻繁に出入りしている場所が無いかを聞く。
「四大貴族の方々がよく行く場所ですか…あまり聞いたことは無いですね…」
「そうですか…」
商人の答えは知らないという物だった。
そうか、知らないのか…まぁ1発目から情報が得られるとは思ってなかったから別に良いが
「でも…噂程度の情報で良いなら1つだけ聞いたことがあります」
ありがとうございます、そう言って去ろうとした時、商人は俺に向かってそう言ってきた。
「本当ですか!」
「ええ…ですが本当に噂として聞いた位で確証は有りませんよ?それでも構いませんか?」
「ええ、噂でも大丈夫です、話してください」
商人の問いに即答したからか、商人は少し戸惑いながらその聞いた噂とやらを話してくれた。
その話というのは、公国の中央にある、という伝承が書いてある祠で四大貴族を見たという話だった。
「この国では子供の頃にその伝承とやらをその祠で聞かせるという風習が有るのですが、そこで四大貴族の方が行っているのを見たという話を聞いたことが有ります…まぁこの国が出来た頃からある祠らしいですから、四大貴族の方々がきていても可笑しくは無いんですけどね」
成る程、建国時からある祠に四大貴族が出入りしている…か、可能性は高いな。
「お話を聞かせてくれて、ありがとうございます」
俺は有力な情報を話してくれた商人に対してお礼を言った。
スキルオーブは誰にでもスキルを覚えさせる事が出来るが、商売が上手くなるスキルなんて有ったか?
「ランクによって変わりますが、審美眼という物の価値が分かるようになるスキルや、その物について分かるようになる鑑定と言うのが有りますよ」
審美眼と鑑定か…確かに審美眼があれば美術品を扱う時に偽物かどうかを判断出来るし、鑑定では物の品質が分かるようになるから、確かに商売が上手くいく様になるというのも分かる。
「というのは先ほど袋の中身を確認しなかったのも?」
「ええ、とあるスキルで袋の中身を確認したという訳です。
このスキルが有れば払われた値段が直ぐに分かるので、中身をごまかされたら直ぐに分かるという事ですよ」
「成る程…それは便利ですね」
「はい!それに、お客様の渡されたお金を直ぐに確認するというのは失礼に当たります、商人は信頼が大事ですので、取引相手を信頼してると伝える為に渡されたお金を直ぐに確認する事は出来ません」
そうか、相手が渡したお金を直ぐに確認するという事は取引相手が料金を誤魔化していると疑っていると言っている様な物だからか。
「それで大手と取引する場合には取引内容と多少支払われる料金が違う…という事も有ったのです…」
そうか…後々支払われた料金が取引と違い、取引相手に言ってもそれが本当かは分からない、といってはぐらかされる訳か。
それに、キチンと料金を支払ったのに、言いがかりを付けてきたと言いふらされてしまえば商人としての信頼が一気に無くなってしまう。
1商人と大手の取引相手、何方の言い分を信じるかと言われれば大手の方を信じる人が多いのだろう。
そのリスクを考えると例え料金が取引内容と違っても泣き寝入りをするしか無くなるって訳か。
「ですが!このスキルを持っているだけで取引相手が支払った料金は一目瞭然、リスクを負わずにきちんとした取引を行うことが出来るようになったのです!」
商人は興奮した様子でそのスキルの素晴らしさを語っている。
そりゃあ取引におけるリスクが下がるなら皆商人ランクを上げようとするか。
「そうですか…」
「はい、そうなんです…それでは料金は無事に頂きましたので、こちらを」
商人はそう言うと俺に指輪を渡す。
「はい、確かに頂きました…それで、聞きたいことがあるのですが、聞いても良いですか?」
「ああ、先ほど言っていた奴ですね、ええ、よろしいですよ」
商人の了承が得られたので、俺は商人に四大貴族が頻繁に出入りしている場所が無いかを聞く。
「四大貴族の方々がよく行く場所ですか…あまり聞いたことは無いですね…」
「そうですか…」
商人の答えは知らないという物だった。
そうか、知らないのか…まぁ1発目から情報が得られるとは思ってなかったから別に良いが
「でも…噂程度の情報で良いなら1つだけ聞いたことがあります」
ありがとうございます、そう言って去ろうとした時、商人は俺に向かってそう言ってきた。
「本当ですか!」
「ええ…ですが本当に噂として聞いた位で確証は有りませんよ?それでも構いませんか?」
「ええ、噂でも大丈夫です、話してください」
商人の問いに即答したからか、商人は少し戸惑いながらその聞いた噂とやらを話してくれた。
その話というのは、公国の中央にある、という伝承が書いてある祠で四大貴族を見たという話だった。
「この国では子供の頃にその伝承とやらをその祠で聞かせるという風習が有るのですが、そこで四大貴族の方が行っているのを見たという話を聞いたことが有ります…まぁこの国が出来た頃からある祠らしいですから、四大貴族の方々がきていても可笑しくは無いんですけどね」
成る程、建国時からある祠に四大貴族が出入りしている…か、可能性は高いな。
「お話を聞かせてくれて、ありがとうございます」
俺は有力な情報を話してくれた商人に対してお礼を言った。
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