死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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「確かにそう言われれば私達に連絡手段は有りませんでしたね…」

「ああ、昨日避難所の探索を終えた後にヤヨイに会いに行こうとした時、連絡を取る方法がなくてヤヨイが何処にいるのか分からなかったからな」

でもこれがあれば連絡が取れるから現在地を伝える事も可能でスムーズに合流する事ができる。

「それに、コレが有れば教国との戦争が始まるって時に直ぐに俺と連絡が取れるだろ」

ていうかコレが無いならヤヨイを公国に残す意味がないからな。

だってヤヨイが公国に残って戦争が起こるかどうかを見ていてもそれを俺に伝える手段が無いのであれば結局伝える事は出来ないからな。

「じゃあヤヨイ、今からそれの使い方を教えるぞ」

そう言って俺はヤヨイに携帯もどきの操作方法を教える。

まぁ1~5番に登録されている人の中から、連絡したい人の番号を押すだけなんだが…

「一応フェニ、フェル、修羅にも渡す予定だからどの番号が誰のかっていうのは追って話すよ」

「分かりました、マスターのは1番で良いんですよね?」

俺はヤヨイの問いに頷いて答える。

「ああ、現状それを持っているのは俺とヤヨイだけで、俺が1番、ヤヨイが2番になっている筈だぞ…なんなら一回掛けてみるか?」

俺はヤヨイに試運転をするかを聞く。

鑑定では登録した番号に掛かると書いてあったが、その番号が俺の思った通りの番号かは確認していない。


「そうですね、マスターに掛けようとして他の人に掛かったら嫌ですから、一応やっておきましょう」

「よし、じゃあ試運転の為に俺は一旦ココから離れるぞ」

「はい、分かりました…では5分後にマスターの端末に連絡をしますね」

「おう、じゃあ行ってくる」

一定距離以上離れている状況でキチンと連絡を取る事ができるのかを確認するために俺はヤヨイにそう伝えてから屋敷を出る。

「よし、じゃあ出来るだけ離れるか」

屋敷を出た俺は適当な方向に飛び、ある程度の速度を維持しながら移動する。

そして屋敷からまぁまぁ離れた森の中に着地する。

「まぁこんくらい離れていれば大丈夫だろう」

最低でも屋敷から100キロ位は移動したし、ここまで届くんだったら機能性としては十分と言っていいだろう。

「よし、じゃあ後はヤヨイから連絡がくるのを待つだけだな」

まぁまぁな速度で移動した為移動に掛かった時間は少ない。

ココに来るまで大体2~3分程度掛かったから、後2分ぐらい待てばヤヨイから連絡が来る筈だ。

俺は森の中でヤヨイからの連絡を待つ…すると俺の持つ携帯に着信が来た。

「おっ!」

どうやら100キロ位離れた程度だと問題なく連絡が取れるみたいだな。

まぁ実際には国を挟む程の距離で連絡を取るんだからコレ位で連絡が取れなかったら問題だけどな。

「もしもし」

「もしもし…マスター、ちゃんと聞こえていますか?」

電話越しから聞こえるヤヨイの声は緊張しているようで震えていた。

俺は何時もなら考えられないようなヤヨイの声に笑ってしまう。

「な!?何を笑ってるんですか!」

「いや、すまない…何時ものヤヨイからは考えられないような声が聞こえてきたからつい…」

「もう、初めてなんだから仕方ないじゃ無いですか!」

「悪い悪い…だけどちゃんと連絡できたみたいで良かったよ」

俺はヤヨイに笑ってしまったことを謝りながらヤヨイと電話が繋がったことに安心した。

鑑定結果ではちゃんと狙い通りの効果ぎ付いているってなっていたけど、この世界は全てがユグドラシルオンラインと同じって訳じゃ無いから、鑑定結果がおかしくなっているという可能性も有ったからな。

「…そうですね、マスターの声もしっかりと聞こえますし、特に問題点は無いと思われますよ…後は実際にコレがどこまで離れたら連絡が繋がらなくなるかっていう所ですね」

「そうだな…じゃあ俺はこのまま修羅たちに話をしに行く事にするよ」

「分かりました、お気をつけ下さいね」

「ああ、分かった、ヤヨイも何かあったら直ぐに連絡してくれ」

俺はヤヨイにこのまま修羅たちに会いに行くことを伝え、ヤヨイとの電話を切った。
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