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23、ヘインリヒの帰還
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ヘインリヒさんが魔獣討伐に向かって連絡が無いまま、三日目の深夜、まだ彼は戻っていませんでした。
前日にバルムさんからとても怖い魔獣の話を聞いてしまってから、私は色んな事を考えました。
そもそも、魔法の事もこの国の事も知らないのに、一番身近にいたヘインリヒさんの職業内容さえ私はあまり把握していないのです。
ヘインリヒさんは魔法省の魔法警備隊第一保安部、副部長で、沢山の人達を救っていて、凄い人です。
彼は人々の為に命を懸けて戦っているのに、そんな事も思いつかず私は呑気にいつでも会えると思っていました。
ヘインリヒさんの前では素直になれなかったり、変に身構えたりしていたと思います。
緊急招集に出た一昨日の朝も、ヘインリヒさんが私の頬にキスをしたのに「はい、はい。緊急招集ですよ。急いでいってらっしゃい」なんて、照れ隠しに素っ気ない事を言ってしまいました……
もしかしたら、もう会えないかも知れないのに……
そんな風に一人で悶々と考えては、首を振ってそんな事は無いと不吉な想像をかき消していました。
二人で国中を旅しようって話したんだからヘインリヒさんは絶対に帰って来る筈です。
私は今キッチンでパウンドケーキを作っています。
コックのマークさんはもう帰宅していますし、メイドちゃん達も勤務時間が終わりました。一応私の為に警備の魔法使いさんが派遣されていて、彼は今日も玄関ホールの辺りで一人で待機してくれています。
パウンドケーキは材料が全て同じ分量なので作るのは簡単です。焼き上げて一晩置くと、生地がしっとりして美味しいし、焼き菓子なので三日は常温でも保存できます。
バターを型に塗って、できた生地を流し込むと魔術具オーブンに入れました。
時計をチェックして、器材を洗うと、キッチンの小さな椅子に私は腰を下ろしました。
「明日、これ食べて貰えるかな……」
小さく呟いた声は誰にも届かないまま、キッチンの中で消えました。
「う、っ……うぅ」
握りしめた拳にポタリポタリと涙が落ちます。
早く、帰って来て……
早く帰って来て、いつもみたいに私に笑顔を見せて欲しい。変な事で喜んで欲しい。パウンドケーキ食べて欲しい。
そんな事を考えてこっそりと泣いていた時、いきなりドタバタとドアを開けたり人が歩き回る音がしました。警備の魔法使いさんが安否確認に来たのかなと、私は心配を掛けないように目元を乱暴に拭いました。
ドアが開くと、そこには魔法省の魔法警備隊の制服が見えて、入って来た人は長い金髪を三つ編みにしていて――……
勝手に体が動いてしまいました。
彼に飛び込んで、ヘインリヒさんの胸にめり込む位顔を埋めていました。彼の制服は所々傷んでいて、破れたり色が変わったりしていました。草や土埃の匂いもします。
「リコ……ただいま」
いつもの優しい声が聞こえました。
「おっ、おがえり、なざいぃ」
泣いていた顔を見られないように私は顔を埋めたまま答えました。でもドアを開けてヘインリヒさんが入ってきた時、目は充血していただろうし、彼が驚いた顔をしていたので、たぶんバレてしまっているでしょう。
私は人前で泣いたりするのは嫌いです。映画館とかでも人前では絶対泣きません。今考えてみたら、前世の彼氏の前でも泣いた事はありません。人に泣き顔を見せるのは媚びているような、幼稚に思われるような、とにかく私にはできなかったんです。
それなのに今は彼に抱き着きながらヒイヒイと嗚咽する声が止められません。まるで子供みたいで恥ずかしい。
ヘインリヒさんは大きな手で頭を撫でてくれます。
ごめんなさい。泣き止みますね。「大変でしたね」って労って、何かしてあげたいのに、体から力が抜けているし、涙が止まらなくて……どうしよう。
結局私はパウンドケーキが少し焦げるまでキッチンでずっとヘインリヒさんに抱き着いていたのでした。
-----
ヘインリヒが魔獣討伐の緊急招集に向かい、自宅に帰宅したのは三日目の晩だった。
前日の夕方前には魔獣熊三頭を討伐することに成功し、ヘインリヒはやっと魔力弱小化を解かれた事で外界との連絡を取る事ができた。
その際、魔力の使い過ぎで気を失い、援軍・医療班の魔法使い達がヘインリヒを探す事になり、時間がかかってしまった。負傷していた三名の魔法使いは医療魔法のお陰で誰も命を落とすことがなかった。ヘインリヒも数時間休息をとると、続いて現場検証・被害状況の調査に加わった。
諸々の処理を終えてやっと家に帰宅できた頃には、日付が変わる前の深夜になっていた。
飛行魔法で王都のアパートの三階玄関ポーチに降りると、自宅のドアを開ける。
リコのために深夜まで警備してくれている同僚の魔法使いが黙って親指でキッチンの方向を指した。こいつは若いから変な気を起こさないようにリコへの接触はしないように脅している。別に俺にリコの居場所を知らせる時位は言葉を発しても良いのだが。脅し過ぎただろうか。
キッチンからはふんわりと卵とバターと蜂蜜の甘い香りがして、誰かが焼き菓子を作っている気配がした。
扉を開けると、目を真っ赤にして頬を濡らしたリコが驚いた顔で立っていた。
俺が一歩踏み出したところで、彼女は顔をクシャクシャにして俺に抱き着いてきた。
恥ずかしがり屋のリコが自分から俺にくっ付いて来たことに驚くが、俺が抱き返しても全く嫌がらないし、さらに顔を俺の胸に押し付けていて、制服のシャツ越しに彼女の涙と体温を感じた。
「おかえりなさい」と言った声は聞き取れないくらい乱れていたけれど、余計に愛おしくてどうにかなりそうで、俺は一度天井を仰いだ。
夢で彼女と出会った時からリコに好感を抱いていたが、今はもうそんな単純なものではなかった。自分を構成するものの一つとなっているような。今彼女を無くしたらどうなってしまうのか、なんていう少しの恐怖を含んだ切なさも感じる。
今まで俺に近付いてくる妙齢の女性は好きになれなかった、リコが現れる前までずっと自分には好きな人なんて出来ないと諦めてもいた。
それが、どうだ?
震える彼女のしなやかな黒髪を撫で、彼女を抱き、この存在をもう手放せない事を再確認させられた。心の奥から迫り上がってきた感情で泣きそうになる。
自惚れでなければ、彼女もきっと、今俺と同じ気持ちを抱えているのだろう。
安堵と幸せを感じていると、オーブンから香ばしい匂いがしてきて、リコはやっと泣き止んだ。
身じろぎする彼女に離れないで欲しくて、つい背に回していた手に力が入ってしまったけれど「パウンドケーキが焦げちゃう……」という声に渋々彼女を解放した。
焼き上がった物を皿に移したり、後片づけをしているリコを見ていると、リコは俺の視線に戸惑いながらもチラッとこっちを見て「無事に帰ってきてくれて良かったです」と言った。
リコの素直な気持ちを乗せた言葉に俺は嬉しくなってニヤける顔を隠して、「うん。大変だった……」と返す事しかできなかった。
エプロンを外してケーキ作りを終えた彼女は「お食事します?お風呂に入られますか?」と聞いてきたので、「リコちゃん」と言ったら、リコは顔を真っ赤にさせてから、可愛らしく怒った。
「もうっ!冗談言わないで下さい!」
八割方本気なのだが。
照れて赤くなっているリコが可愛くて、つい調子に乗りたくなってしまった。俺はもう一度彼女に向かって両手を広げた。
リコは口を尖らせピンクの頬をして怒った顔をしている。俺のポーズを見て、少しだけ目を迷わせると、もう一度俺の胸にゆっくり近づいてきた。
嘘だろ?
ゆっくり腕を閉じると、小さなリコの体は俺の腕の中に納まってしまう。
か、か、可愛いっ!!
頭が爆発しそうになりながらも、丁寧にリコの顎を掬うと俺は彼女の口にキスをした。
リコはたどたどしくも、それに応えてくれた。
柔らかな舌の感触とリコの香りに頭がクラクラしてくる。
ヤバい。イキそう……
夢中になって彼女の口内をしつこく味わってしまって、俺はまたリコに怒られてしまうのだった。
前日にバルムさんからとても怖い魔獣の話を聞いてしまってから、私は色んな事を考えました。
そもそも、魔法の事もこの国の事も知らないのに、一番身近にいたヘインリヒさんの職業内容さえ私はあまり把握していないのです。
ヘインリヒさんは魔法省の魔法警備隊第一保安部、副部長で、沢山の人達を救っていて、凄い人です。
彼は人々の為に命を懸けて戦っているのに、そんな事も思いつかず私は呑気にいつでも会えると思っていました。
ヘインリヒさんの前では素直になれなかったり、変に身構えたりしていたと思います。
緊急招集に出た一昨日の朝も、ヘインリヒさんが私の頬にキスをしたのに「はい、はい。緊急招集ですよ。急いでいってらっしゃい」なんて、照れ隠しに素っ気ない事を言ってしまいました……
もしかしたら、もう会えないかも知れないのに……
そんな風に一人で悶々と考えては、首を振ってそんな事は無いと不吉な想像をかき消していました。
二人で国中を旅しようって話したんだからヘインリヒさんは絶対に帰って来る筈です。
私は今キッチンでパウンドケーキを作っています。
コックのマークさんはもう帰宅していますし、メイドちゃん達も勤務時間が終わりました。一応私の為に警備の魔法使いさんが派遣されていて、彼は今日も玄関ホールの辺りで一人で待機してくれています。
パウンドケーキは材料が全て同じ分量なので作るのは簡単です。焼き上げて一晩置くと、生地がしっとりして美味しいし、焼き菓子なので三日は常温でも保存できます。
バターを型に塗って、できた生地を流し込むと魔術具オーブンに入れました。
時計をチェックして、器材を洗うと、キッチンの小さな椅子に私は腰を下ろしました。
「明日、これ食べて貰えるかな……」
小さく呟いた声は誰にも届かないまま、キッチンの中で消えました。
「う、っ……うぅ」
握りしめた拳にポタリポタリと涙が落ちます。
早く、帰って来て……
早く帰って来て、いつもみたいに私に笑顔を見せて欲しい。変な事で喜んで欲しい。パウンドケーキ食べて欲しい。
そんな事を考えてこっそりと泣いていた時、いきなりドタバタとドアを開けたり人が歩き回る音がしました。警備の魔法使いさんが安否確認に来たのかなと、私は心配を掛けないように目元を乱暴に拭いました。
ドアが開くと、そこには魔法省の魔法警備隊の制服が見えて、入って来た人は長い金髪を三つ編みにしていて――……
勝手に体が動いてしまいました。
彼に飛び込んで、ヘインリヒさんの胸にめり込む位顔を埋めていました。彼の制服は所々傷んでいて、破れたり色が変わったりしていました。草や土埃の匂いもします。
「リコ……ただいま」
いつもの優しい声が聞こえました。
「おっ、おがえり、なざいぃ」
泣いていた顔を見られないように私は顔を埋めたまま答えました。でもドアを開けてヘインリヒさんが入ってきた時、目は充血していただろうし、彼が驚いた顔をしていたので、たぶんバレてしまっているでしょう。
私は人前で泣いたりするのは嫌いです。映画館とかでも人前では絶対泣きません。今考えてみたら、前世の彼氏の前でも泣いた事はありません。人に泣き顔を見せるのは媚びているような、幼稚に思われるような、とにかく私にはできなかったんです。
それなのに今は彼に抱き着きながらヒイヒイと嗚咽する声が止められません。まるで子供みたいで恥ずかしい。
ヘインリヒさんは大きな手で頭を撫でてくれます。
ごめんなさい。泣き止みますね。「大変でしたね」って労って、何かしてあげたいのに、体から力が抜けているし、涙が止まらなくて……どうしよう。
結局私はパウンドケーキが少し焦げるまでキッチンでずっとヘインリヒさんに抱き着いていたのでした。
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ヘインリヒが魔獣討伐の緊急招集に向かい、自宅に帰宅したのは三日目の晩だった。
前日の夕方前には魔獣熊三頭を討伐することに成功し、ヘインリヒはやっと魔力弱小化を解かれた事で外界との連絡を取る事ができた。
その際、魔力の使い過ぎで気を失い、援軍・医療班の魔法使い達がヘインリヒを探す事になり、時間がかかってしまった。負傷していた三名の魔法使いは医療魔法のお陰で誰も命を落とすことがなかった。ヘインリヒも数時間休息をとると、続いて現場検証・被害状況の調査に加わった。
諸々の処理を終えてやっと家に帰宅できた頃には、日付が変わる前の深夜になっていた。
飛行魔法で王都のアパートの三階玄関ポーチに降りると、自宅のドアを開ける。
リコのために深夜まで警備してくれている同僚の魔法使いが黙って親指でキッチンの方向を指した。こいつは若いから変な気を起こさないようにリコへの接触はしないように脅している。別に俺にリコの居場所を知らせる時位は言葉を発しても良いのだが。脅し過ぎただろうか。
キッチンからはふんわりと卵とバターと蜂蜜の甘い香りがして、誰かが焼き菓子を作っている気配がした。
扉を開けると、目を真っ赤にして頬を濡らしたリコが驚いた顔で立っていた。
俺が一歩踏み出したところで、彼女は顔をクシャクシャにして俺に抱き着いてきた。
恥ずかしがり屋のリコが自分から俺にくっ付いて来たことに驚くが、俺が抱き返しても全く嫌がらないし、さらに顔を俺の胸に押し付けていて、制服のシャツ越しに彼女の涙と体温を感じた。
「おかえりなさい」と言った声は聞き取れないくらい乱れていたけれど、余計に愛おしくてどうにかなりそうで、俺は一度天井を仰いだ。
夢で彼女と出会った時からリコに好感を抱いていたが、今はもうそんな単純なものではなかった。自分を構成するものの一つとなっているような。今彼女を無くしたらどうなってしまうのか、なんていう少しの恐怖を含んだ切なさも感じる。
今まで俺に近付いてくる妙齢の女性は好きになれなかった、リコが現れる前までずっと自分には好きな人なんて出来ないと諦めてもいた。
それが、どうだ?
震える彼女のしなやかな黒髪を撫で、彼女を抱き、この存在をもう手放せない事を再確認させられた。心の奥から迫り上がってきた感情で泣きそうになる。
自惚れでなければ、彼女もきっと、今俺と同じ気持ちを抱えているのだろう。
安堵と幸せを感じていると、オーブンから香ばしい匂いがしてきて、リコはやっと泣き止んだ。
身じろぎする彼女に離れないで欲しくて、つい背に回していた手に力が入ってしまったけれど「パウンドケーキが焦げちゃう……」という声に渋々彼女を解放した。
焼き上がった物を皿に移したり、後片づけをしているリコを見ていると、リコは俺の視線に戸惑いながらもチラッとこっちを見て「無事に帰ってきてくれて良かったです」と言った。
リコの素直な気持ちを乗せた言葉に俺は嬉しくなってニヤける顔を隠して、「うん。大変だった……」と返す事しかできなかった。
エプロンを外してケーキ作りを終えた彼女は「お食事します?お風呂に入られますか?」と聞いてきたので、「リコちゃん」と言ったら、リコは顔を真っ赤にさせてから、可愛らしく怒った。
「もうっ!冗談言わないで下さい!」
八割方本気なのだが。
照れて赤くなっているリコが可愛くて、つい調子に乗りたくなってしまった。俺はもう一度彼女に向かって両手を広げた。
リコは口を尖らせピンクの頬をして怒った顔をしている。俺のポーズを見て、少しだけ目を迷わせると、もう一度俺の胸にゆっくり近づいてきた。
嘘だろ?
ゆっくり腕を閉じると、小さなリコの体は俺の腕の中に納まってしまう。
か、か、可愛いっ!!
頭が爆発しそうになりながらも、丁寧にリコの顎を掬うと俺は彼女の口にキスをした。
リコはたどたどしくも、それに応えてくれた。
柔らかな舌の感触とリコの香りに頭がクラクラしてくる。
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