死んだと思ったら異世界に

トワイライト

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フェルの愚痴を聞きながら歩いているとようやくフェルの居城にたどり着いた。

「ここが私の住んでいる城です」

「近くで見ると本当に大きいな」

フェルが住んでいる氷の城…集落に入る前から見えていたからそれなりに大きいとは分かっていたが実際に間近で見てみるとやはり大きいな。

「確かに大きいですよね、これ、大きく作ったは良いけど実際に使うスペース殆ど無いので、今考えればもっと小さく作ればよかったです」

フェルはそう言いながら城の前に立ち自分の体よりも遥かに大きい扉を開く。

「おお~!」

開いた扉を通り、城の中に入った俺はその光景に思わず声が出る。

城の中に入るとそこには凄い景色が広がっていた。

床も壁も全てが氷で出来ている…こんな光景、現実では絶対に見られないだろう。

「主、こっちですよ!」

俺が周りの景色に目を取られているとフェルに声をかけられた。

フェルの声がする場所に目を向けるとフェルは氷で出来た大きな螺旋階段を登り始めていた。

「今行く」

俺はフェルに返事をしてフェルを追いかける。

「いや~、こんな物を作れるなんてフェルは凄いな」

俺は螺旋階段を登りながらフェルの事を褒める。

「いえいえ、この程度の建築、主ならば簡単に作ることが出来るじゃないですか」

「いやいや!俺じゃあこんなに凄い物は作れないよ」

俺はフェルの言った言葉を直ぐに否定する。

確かに能力的に考えれば俺も氷で家や城を作ることは出来る…が俺には建築センスと言うものがないからな。

「そんな事有りませんよ、主ならこんな物より凄い物を作ることができます」

フェルは俺の事を過大評価しているのか自信満々にそう言い切るが、俺には絶対に無理だ。

精精俺にできるのは既にある建築物を再現するくらいで新しい建築物を作る事は出来ないだろう。

「いや、無理だって…特にアレとか、俺じゃあ絶対に思いつきすらしないよ」

俺はフェルにそう言って天井に吊り下がっているシャンデリアを指差す。

氷で出来たあのシャンデリアは窓から入ってきている光を反射してキラキラと光り、シャンデリアから反射した光が壁や床にも反射して城の中をよりいっそう幻想的な雰囲気にしている。

「シャンデリアですか?」

フェルは俺が指差した物を確認する。

「そう、あのシャンデリア、アレが有るか無いかでこの城の中の雰囲気が随分と変わってるし、アレを思いつかない時点で俺よりフェルの方が良い物を作れるって事だよ」

はい終わり、とフェルに言って話を切ったが、フェルはまだ少し納得していないみたいだ。

「主、着きましたよ」

その後もフェルと話しながら階段を上っていると、どうやら目的の所まで登っていた様でフェルは俺に声を掛けて到着を知らせてくれた。

まぁ螺旋階段は目の前の扉にしか繋がってなかったけど

「さ、中に入ってください」

フェルは扉を開けて部屋の中に入る様に促す。

「じゃあ入るぞ」

俺はフェルに言われた通りに部屋の中に入った。

「おお~…見事に何にも無いな」

部屋の中に入った俺は部屋を見渡してそう呟いた。

フェルの部屋はベッドに机、ソファなどと言った必要最低限の物しか無い凄く殺風景な部屋だった。

部屋が大きい分荷物が無いのが余計にそう思わせてるな。

「まぁここでは出来る事なんて殆ど無いですからね、荷物が少ないのはしょうがないんですよ、趣味をしようとしてもここら辺の環境じゃ出来ないですしね」

「そう言うことか、確かに此処は趣味ができる様な環境じゃ無いよな」

俺はフェルの言葉を聞いて納得した。

この世界にはゲームや漫画なんかの趣向品も無いし、周辺は常に吹雪が吹いている様な場所だ、出来ることは殆ど無い。

出来ることがあるとすれば動物や魔物を狩りに行く事くらいだろう。

狩りも道具を使う訳では無いし、娯楽用品や趣味の道具が無いんだったらこの部屋の中に物がないのも納得だ。

俺だったらこんな環境、絶対に耐えられない。

俺はフェルの言葉を聞いてそう考えた。

趣味もできない娯楽も無い、そして周囲には自分のことを神聖視している人が沢山…絶対に無理だ、考えるだけで頭が痛くなりそうだ。

これは…絶対どうにかしないといけないな。

フェルの環境を知った俺は、後で絶対にこの環境を変える事を決めた。
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