「婚約破棄」ですか?私はかまいませんが本気ですか?

ヤバたん

文字の大きさ
6 / 15

王立学園の執行部などなど

しおりを挟む
 ジョシュアとビアナの行動に呆れているロザリアの耳に、サフィア殿下の声が聞こえてきた。

 コレは生徒主導執行部に所属する生徒が身につけている魔導具を介した念話であろう。

 王立学園には学園を護り運営する学園主導の執行部と生徒間の問題を取り扱う生徒主導の執行部が存在するのだ。
 定期的に双方の執行部が連絡を取り合い相互協力をして、学園の自治は保たれている。

 学園の生徒執行部員たちは情報集約にフクロウを模したイヤーカフの魔導具を身につけているが、一般生徒はただの執行部役員の印だと思っている。
 このイヤーカフ型魔導具は執行部員が執行部から離れて1年は、後任の者たちが困った際に新会長と副会長に限り前任者たちに相談連絡が取れ。それ以降は記念品あつかいとなる。
 指示や精査は執行部会長や副会長が行い。大多数の執行部員は報告が主目的なので、今回のように会話型式は珍しい。

『ロザリア嬢』

 頭に響いてきたサフィア殿下の声に視線を向けると、髪を耳にかけるついでにイヤーカフに触れ軽く魔力を流す。

 それに気がついたディアーナがロザリアに近寄り、預けていた扇を手渡してきたので髪をなおしイヤーカフを起動した。

『サフィア殿下どうかされました?内容に問題でも⁈』

『変更内容の確認だけど(ワーズ伯爵家子息ジョシュア・ワーズとトーイ男爵家ビアナ・トーイ有責による婚約破棄)で良かった?』

『たしかトーイ男爵家自体は真面目なお家でしたよね』

 トーイ男爵家は領地を持たず家格は低いが、語学力と特異な記録力に護身体術まで身に付けてる者が多いから高位貴族家に執事やメイドにと望まれ、よほど人格に問題があるか能力が劣ってなければ就職は引くて数多。婚約の釣書も山程きてるはず。
 家格は男爵と低くとも歴史は古く、分家や親戚筋ですら関係を望まれる一族である。だからこそトーイ男爵家の系統は気に入った主人に仕えようとするのだが、稀に好ましくないタチの者も生まれてきたりする。
 成人までに主人が見つからなかったり好ましくないタチの者のなどは、規律の厳しい僧院か尼僧院入となる。放置するには彼ら一族の特異性は危険なのだ。

『ビアナ嬢は三女で、どこの家からも声がかからず卒業と同時に尼僧院に行く予定だよ」

『借財返却者にサインしていますから尼僧院はムリですよ。変更内容は(ジョシュア・ワーズとビアナ・トーイ有責による婚約破棄)でお願いします』

『それで良いの?』

『ハイお願いします』

『やっぱりロザリアが次代辺境伯でなければ王家に欲しかったなぁ~』

 ロザリアが望む変更にワーズ伯爵家とトーイ男爵家は含まれていない。借財は彼ら個人の責任であり家やその寄子や取引き関係には累が及ばないようにしたのだ。

 ワーズ伯爵家は王国五指に入る良質な農園を有している。だからこそ国も伯爵家に助力しようとしたし、ほかの貴族家も支援しようとした。
 だが、それはワーズ伯爵家にであってワーズ家の子息ジョシュア個人にではない。

 それを見越してロザリアは個人的な投資のカタをとった。
 ジョシュアがアイビー辺境伯家の婿に見合う人となりに育たず、腐るようなら断ち切り借財を回収することも視野に入れている。
 婚約話が出た5歳の頃に、こんな事を考えていたロザリアの才に王家が眼をかけていたのは当然だ。
 それゆえに国が関わらない貴族家同士の婚約契約書が『魔導契約書』へとレベルアップしている。

 辺境伯は国の護り手なのを王家がもっとも理解しており。それゆえに辺境伯家は政略結婚が緩和されて、国防のテンションに支障がなければ恋愛婚も認められているのだ
 王家の血も入っているし、冒険者や傭兵の血も入っていたりするのが辺境伯家。
 辺境伯家に対して国益が護られれば、王家は寛容に見護る姿勢を見せるのみ。
 ロザリアの母は腕の良い鍛冶師で、自分が打ったエモノを振るって試すためダンジョンに潜ることもあり。そこでは誰がみても辺境伯夫人だとは思えない勇ましい姿を眼にすることとなるだろう。

 アイビー辺境伯家にはロザリアを筆頭に3人の子息と2人の令嬢がおり、現在王立学園の来年4年生にスキップする2人に新たに1人が入学してくる予定。
 辺境伯家の子供達は東も西も王立学園で2回から3回スキップして卒業する。悠長に6年間学園生活を送れるほど辺境は平和でわないから。

 アイビー辺境伯夫人は6人子をもうけても、未だに元気よく自作武器の試しにダンジョンアタックに励み。そんな女性を心から愛している辺境伯は彼女以外は、仕えている王族か家族か家人か領民か他所の人間くらいにしか思っていない。
 アイビー辺境伯本人は自分が細身で鍛え上げられた身体に、一見憂いを帯びた容姿をしてるので女性受けがイイなど知らないし興味もない。

 いくら本人が(美しい妻を見れるのは嬉しいが、王宮は人が多いし色々な人と挨拶しないといけないから面倒くさいし。でも妻に虫が近づいたら追い払わないと‥‥とか。‥‥はやく帰りたいなぁ~帰って妻とイチャイチャしたい)などと考えており。
 夫人も辺境伯と同様の考えだったりするのだ。

 こんな両親のおかげで年に一度王家主催の新年舞踏会に辺境伯夫妻が出席するたびに、ロザリアの弟妹は順調に増えていっている。
 この何年か弟妹は増えてないけど、今年あたり増えそうな気もするよなぁ~
 ロザリアのこの手の勘はよく当たるのだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜

放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!? 「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」 不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。

婚約破棄をしておけば

あんど もあ
ファンタジー
王太子アントワーヌの婚約者のレアリゼは、アントワーヌに嫌われていた。男を立てぬ女らしくないレアリゼが悪い、と皆に思われて孤立無援なレアリゼ。彼女は報われぬままひたすら国のために働いた……と思われていたが実は……。

主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します

白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。 あなたは【真実の愛】を信じますか? そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。 だって・・・そうでしょ? ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!? それだけではない。 何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!! 私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。 それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。 しかも! ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!! マジかーーーっ!!! 前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!! 思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。 世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。

お姫様は死に、魔女様は目覚めた

悠十
恋愛
 とある大国に、小さいけれど豊かな国の姫君が側妃として嫁いだ。  しかし、離宮に案内されるも、離宮には侍女も衛兵も居ない。ベルを鳴らしても、人を呼んでも誰も来ず、姫君は長旅の疲れから眠り込んでしまう。  そして、深夜、姫君は目覚め、体の不調を感じた。そのまま気を失い、三度目覚め、三度気を失い、そして…… 「あ、あれ? えっ、なんで私、前の体に戻ってるわけ?」  姫君だった少女は、前世の魔女の体に魂が戻ってきていた。 「えっ、まさか、あのまま死んだ⁉」  魔女は慌てて遠見の水晶を覗き込む。自分の――姫君の体は、嫁いだ大国はいったいどうなっているのか知るために……

誰もが我儘な私ではないお方が良かったようなので、悪役の私は残忍な猛将達に手酷く扱われに行きます。戻れ? 絶対に離れるなと脅されているのですが

迷路を跳ぶ狐
ファンタジー
 魔法もろくに使えない役立たずと言われ、婚約者にも彼の周りの人達にも馬鹿にされてきた私。ずっと耐えてきたつもりだったけど、誰もがこんな私よりも、もっと優秀な魔法使いがいたはずなのに、とため息をつく。  魔法によって栄え、王都にまでその名を知らしめた貴族の婚約者は、「なんでこんな役立たずが……」と私を蔑み、城の中で魔法使いたちを統率する偉大な魔法使いは、「こんな女がこの領地を任されるだなんて! なんて恐ろしく愚かなことだ!!」と嘆く。  貴族たちに囲まれ詰られて、婚約者には見放され、両親には罵声を浴びせられ、見せ物のように惨たらしく罰せられた。「なんでこんな役立たずがこの城に来たんだ……」そう落胆されながら。  魔法が苦手でここを出る手段はないけど……もうこんなところにいられるか!  そう決意した私に、私を虐げていた誰もが腹を立てる。激しくぶたれた私は、機嫌を損ねた残忍な竜たちに、枷をされて隣の領地まで連れて行かれることになった。  重労働を言いつけられ、魔物や魔獣、竜たちがうろつく森の城についてからは、暗く小さな部屋に放り込まれた。  たった一人で食事をして、何もない部屋から見窄らしい格好で窓の外を見上げる。  なんだこれ………… 「最高…………」  もう、私を踏み躙る奴らに好きに扱われることはないんだ! それだけで、何もかもが最高!!  金もなければ能力もまるでない! 魔法すらまともに使えない! だけど今は思いのままに身につけに行ける!! 何もないのでこれから欲しいもの全部、手に入れに行きます!  そんな風にして竜族の城に住むことになった私。気づいたらやけに皆さんとの距離が近い? 元婚約者も「戻って来い」なんてうるさいけど、知りません!! 私は忙しいので!

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

殿下、もう何もかも手遅れです

魚谷
恋愛
偉大なる国王が崩御した。 葬儀の場で、王太子アドルフォスは、父王が病床にいるのを良いことに国を思うがままにしようとする、婚約者である公爵令嬢ロザリンデと、その父である宰相を断罪しようと決意する。 全ては自分が次の王に相応しいことを、その場にいる全ての貴族たちに示すため。 アドルフォスは自分の勝利を信じて疑わなかった。 自分には、麗しい子爵令嬢で、数百年に一度生まれる聖女の力に覚醒したエレインという心強い味方がいるのだから。 勝利は揺るぎないはずだった……そう、アドルフォスの頭の中では。 これはひとつの国の終わりの物語。 ★他のサイトにも掲載しております ★13000字程度でサクッとお読み頂けます

婚約破棄されたのでファンシーショップ始めました。 ― 元婚約者が、お人形さんを側室にしようとして大恥をかきました ―

鷹 綾
恋愛
隣国の王子から「政略的にも個人的にも魅力を感じない」と婚約破棄された、ファンタジア王国第三女王タナー。 泣きも怒りもせず、彼女が考えたのは――「いつか王宮の庇護がなくなっても困らない生き方」だった。 まだ八歳。 それでも先を見据え、タナーは王都の片隅で小さなファンシーショップを開くことを決意する。 並ぶのは、かわいい雑貨。 そして、かわいい魔法の雑貨。 お茶を淹れてくれるクマのぬいぐるみ店員《テイデイ・バトラー》、 冷めないティーカップ、 時間になると小鳥が飛び出すアンティーク時計――。 静かに広がる評判の裏で、 かつての元婚約者は「お人形さんを側室にしようとして」赤っ恥をかくことに。 ざまぁは控えめ、日常はやさしく。 かわいいものに囲まれながら、女王は今日も穏やかにお店を開けています。 --- この文面は ✔ アルファポリス向け文字数 ✔ 女子読者に刺さるワード配置 ✔ ネタバレしすぎない ✔ ほのぼの感キープ を全部満たしています。 次は 👉 タグ案 👉 ランキング用超短縮あらすじ(100字) どちらにしますか?

処理中です...