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第2話
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第2話 スキル授与の日
刺された背中が痛むと同時に意識が遠のいていく・・・もう呼吸も辛い。
逃げた犯人の行方は兵士たちが追っているが、俺は刺された広場で、応急処置を受けていた。
「まさか本当に刺されるとはな……」
――その瞬間、確かに体の奥から何かが反応した。
熱く、強く、そして……懐かしいような感覚だった。
そう、懐かしい。
……思い出すな。俺が10歳の時のことを。
*
この国では、10歳になると“スキル”を授かる。
授かるというか、正確には――判定される。
天から与えられるその才能は、個々の魂に宿る性質を映すものであり、一生を左右する重要な指標だ。
大抵は親の遺伝子を色濃く継ぐ。
王族や貴族、強き血筋の家はやはりそれに見合った強力なスキルを得ることが多い。
逆に、庶民の子がとんでもない逸材だったり、名門の子が“ハズレ”を引くことも稀にある。
そして俺――第四王子シンも、当然その儀式を受けた・・・
当時の俺は、緊張と興奮で眠れぬ夜を数日間過ごしたものだ。
兄たちはそれぞれ剣技、治癒、召喚といった誰もがうらやむ上位スキルを手にしていた。
きっと俺もそれに準ずるすごいスキルを授かるに違いない。そう思っていた。
町外れの大神殿、白大理石の床。
司祭が、金の杖を俺の額にかざす。
「汝の魂に宿りし真の才、ここに顕現せよ」
青白い光が額から広がって――
「………………これは……?」
刺された背中が痛むと同時に意識が遠のいていく・・・もう呼吸も辛い。
逃げた犯人の行方は兵士たちが追っているが、俺は刺された広場で、応急処置を受けていた。
「まさか本当に刺されるとはな……」
――その瞬間、確かに体の奥から何かが反応した。
熱く、強く、そして……懐かしいような感覚だった。
そう、懐かしい。
……思い出すな。俺が10歳の時のことを。
*
この国では、10歳になると“スキル”を授かる。
授かるというか、正確には――判定される。
天から与えられるその才能は、個々の魂に宿る性質を映すものであり、一生を左右する重要な指標だ。
大抵は親の遺伝子を色濃く継ぐ。
王族や貴族、強き血筋の家はやはりそれに見合った強力なスキルを得ることが多い。
逆に、庶民の子がとんでもない逸材だったり、名門の子が“ハズレ”を引くことも稀にある。
そして俺――第四王子シンも、当然その儀式を受けた・・・
当時の俺は、緊張と興奮で眠れぬ夜を数日間過ごしたものだ。
兄たちはそれぞれ剣技、治癒、召喚といった誰もがうらやむ上位スキルを手にしていた。
きっと俺もそれに準ずるすごいスキルを授かるに違いない。そう思っていた。
町外れの大神殿、白大理石の床。
司祭が、金の杖を俺の額にかざす。
「汝の魂に宿りし真の才、ここに顕現せよ」
青白い光が額から広がって――
「………………これは……?」
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