死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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「ご馳走様でした」

俺は出された料理を食べ終わって一息つく。

「美味しかった…」

シチューは濃厚だったし、一緒に出されたワインはシチュー合っていて非常に美味しく飲む事が出来た。

「ユウヤ、少し話を聞いてくれるか?」

出た料理を食べ終わり、少し食休みをしていた所で後ろから声が掛かった。

声の方を見てみるとそこにはブラットさんが立っていた。

「ええ、良いですよ」

俺の返事を聞いたブラットさんは俺の目の前に座って俺の方を見た。

「さっきはすまなかったな」

ブラットさんは開口一番に俺に向かって謝った。

「いえ、謝る必要は無いです…お父さんと何かあったんでしょう?」

ガンテツさんがブラットさんに渡したお酒、ガンテツさんはブラットさんの父親が最後に作ったお酒でブラットさんが立派になったら開けてくれと頼まれていたらしいが…ブラットさんはガンテツさんがそのお酒を出した時に凄く驚いていた。

という事はブラットさんとお父さんの仲はそれ程良くなかったのだろう。

だから多分ブラットさんは、ガンテツさんが言っていたブラットさんが立派になったらこの酒を開けてくれと父親が言っていたという事に驚いたのだと思う。

まぁ誰だって自分のことを嫌っていると思っていた父親がそんな物を用意していたなんて言われても信じられないだろう。

ブラットさんとガンテツさんとの会話を聞いたところ、ブラットさんは冒険者に憧れていて、冒険者になろうとしたが、ブラットさんの父親はそれを反対して、それでブラットさんは家を飛び出して冒険者として今まで暮らしていたのだろう。

それまでブラットさんが父親とどう接していたのかは分からないが、ブラットさんは父親に自分の夢を否定され、家業を継げと言われた事でブラットさんは父親が自分の事を家業を継がせるだけの道具として見てると勘違いをしたのだろう。

実際ブラットさんもガンテツさんの話を聞いた時は自分のことを家業を継がせるだけの道具としてしか見ていないと言っていたからな。

だが、それはブラットさんのかんちがいで、実際はブラットさんの父親はブラットさんに冒険者という常に死の危険が身に迫る仕事をさせたくなかったという事だった。

それでその話を聞いたブラットさんは少し今までの事を整理するために一人で考え事をしていて、今は考えが多少纏まったのだろう。

それで俺に話をしに来たという訳だな…まぁ悩み事は他人に話すだけでも楽になるからな。

「まぁ話して見てください、聞きますから」

俺がそう言うとブラットさんは話を始めた。

「俺は昔から冒険者に憧れていた…まぁきっかけは冒険者にピンチを助けてもらったっていうありきたりなもんだが…俺を助けてくれた冒険者たちは本当にカッコよかったんだ」

ブラットさんは懐かしむようにそう話す。

「冒険者に助けられた俺は冒険者に憧れ、冒険者になろうと決めた、それで、家の手伝いをしながら木剣で素振りをしたりしてたんだ」

成る程、冒険者に助けられて…ね、やっぱりピンチの時に助けられるとそうなるよな。

「だけどある日、いつもの様に素振りをしようと庭に出たら使っていた木剣が無くなっていたんだ…家の中を探しても何処にも見当たらない、お袋が間違えて捨てちまったのかと思って聞いて見たけど結果は知らないって言われちまった。
結局、一日中探してもその木剣は見つからなかった」

「ふむふむ」

「それで、次の日も木剣を探そうとしたんだが、いきなり親父が話しかけてきて、俺の探している木剣を捨てたって言ってきたんだ」

親としてブラットさんが冒険者に憧れているのは分かっていたのだろう。

それでブラットさんのお父さんは木剣を捨てたのか。

木剣を捨てれば冒険者になるという気が無くなると思ったのだろうか?

俺は逆効果だと思うが…子供だから直ぐに諦めると思ったのだろう。
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