役立たずの最強治癒(?)使い

焼肉

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帰り道

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「まぁああこぉとぉさぁああん、ゆぅるしぃてぇええくだださぁぁあああいぃぃ」


ゴリゴリと地面に擦れてる荷物が何か言っている。


宿屋までの帰り道、通る歩行者が視線を逸らしていくが気にすることはない。


ゴリゴリ、ゴリゴリ
「お母さんあの人達なにしてるの?」
「こら見ちゃいけません」


ズルズル、ズルズル
「あの男なんて顔してやがる。笑顔なのに心が笑ってねぇぞ」

ビリビリ!ビリビリ
「ふぎゃゃゃや、まことさん、ギブです!ギブです!これマジなやつです!」


俺は聞こえてくるそんな声を無視して歩き続ける。

隣にいるユウヤがいたたまれない様子だがまあそこも気にすることはない。




こうしてしばらく歩き、宿屋が見えてきた。
ふぅ~。少しはスッキリしたかな。


足元には負債神がピクピクしながら転がっている。
俺は担ぐようにして宿屋に入るとロビーに腰掛けてこの後の事を考える事にした。



(借金の連帯保証人になってしまった...キャンセルはできるのか?たぶん無理だよなぁ)

負債神の顔を見てため息が出る。

「俺も魔物退治して返すしかないのか。でもあのステータスはな」


教会で現れた数値を思い出す。
レベル上がってるのにステータスが上がっていない。
MPと速さのみが上がってるがそれだけだ。



はぁ~。


またため息が出てきてしまう。
「まあ考えていたって物事は進まないか。とりあえずセツナのところに行ってみるか」


動かない負債神はユウヤに預け宿屋にいてもらうことにし、俺はセツナのところに向かうことにした。
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