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鼓舞の明
壱
しおりを挟む「酷い有様だね……巫寿ちゃんそこ足元気をつけて」
足元がぬるりと滑る感覚に心臓が跳ねる。緑色の非常灯だけが廊下を照らす暗がりの中、足元に何が広がっているのか皆目見当もつかない。
感覚だけが足の裏に残って唾を飲んだ。
「おい」
暗闇の中から白い手が差し出された。筋張っていない細い指のその手の主は来光くんではない事は確かだ。
「さっさと歩け。お前のせいで遅れが生じてる」
そんな冷たい言葉と共に白い手は私の二の腕を掴むと勢いよく引っ張る。
慌てて一歩を踏み出せば、少しだけふわりと体が浮いて硬い地面の上に着地する。足裏の嫌な感覚はなくなっていた。
「あ、ありがとう。恵衣くん」
暗闇の中で私を見下ろす切れ長の目に向かってそう伝える。返事は「俺に迷惑をかけるな」といういつも通りのものだった。
"あなた達で、三好正信を救出してください"
禰宜のその言葉に皆一瞬の迷いもなかったけれど、唯一異を唱えたのが来光くんだった。
『ダメだ危険すぎる。応援をここで待とう』
その言葉に少し驚いた。だってここへ来る前、社を飛び出してノブくんを助けに行こうとしていたのは来光くんだ。
『は? だって来光お前、助けに行きたいんだろ!?』
『行きたいよ、そりゃ行きたいよ! 今すぐ助けに行きたい!』
悔しそうにきつく握られた拳を見た。
『でも僕のワガママで、お前らを危険な目に合わせる訳にはいかないんだよ!』
泣き出しそうな、それでも意志の強い瞳が私達を見つめる。
そうだ、来光くんはそういう人なんだ。誰よりも友達を大切に思う人だ。だからこそ反対したんだ。
正直、私は禰宜に頼まれたその瞬間、直ぐに心を決めることが出来なかった。禰宜たちがここまで被害を受けているのに、この世界へ来て一年しか経っていない私が太刀打ちできる相手ではないと思った。いつも危険な目にあった時、誰かに助けられ守られてきた。
でも、そうだとしても。
来光くんが私たちを大切に思ってくれている気持ちには誠実でありたい。困った時にはいつも力を貸してくれた来光くんの力になりたい。
そう思う気持ちは間違いなく、恐れよりも遥かに強い。
『行こう……! ノブくんを助けに!』
私の言葉にみんながニヤリと笑った。
『ノブくんのためじゃねぇ、来光のために協力するんだからな! この恩忘れんなよォ』
『禰宜が言ったんだよ、俺らになら任せられるって』
『最後に大手柄上げてやろうぜ、チーム出仕!』
見開かれた瞳に涙の膜が張って、来光くんはくしゃりと顔を歪めた。腕を目元に押し当てて震える声で「ありがとう」と呟く。
『もちろん恵衣も行くだろ?』
『当たり前だ。担当案件を途中放棄する訳ないだろう』
相変わらずな物言いに小さく笑う。
やるぞ、と突き出された慶賀くんの拳にみんなは「おう!」と突き返した。
御札は一度外せば効果は発揮されない。だから厄除けの札を既に身体に張っている恵衣くん、来光くん、私の三人が名乗り出た。
外に残る三人には、宮司たちが合流した時に直ぐに中へ入れるように外に溢れている残穢の修祓を任せている。
『あくまで救出がメインです。しかし生存確認が出来なければ遺体は回収せずすぐにその場から撤収してください。あくまでも第一優先は自分の身の安全、その次が仲間の安全です。決して無茶な事はしてはいけません』
禰宜は私たちにそう言った。
遺体、という単語に来光くんは一瞬泣きそうな顔をしてすぐに表情を引き締める。
そうだ、今は泣いている場合じゃない。私達が今しなければならないのは、一刻も早くノブくんを探し出すことだ。
「闇雲に探しても埒が明かない。オトモダチならアイツが行きそう場所とか心当たりは無いのか」
恵衣くんの問いかけに来光くんは少し考え込み力なく首を振った。
「全く分からない」
「よくそれで友達だと言えたな」
「喧嘩別れして四年近く会ってない友達の頭の中なんて分かるんけないだろ!?」
ああ、もう。何ですぐに喧嘩になるんだろうこの二人は。
頭を抱えたくなる気持ちを抑えて「今は喧嘩してる場合じゃないよ……!」と窘める。
スマホのライトをつけて廊下を照らした。割れたガラスに倒れたロッカー、昼間に来た時とは変わり果てた光景に息を飲む。
これだけ廊下が荒れ果てた様子なら、きっと妖が見えない人でも何かが起きている事に気が付くだろう。ノブくんは妖が見える人だ、異変に気付いてきっと逃げようとしたはずだ。
「ノブくんは蠱毒をどこでどうやって作ってたんだろう」
スマホで学校内のマップを拡大しながら来光くんがそう呟く。
蠱毒の作り方は文献によって様々だけれど、複数の生き物をひとつの容器に閉じ込めて殺し合わせ、最後の一匹が呪いの媒介になる。つまり最後の一匹になる前に容器を開けると呪いは完成しない。
だからこの学校内で蠱毒を作るなら、人目につかない誰も寄り付かない場所が必要だけれど、それは昼の間に私たちで調べ尽くした。
妖を使った蠱毒ならなおさら閉じ込めておくための大きい空間が必要になる。
「お前らが呑気に昼飯なんて食ってなければ、日のあるうちにもっと詳しく調べられただろうな」
「その文句はあの馬鹿二人に言ってよね!」
「一緒に食ったお前も同罪だろ」
「ああもうッ、お前はいちいちうるさいんだよ! いいからとにかくノブくんを探そ────ッ!?」
バァン、と大きな音がして来光くんがその場に蹲った。暗闇で方向感覚が狂い、壁に向かって勢いよく進んでしまったらしい。
慌てて駆け寄った。
「来光くん大丈夫!?」
ぶつけた額をさすりながら「なんとか」と顔を上げた。衝撃で落ちたのか床に手をはわせて眼鏡を探す。
スマホライトで辺りを照らすと壁のそばに転がっていた。拾い上げて手の上に置くと「ありがとう」と力なく笑う。
私たちにも聞こえるくらい大きなため息をついた恵衣くんに、来光くんがムッとした表情で立ち上がる。やれやれと苦笑いを浮かべて私も立ち上がった。
この暗闇でスマホのライトだけじゃ心許ない。急に壁が目の前に迫ってくるかもしれないし私も気をつけなくちゃ。
壁……壁?
ライトでメガネが落ちていた先を照らすとクリーム色の壁が見えた。歩み寄って壁にそっと手を当てる。
「おい、何してる」
そう声をかけられて振り返る。
「さっき、壁にぶつかったにしては大きな音だったから、ちょっと気になって」
普通こういう壁にぶつかったら鈍い音がするはずなんだけれど、来光くんがぶつかった時響く大きな音がした。
その壁は私が両手を広げたくらいの横幅しかなく、壁と言うよりも柱が突出しているように見える。コンコン、と叩いてみるとやはり奥に空洞があるような軽い音がした。
来光くんが歩み寄り壁にそっと手を添わせる。
「ああ、これ給食用のエレベーターだよ。使われなくなったからハリボテの壁で埋められてるんだね」
「給食用のエレベーター? そんなのがあるの?」
こんこん、と壁を叩き来光くんはひとつ頷いた。
「昔、給食を各階に運ぶ専用の小型エレベーターがあったんだよ。生徒が扉に挟まれる事故があって、今はこうして塞がれてる所が多いみたい。僕も昔通ってた小学校で、この壁はハリボテで奥が空洞だから触るなって言われてたんだよね」
なるほど、だから奥に空洞がある音がしたんだ。
この高校も創立から百年は経っているし、給食用エレベーターが使われていた時代があってもおかしくはない。
「空洞? おい今そう言ったか?」
「な、なんだよ。そうだって言ってるだろ。この奥は空洞になってて────っ!」
顔を合わせて目を見開く。
次の瞬間、私たちは一斉に走り出した。
給食用エレベーターは上下に動くから縦に細長い。各階に同じハリボテの壁があるとしても、もし捕まえたものをその中に閉じ込めておきたいなら────上から中へ放り投げるはずだ。
階段を駆け上がって最上階へたどり着いた。廊下へ出るなり、一層濃くなった残穢に思わず口元を抑える。確認するまでもなく残穢が溢れだしている場所が奥にあることは分かった。
近付くにつれ肌が粟立ち、耳の奥で黒板を爪で引っ掻くような嫌な音を感じた。急に胸が苦しくなって息がつまり浅い呼吸を繰り返す。
とにかく悲しくて苦しくて、わけも分からずぼろぼろと涙がこぼれた。咄嗟に壁に手をついたその時。
「おい」
反対の手の二の腕を掴まれて、何とか座り込まずにすんだ。
重い頭を上げると、こめかみを抑えて顔を顰めた恵衣くんが私を見下ろしている。
「まともに歩けないなら戻ってろ。足でまといだ」
そういう恵衣くんも額に脂汗を滲ませて、同じように苦痛をこらえるような表情を浮かべている。
「無理ないよ、巫寿ちゃん。これは、なかなかキツい。僕の御札でも防ぎきれない残穢の量だ」
目尻の涙を両手で拭った来光くんも顔を歪ませてそう言う。
やっぱりそうか、この感覚は残穢が身体に入って来ているんだ。
熱が上がり始めている時のように全身が熱いのにがたがたと震える。残穢に当てられるのはこれで三度目だけれど、この感覚には一生慣れることは無いだろう。
乱れた呼吸を整えようと長く息を吐いた。
「……ごめん、大丈夫。歩ける」
恵衣くんを見上げてそっと手を解いた。
私の返事に強く頷いた来光くん。廊下の先を見つめ一歩を踏み出した。
近付くにつれ増える残穢に膝が震え息を飲んだ。
黒板を引っ掻くような耳鳴りはやがて具体的な音の形になっていく。
助けて、怖いよ、お母さん、助けて、痛い、苦しい、怖い、怖い、助けて。
悲鳴に近いその叫びは、あの中に閉じ込められた妖たちの叫び、この胸に入り込んでくる恐怖や悲しみは妖たちの心だ。
溢れ出すこの残穢は、蠱毒のものなんかじゃなかった。ここへ閉じ込められた彼らの、残穢にまで刻み込まれていた苦しみだ。
廊下の隅にまできた。案の定給食用エレベーターの壁は破られていて、生臭い臭いが鼻をつく。ごうごうと残穢が溢れ出すそこを覗き込む勇気はなかった。
そこに閉じ込められた妖たちの残穢に染み込んだ悲しみや苦しみが私の中へ流れ込んでくる。きっと怖くて辛くて堪らなかったはずだ。
「最要祓を奏上するぞ」
恵衣くんの言葉に、空いた穴を見つめる。
最要祓は最も強い浄化の効果をもつ大祓詞を簡略化した祝詞だ。大祓詞は詞数が多くかなり奏上が難しい祝詞で、私たちは一年生はまだ教えられていない。
本当に、浄化する事が正しいんだろうか……?
この場を不浄にしている事には間違いない。このままだと結界の外に漏れて多くの人たちに被害が及ぶかもしれない。
でも────。
「いや、復命祝詞だ」
私が口を開くよりも先に来光くんがそう言って、私は身を乗り出した。
「私も、そう思う」
「うん。だって神職の役目は、人と妖を導き守ることだ」
この残穢は間違いなく不浄だけれど、ただ祓うだけじゃ駄目だ。これはただの残穢じゃない。まだ導くことはできる。
来光くんと目が合った。力強く頷く。
「三人で奏上しよう、復命祝詞を!」
復命祝詞、荒ぶる魂を鎮める祝詞だ。
呼吸を整えた私たちは揃った柏手を響かせる。
「────綾に畏き天照國照統大神の御前に拝み奉り諸諸の命神等世世の御祖命教主命惠蒙れる人等の御前をも尊び奉りて恐こみ恐こみも白さく」
春の陽だまりのような柔らかな声で紡ぐ鎮魂の詞。
彷徨う魂たちを慰め、導く。
皆の声が混ざり合う。木の葉の隙間から漏れる木漏れ日がいくつも重なり合って大地を温めるように、詞が混じり合い言祝ぎが高まる。
「統大神の高く尊き霊威を蒙り奉りて任け給ひ寄さし給ひし大命の違ふ事無く怠る事無く仕へ奉ると諸諸の荒び疎ぶる禍津日の禍事に穢るる事無く横さの道に迷ひ入る事無く言退け行ひ和して玉鉾の直指す道を踏み違へじと真木柱太敷く立てて仕へ奉りし状を忝み奉りつつ復命竟へ奉らくを見備はし給ひ聞こし召し給ひて……」
思い返せば来光くんはいつも自分を後回しにして、周りを気遣う人だった。
表立って何かをすることはなくても、いつも後ろでサポートしてくれる姿があった。
神修へ来たばかりの頃、分からない事が出てくる度に私が尋ねる前にすかさず教えてくれた。
一学期、空亡の残穢の封印場所で戦った時。夏休みに恵理ちゃんの家で産土神を祓いそうになって大怪我を負った時、二学期に応声虫を焼き払った時。何かあった時、いつも「大丈夫?」と一番にみんなを気遣うのは来光くんだった。
以前、節分祭の時に志らくさんに教えて貰った「利他的行動」という言葉を思い出した。
自己の損失を顧みず他者の利益になるように行動することを指す言葉で、これが神職の理想像らしい。
志らくさんから教えて貰った後、そんな事をできる人なんて滅多に居ないんじゃないかとずっと思っていたけれど、今思えばまさに来光くんこそがこの理想像に一番近いのかもしれない。
今の私たちの中で誰よりも神職の本質を理解しているのは、間違いなく来光くんだ。
「過ち犯しけむ禍事を見直し聞き直して教へ給ひ諭し給ひ霊の真澄の鏡弥照りに照り輝かしめ給ひて愈愈高き大命を寄さし給ひ身は健やかに家内睦び栄へしめ給ひ」
吹き荒れていた残穢の勢いが弱まった。
耳鳴りのように聞こえていた妖たちの悲鳴が凪いでいく。
「永遠に天下四方の國民を安けく在らしめ給へと恐こみ恐こみも白す────!」
私たちを中心に、燃え盛る火を吹き消すように心地よい風がぶわりと吹き抜けた。埃っぽい部屋の窓を開けた瞬間のような澄んだ空気が駆け巡る。
嫌な耳鳴りは誰かの寝息のような優しい音になり、やがて静寂へ帰った。
視界が晴れて静かになった廊下を見渡し、来光くんが拳を差し出した。
笑ってその手に拳をぶつける。
「ほら恵衣も」
「……調子に乗るな変異種」
「ノリ悪~い」
「うるさい黙れッ!」
差し出された拳を手の甲ではたいた恵衣くんがつかつかと歩き出す。
来光くんと顔を見合せて笑い、その背中を追いかけた。
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