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はじまりは突然に?!
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シンドリー公爵令嬢・リリィーアルには婚約者がいる。名をアルドリア・サンデマンス。リリィーアルの住まう国の第一王子である。
リリィーアルとアルドリアは幼き頃はとても仲がよかったが、いつの間にか溝ができたのか、アルドリアはリリィーアルを避けるようになっていた。
しかしリリィーアルは、冷たく接するアルドリアに心を痛めながらも彼を今でも好いている。
だからこそ、学園にやって来たランブ男爵の庶子・マキアを好いていない。否、リリィーアルだけではない。
「マキアさんは確かに美人で気立てもいい、加護欲もそそられる方よ。けれど、殿方達……自身に婚約者がいるのにも構わずマキアさんに入れ込むのはどうかと思うのです」
そんな愚痴を友人であるルリーシャが吐く。リリィーアルも同意するように頷いた。
リリィーアルもルリーシャも婚約者の心をマキアに奪われた内の一人だ。……最初から婚約者の心が彼女らの物だったかは別として。
―――そんな少し前のことを回想したのは、現実逃避がしたかったからかもしれない。
「……なんですって?」
リリィーアルは目の前にいる美女、マキアを睨み付けた。
事の始まりは放課後、マキアに学校裏に呼び出されたことから始まる。宣戦布告か嫌がらせか、眉を潜めながらリリィーアルが向かうと、顔を真っ赤にしたマキアにとんでもないことを言われた。
冗談としか思えないその言葉を思いだし、リリィーアルの瞳が鋭さを増す。
腐っても公爵令嬢。それも王妃候補の、だ。相手を怯ませることなどできて当たり前。否、自覚済みの勝ち気さと少々ひねくれた性格も手伝ってか、寧ろ容易だとさえ言える。
しかしマキアは怯むどころか、逆に嬉しそうな笑みを浮かべた。
「ぐへ、かわたん」
マキアから摩訶不思議、理解したくない言葉が漏れた。
心なしか目がギラギラしているようにも見える。リリィーアルは気のせいとして片付けた。
ごほん、と咳払いし仕切り直した。
「もう一度聞きますわ、先程、なんとおっしゃられましたか?」
「好きです付き合ってください」
即答だった。
「ふざけないでくださいまし!」
「ふざけてないし、本当だし!」
「だから……ッ」
マキアに力強く手を握られ、リリィーアルは思わず後ずさった。それに構わずマキアは一歩踏み込みリリィーアルに顔を寄せる。
「私は、リリィーアル様が好きなんです。性的に」
「ちょっと!?」
いきなり飛び出した下品な言葉にリリィーアルの顔が真っ赤になった。
はくはくと開閉させるリリィーアルの唇に、マキアが顔を寄せた。
ちゅ、と音を立てた後に離れていく。
リリィーアルの思考が停止した。
「……私、絶対リリィーアル様を振り向かせて見せますから!」
頬を赤く染めたマキアが早口で言って去っていく。
学校裏には呆然としたリリィーアルだけが優しい風に吹かれながら立っていた。
リリィーアルとアルドリアは幼き頃はとても仲がよかったが、いつの間にか溝ができたのか、アルドリアはリリィーアルを避けるようになっていた。
しかしリリィーアルは、冷たく接するアルドリアに心を痛めながらも彼を今でも好いている。
だからこそ、学園にやって来たランブ男爵の庶子・マキアを好いていない。否、リリィーアルだけではない。
「マキアさんは確かに美人で気立てもいい、加護欲もそそられる方よ。けれど、殿方達……自身に婚約者がいるのにも構わずマキアさんに入れ込むのはどうかと思うのです」
そんな愚痴を友人であるルリーシャが吐く。リリィーアルも同意するように頷いた。
リリィーアルもルリーシャも婚約者の心をマキアに奪われた内の一人だ。……最初から婚約者の心が彼女らの物だったかは別として。
―――そんな少し前のことを回想したのは、現実逃避がしたかったからかもしれない。
「……なんですって?」
リリィーアルは目の前にいる美女、マキアを睨み付けた。
事の始まりは放課後、マキアに学校裏に呼び出されたことから始まる。宣戦布告か嫌がらせか、眉を潜めながらリリィーアルが向かうと、顔を真っ赤にしたマキアにとんでもないことを言われた。
冗談としか思えないその言葉を思いだし、リリィーアルの瞳が鋭さを増す。
腐っても公爵令嬢。それも王妃候補の、だ。相手を怯ませることなどできて当たり前。否、自覚済みの勝ち気さと少々ひねくれた性格も手伝ってか、寧ろ容易だとさえ言える。
しかしマキアは怯むどころか、逆に嬉しそうな笑みを浮かべた。
「ぐへ、かわたん」
マキアから摩訶不思議、理解したくない言葉が漏れた。
心なしか目がギラギラしているようにも見える。リリィーアルは気のせいとして片付けた。
ごほん、と咳払いし仕切り直した。
「もう一度聞きますわ、先程、なんとおっしゃられましたか?」
「好きです付き合ってください」
即答だった。
「ふざけないでくださいまし!」
「ふざけてないし、本当だし!」
「だから……ッ」
マキアに力強く手を握られ、リリィーアルは思わず後ずさった。それに構わずマキアは一歩踏み込みリリィーアルに顔を寄せる。
「私は、リリィーアル様が好きなんです。性的に」
「ちょっと!?」
いきなり飛び出した下品な言葉にリリィーアルの顔が真っ赤になった。
はくはくと開閉させるリリィーアルの唇に、マキアが顔を寄せた。
ちゅ、と音を立てた後に離れていく。
リリィーアルの思考が停止した。
「……私、絶対リリィーアル様を振り向かせて見せますから!」
頬を赤く染めたマキアが早口で言って去っていく。
学校裏には呆然としたリリィーアルだけが優しい風に吹かれながら立っていた。
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