死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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「なん…だと…」

俺は女性から発せられた衝撃の一言に言葉を失ってしまった。

「主人の素晴らしさを忘れない様、そして語り継ぐ為に教育の一環として子供たちには主人の事を教えているのですよ」

そして女性は続けてとある話をし始めた。

「数年ほど前、とある事件が起こったんですよ、とある男性が主人に向かって暴言を吐いたのですよ…我々は主人のお陰で日々を安心して暮らし、幸せに暮らせているというのにも関わらずその事を忘れ、主人に暴言を吐いた不届きものが」

女性の瞳からハイライトが消える。

「主人は許しました、主人は寛大で偉大なお方ですからね…でも、私たちはその者を許す事は無かった…ですが主人が許した者を私たちが傷つける事は出来ません、だから教育したのですよ、主人の素晴らしさを教え、二度と主人に逆らったりしないように…」

「幸いその人も直ぐに主人の素晴らしさに気づいてくれたのですが…まぁそれから教育が始まった訳です、主人の素晴らしさを忘れない様、子供たちに主人の素晴らしさを教える為に…」

想像以上にヤバいぞ…

俺は女性の話を聞いてそう判断した。

聞いた感じ集落の中は宗教国家…それもヤバめの奴だ。

俺はてっきり目の前にいる女性だけが狂信者の如くフェルを崇拝しているのかと思っていたが女性の話を聞いた感じ集落の人みんなが女性の様になっている可能性がある。

それに加えて子供たちへの教育…これはもう洗脳だ。

小さい頃からフェルの素晴らしさを伝え、フェルを崇拝させる事でフェルに逆らえない様にさせてるって事だろ、普通にヤバいんだが。

フェルがやらせているって事は無いから集落にいる人たちの独断って事なんだろうけど…

「やべぇ、行きたくなくなってきた」

俺は小さい声でそう呟いた。

フェルには会いに行きたいけどその集落とやらに目の前の女性みたいな人がいっぱい居ると考えると行きたくなくなってくる。

「どうしたんですか?集落に向かうのでは無いのですか?」

俺が考え事をしていると女性から声が掛かった。

「いやなんでもない、行こうか」

「そうですか、なら付いてきてください、集落まで案内します」

俺は女性にそう返事をすると女性は俺にそう伝え北のほうに走り始める。

「はぁ、もう考えていてもしょうがない、腹をくくって行くしか無いか…」

俺は一度ため息をついたが、そう呟いて目の前に走っている女性を追いかけることにした。

「もうすぐ集落に着きますよ」

そして女性の後ろについて行って数十分位経った時、女性からそう声が掛かった。

「おう、分かった」

俺は女性にそう返事をしながら心の準備をする。

はぁ、もう少ししたら狂信者の群れがいる集落に着くのか…気が重い。

「止まれ!」

そんな事を考えながら女性について行くと、前方から大きな声が聞こえてきた。

「着きましたよ」

声に従ってその場に止まると女性がそう話しかけてきた。

「大きいな…」

俺は目の前にある集落を見てそう呟いた。

集落と言っていたから普通に大きめな村を想像していたのだが、目の前に見える集落は想像より大きく、村というより街の様だった。

そして何より目立つのが少し奥側に見えるでっかい城の様な物だ。

城自体が魔法で作られているのか素材が全て氷というファンタジー要素溢れる建造物だ。

「なぁ、あそこに見えるでっかい城がフェルの家って事か?」

俺は隣に立っている女性にそう声をかける。

「はい、あそこに見えるのが主人が住んでいる場所、アイスキャッスルです」

「アイスキャッスルって…そのまんまかよ」

女性は自信満々に俺にそう言ってきたが、俺が最初に出た感想は城の名前がそのまま…と言うものだった。

「確かに分かりやすいけどアイスキャッスルって…」

安直というか何というか…フェルの奴、絶対に適当に考えただろ。

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