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フェルに護衛を付けるのは却下だ、と言われた男性はフェルに自分の意見が却下されると思っていなかったのか驚いた顔をして固まってしまった。
「要件は以上か?なら私たちはもう行くぞ」
驚きで固まってしまった男性を尻目にフェルはそう言うと俺にでは行きましょう、と言って城の方に歩き始める。
「…は?」
俺がフェルの後に続いて城の方に向かっていると、後ろから男性の呆けた声が聞こえた。
「…おい、良かったのか?」
俺はフェルの横に並ぶとフェルに話しかける。
「良かったのかとは?」
「いや、ほら…さっきのリョウだっけか?あんな言い方して大丈夫なのか?」
あのリョウって男、いかにも自分は出来る男です感を漂わせてたからな…そうとう自分に自信があった筈だ。
フェルに話している時も自信満々って感じだったから、多分自分の意見が却下されるとは微塵にも思ってなかったのだと思う。
実際にさっきフェルに却下って言われた時思考停止して固まってたしな…
自分に自信がある奴の意見をあんな風にバッサリと却下したら後々面倒くさい事になる可能性がある。
俺が思っている事をフェルに話すとフェルは納得した様で、そういう事ですか、と頷いた。
「それで、実際の所大丈夫なのか?」
俺を優先したせいで後々フェルに迷惑が掛かるなんて事になるのだけは避けたい。
「大丈夫ですよ、集落に住んでいる人たちって私の事を神聖視し過ぎて私の意見に反対したりとかしませんし…それにそれで問題が起こったとしても大した問題にはならないですよ」
フェルは大した問題にはならないと言い切った。
「あ~」
俺はフェルの言葉でフォルテや集落の人たちのフェルへの態度を思い出した。
確かに集落の人たちのフェルに対する態度を考えたらそこまで大きな問題にはならないか。
「あれな、いや~驚いたぞ、フェルに会うためにここまで来たら集落の人たちのあの反応、フェルがヤバい宗教でも始めたのかと思ったぞ」
「私がそんな事する訳が無いじゃないですか!何故か勝手にああなっていったんですよ…」
俺がそう冗談を言うとフェルは立ち止まって否定した。
「まぁそうだよな…」
フェルって元々宗教関連に興味無いって言うか面倒くさいって考えるタイプだからな。
「私も何度もやめさせようとしたんですけど、集落の人って何を言っても一向に止める気配が無くて…」
フェルはため息をついて俺にそう言った。
この様子だと大分ストレスが溜まってそうだな…
「それは、大変だったな」
「そうなんですよ!あの人たち、私が何をしても異常な位に褒めてくるし、もう本当にヤバイんですよ!」
フェルが言うには、以前村に出た時に小さい子供に軽く氷魔法を見せてあげた事があるらしく、それを見ていた集落の人がその事を周囲に広げて集落中が大騒ぎになったらしい。
「魔法を見せただけで集落が騒ぎになるってどういう事なんですか!あり得ないでしょう!」
フェルは話している間にだんだんとヒートアップしていく。
「挙げ句の果てには主人様感謝祭とか本当に意味わからない!」
フェルは相当ストレスが溜まってたらしい、口調も昔のに戻っている。
「まぁまぁ、ちょっと落ち着け」
俺はヒートアップしたフェルの頭に手を置いて声を掛ける。
「…すいません、取り乱しました」
俺が声をかけて少し経つとフェルは落ち着いた様で、クールにそう言った。
だが俺は気づいている、フェルはさっきまでの自分を思い出して顔が赤くなってる事を。
ここでそれをからかっても良いのだが、それをするとフェルが拗ねそうなので止めておこう。
「フェルも色々あったんだな…まぁ続きは歩きながらしよう、愚痴くらいなら聞いてやるぞ」
俺はフェルに愚痴なら聞くぞと伝える。
フェルの立場じゃ愚痴を言える人も居なかっただろうからな…こう言うところで発散しておかないと、溜め込むのは体に悪いからな。
「そうですね、では聞いてもらえますか?」
「おう、いくらでも話せ」
そして俺はフェルの愚痴を聞きながら城に向かって進み始める。
「要件は以上か?なら私たちはもう行くぞ」
驚きで固まってしまった男性を尻目にフェルはそう言うと俺にでは行きましょう、と言って城の方に歩き始める。
「…は?」
俺がフェルの後に続いて城の方に向かっていると、後ろから男性の呆けた声が聞こえた。
「…おい、良かったのか?」
俺はフェルの横に並ぶとフェルに話しかける。
「良かったのかとは?」
「いや、ほら…さっきのリョウだっけか?あんな言い方して大丈夫なのか?」
あのリョウって男、いかにも自分は出来る男です感を漂わせてたからな…そうとう自分に自信があった筈だ。
フェルに話している時も自信満々って感じだったから、多分自分の意見が却下されるとは微塵にも思ってなかったのだと思う。
実際にさっきフェルに却下って言われた時思考停止して固まってたしな…
自分に自信がある奴の意見をあんな風にバッサリと却下したら後々面倒くさい事になる可能性がある。
俺が思っている事をフェルに話すとフェルは納得した様で、そういう事ですか、と頷いた。
「それで、実際の所大丈夫なのか?」
俺を優先したせいで後々フェルに迷惑が掛かるなんて事になるのだけは避けたい。
「大丈夫ですよ、集落に住んでいる人たちって私の事を神聖視し過ぎて私の意見に反対したりとかしませんし…それにそれで問題が起こったとしても大した問題にはならないですよ」
フェルは大した問題にはならないと言い切った。
「あ~」
俺はフェルの言葉でフォルテや集落の人たちのフェルへの態度を思い出した。
確かに集落の人たちのフェルに対する態度を考えたらそこまで大きな問題にはならないか。
「あれな、いや~驚いたぞ、フェルに会うためにここまで来たら集落の人たちのあの反応、フェルがヤバい宗教でも始めたのかと思ったぞ」
「私がそんな事する訳が無いじゃないですか!何故か勝手にああなっていったんですよ…」
俺がそう冗談を言うとフェルは立ち止まって否定した。
「まぁそうだよな…」
フェルって元々宗教関連に興味無いって言うか面倒くさいって考えるタイプだからな。
「私も何度もやめさせようとしたんですけど、集落の人って何を言っても一向に止める気配が無くて…」
フェルはため息をついて俺にそう言った。
この様子だと大分ストレスが溜まってそうだな…
「それは、大変だったな」
「そうなんですよ!あの人たち、私が何をしても異常な位に褒めてくるし、もう本当にヤバイんですよ!」
フェルが言うには、以前村に出た時に小さい子供に軽く氷魔法を見せてあげた事があるらしく、それを見ていた集落の人がその事を周囲に広げて集落中が大騒ぎになったらしい。
「魔法を見せただけで集落が騒ぎになるってどういう事なんですか!あり得ないでしょう!」
フェルは話している間にだんだんとヒートアップしていく。
「挙げ句の果てには主人様感謝祭とか本当に意味わからない!」
フェルは相当ストレスが溜まってたらしい、口調も昔のに戻っている。
「まぁまぁ、ちょっと落ち着け」
俺はヒートアップしたフェルの頭に手を置いて声を掛ける。
「…すいません、取り乱しました」
俺が声をかけて少し経つとフェルは落ち着いた様で、クールにそう言った。
だが俺は気づいている、フェルはさっきまでの自分を思い出して顔が赤くなってる事を。
ここでそれをからかっても良いのだが、それをするとフェルが拗ねそうなので止めておこう。
「フェルも色々あったんだな…まぁ続きは歩きながらしよう、愚痴くらいなら聞いてやるぞ」
俺はフェルに愚痴なら聞くぞと伝える。
フェルの立場じゃ愚痴を言える人も居なかっただろうからな…こう言うところで発散しておかないと、溜め込むのは体に悪いからな。
「そうですね、では聞いてもらえますか?」
「おう、いくらでも話せ」
そして俺はフェルの愚痴を聞きながら城に向かって進み始める。
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