死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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「案内人に連れられて私は主人の家に入り、そして主人の居る部屋の前に着きました。
そして案内人の方が中から声が掛かるまでここで待っていろ、と言われた私は扉の前に立って声が掛かるのを待っていました」

さながら王への謁見、みたいな感じだろうか?

まぁ極寒地帯をまるまる治めているフェルは極寒地帯の王様といっても間違いでは無いが…

多分フェルが声を掛けたら部屋の中に入って挨拶をする…という感じになるのだろう。

直ぐに中に入れるのでは無く少し待機させるのは挨拶に来る者に心の準備をさせる為だろうか?

フェルの性格的に面倒な事は早めに終わらせたい思っている筈だから、事前に心の準備をさせる事で挨拶が早く終わると考えたんじゃないか?

それか最初に周囲の奴らがそういう風すると決めた…とかだろう。

俺がそんな事を考えていると女性が続きの話をし始めた。

「部屋の前で待機していた私は主人と呼ばれる人物はどの様なお方なのだろう?と想像しながら待っていました」

まぁ女性はまだフェルに会ってなかったのだから極寒地帯を治めているのがどんな人なのか知らなかった訳だから気になる気持ちは分かるぞ。

国でいう王様の様な存在なのだ、そんな人に会う事になったらどんな人なんだろう?って想像してしまうだろう。

日本みたいにテレビとかで観れるという訳では無いからな。

「でもそんな事を考える余裕が有ったって事はあまり緊張していなかったみたいだな?」

本当に緊張している時は頭が真っ白になって何も考えられなくなるから、主人がどんな人物なのか?なんて考えられたという事はまぁまぁ気持ちに余裕があったという事だ。

「まぁその時の私は長も主人という人もそこまで変わらないだろう、って考えていましたからね…まぁ部屋の中に入って主人のことを見た瞬間に長とは絶対的に格が違うって理解しましたけど…」

「まぁ小さい頃なんて誰が偉いか、なんて漠然としか分からないからな」

小学生が校長先生を一番偉いと考える様に、少女の中では集落の長が一番偉いと思う存在だったからフェルの凄さがイマイチ分からなかったって感じか?

まぁ極寒地帯を治めていようが集落を治めていようが、結局の所は統治者というのは変わらないから規模の違いは有るだろうけど見方によってはそこまで変わらないとも言えなくも無いだろう。

まぁ結局は規模の広い方が偉いんだけど、子供がどう判断するかは子供自身の考え方だ。

まぁ少女の考えもフェルの姿を見た時に一瞬で変わったみたいだけど…

「纏ってる雰囲気が違うと言いますか…この人には絶対に敵わない、というのを本能的に理解させられた感じですね」

まぁ俺たちはこの世界の強さの基準からかけ離れすぎているからな。

女性は無意識的に自分とフェルとの力量差を理解したのだろう。

獣人は動物的な感覚が強いらしいし、相手と自分の強さが無意識的に分かるのかも知れない。

「まぁこの世界でフェルに勝てる奴なんて早々居ないだろうし、力の差を感じるのも仕方ないと思うぞ」

この世界はユグドラシルオンラインレベルのモンスターが出るわけじゃ無いから、フェル…というか俺たちを倒す事ができるモンスターなんて存在し無いんじゃないか?

ゲームでいうレイドボスレベルの強さが無ければダメージを負う事すら無いだろう。

それくらいに俺たちはあの世界で戦ってきたからな。

「主人がお強いのは当たり前ですけど、まさか主人と同じくらいに強い存在感をもつ人に会うなんて思いもしませんでしたよ」

女性は俺の事を見ながらそう呟いた。

「そりゃあそうだろうな」

まぁ現状この世界でフェルに対抗出来るのは俺にヤヨイ、修羅とフェニ位だからな、そう思っていても仕方ないだろう。

「まぁ俺はフェルの家族だし、同じくらい強くてもそれで説明がつくだろ」

まぁ実際は俺の方が強いと思うが…

「へぇ、そうなんですか…ってええ!?」

俺の発言を聞いた女性は驚いたのかいきなり凄い声を上げた。
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