死んだと思ったら異世界に

トワイライト

文字の大きさ
228 / 280

228

しおりを挟む
俺は目の前の女性にもう切腹なんて真似は絶対にしないでくれと伝える。

目の前でいきなり切腹をされそうになるのは本当に心臓に悪いし、気分の良いものではない。

2度とやるない様に注意しないといけないだろう。

今時無礼な態度を取ったからといって切腹をしろなんて言われないし、されたとしても気分が晴れるわけでは無いしやったところで周りにいる人や仲間に迷惑をかけるだけだ。

それに、フェルも自分の知らない所で自分の仲間が死ぬのは嫌だろうからな。

「…分かりました、次からは絶対に切腹をして責任を取ろうなどとは考えません…」

女性は暗い表情で俺にそう言ってきた。

そして俺にもう切腹をしようとはしないと言った女性はそのまま小さい声で独り言を言い始めた。

「あぁ、それにしても私はなんて事をしようとしていたんだ…責任を取ろうと思っていたとは言え主人を悲しませようとしていたなんて配下失格…いや、それどころか…」

女性の独り言に耳を傾けると内容はなんであんな事をしようとしたんだと後悔しているみたいだ。

「私なんかが主人の配下では主人の顔に泥を…いっそのこと配下をやめた方が主人の為になるのではないか…」

元々女性の性格がそうだったのかはわからないが女性の独り言の内容はどんどんネガティブな内容になっていく。

そして話の内容がネガティブになっていくにつれて女性のハイライトも消えていって…って、そろそろ止めさせないとヤバそうだ。

「まぁそんなに落ち込む必要は無いさ、俺は君の態度に怒っていたわけではないし、反省したなら次は失敗しなければ良いじゃないか」

このまま放置していると女性に悪影響が出そうだと考えた俺は女性をフォローする事にした。

「でも…また失敗してしまったら主人に顔向けが…」

俺は女性をフォローする為に声を掛けるが女性はネガティブな考えが頭から消えていないみたいだ。

う~ん、このまま言っても効果は薄そうだよな…

今の言い方はこの女性にとってはあまり効果的では無いみたいだな。

この女性にはフェルの元に案内してもらわないといけないし、早めに元に戻って貰わないと困るんだが…

俺はどうにかして女性が元の精神状態になるかを考える…があまり良い方法は思いつかない。

さっきみたいに普通にフォローしても効果がないみたいだし、そもそも俺はこの女性の事をそこまで知らないからこの女性のメンタルを回復させられる様な方法が殆ど思いつかない。

…いっそのことさっきみたいに闇魔法で精神を強制的に正常に戻してみるか?

という考えが頭に浮かんだがそれはやめておこう。

ないとは思うがまた気絶されても困るからな。

となると魔法以外の方法を考えないといけないんだが…う~ん

俺は悩みながらも今日この女性と会ってからの記憶を思い出す。

…やっぱりこの女性、フェルの事ばっかり言ってるな。

さっきも思っていたが、思い出せば思い出すほどこの女性はフェルを第一に考えている様な気がする。

というよりフェルが関わってくるとこの女性のテンションがおかしい。

断ったら殺されるかもしれないのに絶対にフェルの元には案内しないと言ったり責任を取って切腹しようとしたりするし…今落ち込んでいるのもフェルが関係してるしな。

主人の知り合いに無礼な態度を取ったからといって普通ら切腹しようとすはなんてしようとは思わないだろうし、この女性のフェルに対する忠誠心が高すぎるんだよな…

まぁそれが良い事なのか悪い事かは置いておいて、これだけフェルに対する忠誠心が高いならフェルの事を言っておけば女性もポジティブな思考になるんじゃないか?

そう考えた俺は女性にこう声をかけた。

「…それに、フェルなら自分の配下のミスなんて笑って許してくれると思うぞ」

「当たり前です!主人は懐の大きいひとなのですから!」

うん、やっぱりこの女性、フェルの事になるとテンションがおかしいだろ。

俺はさっきまで全然反応が無かったのにフェルの事を話したらすぐに反応した女性を見て、心の底からそう思った。

しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

男が英雄でなければならない世界 〜男女比1:20の世界に来たけど簡単にはちやほやしてくれません〜

タナん
ファンタジー
 オタク気質な15歳の少年、原田湊は突然異世界に足を踏み入れる。  その世界は魔法があり、強大な獣が跋扈する男女比が1:20の男が少ないファンタジー世界。  モテない自分にもハーレムが作れると喜ぶ湊だが、弱肉強食のこの世界において、力で女に勝る男は大事にされる側などではなく、女を守り闘うものであった。  温室育ちの普通の日本人である湊がいきなり戦えるはずもなく、この世界の女に失望される。 それでも戦わなければならない。  それがこの世界における男だからだ。  湊は自らの考えの甘さに何度も傷つきながらも成長していく。  そしていつか湊は責任とは何かを知り、多くの命を背負う事になっていくのだった。 挿絵:夢路ぽに様 https://www.pixiv.net/users/14840570 ※注 「」「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています。

異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~

北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。 実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。 そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。 グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・ しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。 これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。

セーブポイント転生 ~寿命が無い石なので千年修行したらレベル上限突破してしまった~

空色蜻蛉
ファンタジー
枢は目覚めるとクリスタルの中で魂だけの状態になっていた。どうやらダンジョンのセーブポイントに転生してしまったらしい。身動きできない状態に悲嘆に暮れた枢だが、やがて開き直ってレベルアップ作業に明け暮れることにした。百年経ち、二百年経ち……やがて国の礎である「聖なるクリスタル」として崇められるまでになる。 もう元の世界に戻れないと腹をくくって自分の国を見守る枢だが、千年経った時、衝撃のどんでん返しが待ち受けていて……。 【お知らせ】6/22 完結しました!

スライムに転生した俺はユニークスキル【強奪】で全てを奪う

シャルねる
ファンタジー
主人公は気がつくと、目も鼻も口も、体までもが無くなっていた。 当然そのことに気がついた主人公に言葉には言い表せない恐怖と絶望が襲うが、涙すら出ることは無かった。 そうして恐怖と絶望に頭がおかしくなりそうだったが、主人公は感覚的に自分の体に何かが当たったことに気がついた。 その瞬間、謎の声が頭の中に鳴り響いた。

異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める

自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。 その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。 異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。 定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜

シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。 起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。 その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。 絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。 役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。

処理中です...