化天のうち

烈風

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尾張統一編

織田"信長"誕生

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天文十五年 古渡城
 
重臣が集まり吉法師の元服の儀が執り行われた

織田信虎が嫡男吉法師は織田三郎信長と名を改めた
 

翌年 那古野城

「信長様!古渡より書状が届きました」

信長の教育係である平手政秀が書状を持ち部屋へ入ってきた

「……なんと書いてある?」

「信長様の指揮で今川氏の吉良大浜城を攻めよとのことです」

「なんと!」

それまで関心をあまり示していなかったが、その話を聞くや

「それで、出陣はいつとなるのだ!」

と悦びを隠しきれない様子で平手に問う

「はっ、五日後に出陣となります」

「五日後か……」

悦びの表情に少しの不満さが見える

「それでは…直ちに陣触れを出し兵を集めよ……」

「承知いたしました」

平手は足早に信長の部屋を出て行った


五日後 三河国 

「…あれが吉良大浜城か…」

信長は城を少し眺めてすぐ

「城周りに火をつけよ!」

と命令をかけた

織田軍の兵士たちが次々と城下に火を放ち しばらく経つと辺りは焼け野原となった

「……城から出てくる気配はなしか……」

「……(火の巡りは……兵の様子は……)」

信長は城のほうを見て冷静に分析をしている

「……よし、今日はここに野営し、明日帰陣するぞ」

信長は敵城近くに野営し、次の日那古野城へ帰還する

「殿、上出来でしたぞ」

「爺、父上に無事帰還したと報告せよ、わしは用がある」

「かしこまりました」

信長は平手にそう下知を出し、自身は馬に乗り城をでかけていった

「………(兵が集まるまで5日……)」
「………(こんなに時間がかかれば敵が守りを固めてしまう)」
「………(もっと早く動かせる兵を……)」

数名のお供を連れ那古野城より馬を走らせ末森の城へ向かった

「待たせたな、橋本一巴」

「いえいえ、初陣お見事にございました」

一巴は信長に近づき頭を下げる

「……-今お主が持っているものがというものか?」

「左様にございます」

信長は馬から降り鉄砲を受け取った

「これはどう使うのだ、一度見せてみよ」

信長は一巴に鉄砲を返しそう命令した

一巴は鉄砲に弾と火薬を装填し
火蓋を切り火薬を入れ、火縄を挟み再び火蓋をきり、目の前に建てられた的に向かい鉄砲を構え、引き金を引き発射した

「おお………」

信長を始めお供していた者ども全て圧巻の声を上げた

「これを配備できればかなりの戦力に……」

信長の話を遮るように一巴は答える

「しかし、一丁千貫はかかりますぞ」

「うむ……」

信長は上を向き少しばかし考え…

「ならばすることは決まったな」

信長は馬にのりお供のものに先に帰るよう伝え、末盛の城を後にし、ある寺へ向かった

「沢彦!」

「おお、信長様、本日も兵法のお勉強をしに参りましたかな」

この住職は沢彦宗恩。信長のもう一人の教育係である。

「違う!」

「ほう……では何を?」

「銭だ!銭を得る方法を教えてくれ!」

「それはまた急ですな……ではまず、道普請と関所撤廃を行ってみては如何ですかな」

「関所をなくせば人の往来が多くなり、曲がりくねった道を整備すれば城下に人が集まり経済は活性化するでしょう……しかし他国に情報が流れやすくなります」

信長は先程のように少し上を向き考え

少し微笑み答える

「好都合だ……直ちに実行させよう」

信長はこの後関所を撤廃し、道を整備し人が簡単に往来できる体制を整えた

同年天文18年に國友の鉄砲鍛冶に500丁を発注する。


「……(次は専業武士だな……)」 

信長は城下へ馬を走らせる

家督の継げない三男四男のものを集めて回った

後に結成される信長の親衛隊「馬廻」はこの時集めたものたちが中心となる

信長はこの後 武器の改造や専業武士(足軽)の登用など確信的な改革を行う


「殿、末盛より書状です」
 
小姓が信長に書状を渡す

「………!!」

「すぐに古渡に向かう!馬を出せ!」

信長は書状を読むや早々に馬にのり末盛の城へ向かった

「父上に通してくれ」

古渡の城に着くとすぐ父、信秀の元へ向かった

「おお、信長か、来ると思ってたぞ」

信秀は信長とは対照的に陽気に信長に挨拶をする

「父上!あの書状は誠ですか!?」

「ああ、先の戦の講話条件として婚姻を結ぶこととなってな。あと異論は認めぬぞ」

「織田家のためです。異論などはございません」

「うむ。婚礼の儀の日程は決まり次第伝える。」

「承知しました。これにて御免」

信長は不安と期待を持ちつつ居城へ帰った


那古野城 婚礼の儀の日

当時の結婚式はまず新婦が家長のものと顔合わせをし、翌日に新郎と顔合わせをすることとなっていた。

婚礼の儀は無事終わり信長と帰蝶は夫婦となる。

帰蝶と信長の間に子供はできず、文献もあまり残っていないため帰蝶は謎が多くある人物である。

しかし帰蝶はこの後の信長の動きに大きく影響してくることとなる
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