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第24話 肉も骨も切らせてやんねーよ作戦!
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今回の仕事を知らされた時、なぜ夜間に発掘屋が作業しているのか、という疑問が浮かんできた。暗くなればラヴェルサの接近に気づくのが難しくなるし、いくら照明器具が揃っていても、作業効率は絶対に落ちるはずだ。
団長の話によると、緊急の救難要請をしてきたのは、ロギリア商会という割と大きめの組織らしい。彼らは自前の傭兵組織を持ち、自分たちで安全を確保しながら発掘作業に勤しんでいるそうだ。
彼らの作業場所は帝都から西に離れた場所で、よりラヴェルサの領域に近い。
その分、地下に眠っている機人も多いという。
帝都から離れた場所での作業となれば、その分移動時間を必要とするから、泊りがけでの仕事にして、できるだけ無駄を省きたいんだろうなってのは理解できるけど、それは危険と隣り合わせということを意味するんだ。
ただ夜間の作業については、法律で禁止されているわけじゃないので、自己責任でということなのだろう。
「商会の警備には六機いたんだよな?」
「ということは、敵はそれ以上の可能性が高そうですね」
「そんなの当たり前じゃない。そうじゃなきゃ救援要請なんてしないでしょ」
若者たちの会話を聞いてると不思議な気分になる。
自分たちと同等以上の敵機がいるかもしれないというのに、この落ち着き払った態度はなんなんだろうと。
これが経験の差なのか、それとも若さゆえの過ちか。
「お前ら、少しは緊張感を持て」
もしかしたら後者なのかもしれない。
副長がこれまに聞いたことないほど低い声で警戒を呼びかけている。
なんだか俺の方が緊張が増してきた気がするぞ。
「最後にもう一度だけ確認しておくよ。目的は護衛だけど、あくまで自分と仲間が最優先だ。臨時収入に目がくらんで、突っ走るんじゃないよ。私らの仕事は発掘屋の安全確保だけど、最悪そのまま撤退もあり得るんだからね」
「しつも~ん。そもそも、なんで帝国の人たちが出てこないんですか~?」
「そんなの軍の規模が小さいからだろ。それにあんまり強くねーしな。帝都の戦力のほとんどは教会の戦力だから、教会が助けてやればいいと思うけど」
ルシオが質問に答える。結構辛辣な意見を言うじゃないか。
ルーベリオ教会出身の副長に対する当てつけか?
「それは分かってるけど、ロギリア商会って結構大きいじゃん。だったら、お金持ちだし、助けにいったら、うま味がありそうだけどな~」
「商会の考えかもしれないよ。自前の部隊よりも傭兵の方が安くつくからね。労働者とかその家族に対しても、一応救援は出しましたよって言えるし」
ふむふむ、なるほど。リンダもフォルカも色々考えてるんだな。
俺より、よっぽど政治に詳しそうだ。
「それに場所の問題もあるだろうな。救援要請があったのはリグド・テランとの国境に近い。教会や帝国軍が大挙して押し寄せたら、彼らを刺激してしまうかもしれない」
「そっかぁ。さすが副長!」
はいはい、さす副さす副。
確かに国境地帯に軍が出て行ったら危険だよな。
俺たちはそこに向かってるんですがね。
やっぱり金のない傭兵団は辛いです。
「そろそろ、おしゃべりは終わりにしな。もうすぐ目的地に着くんだからね」
団長の言葉に緊張感が高まっていく。
皆はどうなんだろうか。
俺たちは今、普段のチームに分かれて縦二列で移動している。
遮る物がないから無線がクリアに聞こえてる。
「リンダ。一応救難チャンネルに合わせて、呼びかけてみな」
「は~い」
たぶん敵がいたら、既に俺たちのことを察知しているだろう。
なにせ夜間装甲を付けてないし、照明をつけっぱなしでピッカピカだからな。
なので、遠慮なく無線を飛ばして、確認できる。
連絡があってから一時間以上は経ってるから望みは薄いかもしれないけど。
というか、無人機のラヴェルサは、どうやって俺達を確認してるんだろうか。
「こちらは神聖レグナリア帝国・傭兵組合所属の者です。ロギリア商会の皆さん、生きてたら返事してくださ~い」
前後左右を警戒しながらも、暗い道を結構な速さで進んでいる。
各機が明かりを照らしているとはいえ、昼のように完全に見えるわけじゃない。
俺はなんとか前を走るリンダを見失わないように必死に背中を追っていた。
それでも無線を飛ばし続けているリンダとの距離が少しだけ開いた。
別に俺の動きが悪いとかじゃない。
レトが「(左の方から何かが近づいてきてるよ)」って言ってきたからだ。
「剣星、どうかしたかい?」
「いえ、今なんか動いたよう……なっ!」
瞬間、目の前が暗くなった。
照明が故障したわけじゃない。
黒い物体が目の前に現れたんだ。
レトの忠告がなかったら危なかったかもしれない。
「敵襲!!」
短く言葉と吐くと同時に蹴り飛ばされて、隊列から離れてしまう。
「くっ、こいつ!」
「剣星?! 皆、他にもいるよ、気を付けな!」
色んな方向から、金属の衝撃音が聞こえてくる。
どうやら傭兵団の皆も襲撃を受けたようだ。
でも今は自分の事に集中するしかねぇ。
「うおっ!」
再び接近して来た機人を間一髪でなんとか回避。
それにしてもどういうことだ。
目の前にいる機人は赤光晶の光を放っていない。
ラヴェルサの機人なら、キラキラ光っているはずだ。
もしかして、こいつら……
「リグド・テランか!!」
装甲がちょっと違う気がするけど、機人の特徴は俺が初めて乗った機人、イステル・アルファにそっくりだった。でも今は暢気に観察してる時間はない。すこし後退して、背中からハンマーを取りだした。
「(ケンセー、後ろ!)」
直後、背中から感じる衝撃。
「くそっ、他にも敵がいるのかよ!」
二撃目が来る前にハンマーを振り回す。
これなら迂闊に近寄れないだろ。
人が乗ってるなら恐怖心があるからな。
流石に大きなハンマーを弾いたり、捌いたりするのは難しいだろ。
それにしても機人が頑丈で助かった。
他のメンバーだったら、やばかったかも。
「みんな、無事か?!」
副長の声にすかさず皆が反応を返す。
「よし、各機集合して防衛に専念しつつ時間を稼ぐぞ」
「えっ?」
「どういうことだよ、副長!」
ルシオが怒ったように捲くし立てる。
気持ちは俺も同じだ。
ここから反撃開始ってとこだったのに。
「奴らの中に一機だけ指揮官機がいる。団長が相手をしてるが分が悪い」
指揮官機?
視界の端に見えるあの機人。
俺には見覚えがあった。
装甲機人に乗って初めて死を覚悟した相手にそっくりだったから。
「あれは、アスラレイドか!」
「そうだ。状況は分かったな。団長の機人は動いてるが、どうやら無線機が破壊されてしまったようだ」
マジかよ。そういえば、さっき団長の声は無かったかもしれない。
団長の機人は装甲が破られて、コックピットが剥き出しかもしれないじゃねーか。
うだうだ文句を言ってる暇はない。
「こいつらは間違いなくリグド・テランだ。だが数はそう多くはない。この程度の戦力で侵略してくることはないはずだ。なんとか団長を助け出して後詰を待つ」
「了解!」
そのためには、攻撃を仕掛けてくる二機をどうにかしなくちゃならない。
でもコイツの奇襲は、Kカスタムの装甲を傷つけられなかった。
だから敢えて構えを解いて油断させよう。
振り回していたハンマーを一旦止めて敵を待った。
それと同時に俺の目の前にいるイステル・アルファが突撃してきた。
後ろからも何やら振動を感じる。
きっと前後同時に仕掛けているはず。
だったら、ちょっとだけ前進だ。
まずは目の前の機人に向けてハンマーを水平に振り回す。
当然敵機はそれを避ける。
それは想定済み。
最初の一撃は助走みたいなものさ。
そこからさらに加速して半回転。
「狙いは後ろの機人だ!」
けど、当たりが浅い。
ハンマーの半分ぐらいしかヒットしてない気がする。
敵機をわずかに凹ました感触だけだ。
当たり所が悪かったのか、敵機の動きが鈍い。
だったら、止めを刺すよりも、残りのもう一機だ。
「よし次っ!」
俺の経験値なら二対二よりも、一対一の方が動きやすい。
ホントなら今すぐ味方と合流したいけど、ここを踏ん張ってからだ。
「ん? 敵の様子がおかしい?」
辺りを見渡して確認する。
光をまき散らす五つの機人が見える。
皆無事なようだ。
なんだろう、団長の所以外は積極的に戦闘してる感じじゃない。
暗くてよく見えないけど、互いに距離を取っている感じだろうか。
「敵の攻撃が緩んだ。この機に集結するぞ」
副長の指示に合わせて、各機が近寄っていく。
敵はそれを遮る様子はない。
ってか、逆に撤退しようとしてるのか?
「副長、なんだか団長とやりあってる機人、味方に抑えつけられてる気がしませんか?」
フォルカの言葉に視線をうつすと、確かにそんな動きにも見える。
奴らの意図は何だ?
って、そういえば俺は敵さんのチャンネル知ってるんだった。
もう変わってるかもしれないけど、一応合わせてみるか。
「マグレイア様、奴らは少数とはいえ精鋭ぞろいです。それに後詰の光も見えて来てます。当初の目的は達成しています。ここは予定通り撤退すべきと進言致します」
よしっ、どうやら変えてなかったみたいだな。
はっきり聞きとれる。
マグレイアって奴がアスラレイドか?
「まだだ! まだ全然気が済まないんだよ!」
それにしてもこの世界の女は気が強いな。
「こんなもんじゃ弟の、グルディアスの弔いには足りないんだよ!」
「しかし、今、教会と事を構えるわけには参りません」
「わかっている! くそっ、撤退だ!」
リグド・テランの奴らは後退して、俺たちは全員生き残った。
でも、ちょっと待てよ。
ってことは、こいつは俺が殺したグルディアスの敵を討ちにきたってのかよ。
いや、そうとは言い切れないけどさ。
ロギリア商会が襲撃されて、まだ分からないけど殺されたのは俺のせいかもしれないってことなのか?
くそっ!
団長の話によると、緊急の救難要請をしてきたのは、ロギリア商会という割と大きめの組織らしい。彼らは自前の傭兵組織を持ち、自分たちで安全を確保しながら発掘作業に勤しんでいるそうだ。
彼らの作業場所は帝都から西に離れた場所で、よりラヴェルサの領域に近い。
その分、地下に眠っている機人も多いという。
帝都から離れた場所での作業となれば、その分移動時間を必要とするから、泊りがけでの仕事にして、できるだけ無駄を省きたいんだろうなってのは理解できるけど、それは危険と隣り合わせということを意味するんだ。
ただ夜間の作業については、法律で禁止されているわけじゃないので、自己責任でということなのだろう。
「商会の警備には六機いたんだよな?」
「ということは、敵はそれ以上の可能性が高そうですね」
「そんなの当たり前じゃない。そうじゃなきゃ救援要請なんてしないでしょ」
若者たちの会話を聞いてると不思議な気分になる。
自分たちと同等以上の敵機がいるかもしれないというのに、この落ち着き払った態度はなんなんだろうと。
これが経験の差なのか、それとも若さゆえの過ちか。
「お前ら、少しは緊張感を持て」
もしかしたら後者なのかもしれない。
副長がこれまに聞いたことないほど低い声で警戒を呼びかけている。
なんだか俺の方が緊張が増してきた気がするぞ。
「最後にもう一度だけ確認しておくよ。目的は護衛だけど、あくまで自分と仲間が最優先だ。臨時収入に目がくらんで、突っ走るんじゃないよ。私らの仕事は発掘屋の安全確保だけど、最悪そのまま撤退もあり得るんだからね」
「しつも~ん。そもそも、なんで帝国の人たちが出てこないんですか~?」
「そんなの軍の規模が小さいからだろ。それにあんまり強くねーしな。帝都の戦力のほとんどは教会の戦力だから、教会が助けてやればいいと思うけど」
ルシオが質問に答える。結構辛辣な意見を言うじゃないか。
ルーベリオ教会出身の副長に対する当てつけか?
「それは分かってるけど、ロギリア商会って結構大きいじゃん。だったら、お金持ちだし、助けにいったら、うま味がありそうだけどな~」
「商会の考えかもしれないよ。自前の部隊よりも傭兵の方が安くつくからね。労働者とかその家族に対しても、一応救援は出しましたよって言えるし」
ふむふむ、なるほど。リンダもフォルカも色々考えてるんだな。
俺より、よっぽど政治に詳しそうだ。
「それに場所の問題もあるだろうな。救援要請があったのはリグド・テランとの国境に近い。教会や帝国軍が大挙して押し寄せたら、彼らを刺激してしまうかもしれない」
「そっかぁ。さすが副長!」
はいはい、さす副さす副。
確かに国境地帯に軍が出て行ったら危険だよな。
俺たちはそこに向かってるんですがね。
やっぱり金のない傭兵団は辛いです。
「そろそろ、おしゃべりは終わりにしな。もうすぐ目的地に着くんだからね」
団長の言葉に緊張感が高まっていく。
皆はどうなんだろうか。
俺たちは今、普段のチームに分かれて縦二列で移動している。
遮る物がないから無線がクリアに聞こえてる。
「リンダ。一応救難チャンネルに合わせて、呼びかけてみな」
「は~い」
たぶん敵がいたら、既に俺たちのことを察知しているだろう。
なにせ夜間装甲を付けてないし、照明をつけっぱなしでピッカピカだからな。
なので、遠慮なく無線を飛ばして、確認できる。
連絡があってから一時間以上は経ってるから望みは薄いかもしれないけど。
というか、無人機のラヴェルサは、どうやって俺達を確認してるんだろうか。
「こちらは神聖レグナリア帝国・傭兵組合所属の者です。ロギリア商会の皆さん、生きてたら返事してくださ~い」
前後左右を警戒しながらも、暗い道を結構な速さで進んでいる。
各機が明かりを照らしているとはいえ、昼のように完全に見えるわけじゃない。
俺はなんとか前を走るリンダを見失わないように必死に背中を追っていた。
それでも無線を飛ばし続けているリンダとの距離が少しだけ開いた。
別に俺の動きが悪いとかじゃない。
レトが「(左の方から何かが近づいてきてるよ)」って言ってきたからだ。
「剣星、どうかしたかい?」
「いえ、今なんか動いたよう……なっ!」
瞬間、目の前が暗くなった。
照明が故障したわけじゃない。
黒い物体が目の前に現れたんだ。
レトの忠告がなかったら危なかったかもしれない。
「敵襲!!」
短く言葉と吐くと同時に蹴り飛ばされて、隊列から離れてしまう。
「くっ、こいつ!」
「剣星?! 皆、他にもいるよ、気を付けな!」
色んな方向から、金属の衝撃音が聞こえてくる。
どうやら傭兵団の皆も襲撃を受けたようだ。
でも今は自分の事に集中するしかねぇ。
「うおっ!」
再び接近して来た機人を間一髪でなんとか回避。
それにしてもどういうことだ。
目の前にいる機人は赤光晶の光を放っていない。
ラヴェルサの機人なら、キラキラ光っているはずだ。
もしかして、こいつら……
「リグド・テランか!!」
装甲がちょっと違う気がするけど、機人の特徴は俺が初めて乗った機人、イステル・アルファにそっくりだった。でも今は暢気に観察してる時間はない。すこし後退して、背中からハンマーを取りだした。
「(ケンセー、後ろ!)」
直後、背中から感じる衝撃。
「くそっ、他にも敵がいるのかよ!」
二撃目が来る前にハンマーを振り回す。
これなら迂闊に近寄れないだろ。
人が乗ってるなら恐怖心があるからな。
流石に大きなハンマーを弾いたり、捌いたりするのは難しいだろ。
それにしても機人が頑丈で助かった。
他のメンバーだったら、やばかったかも。
「みんな、無事か?!」
副長の声にすかさず皆が反応を返す。
「よし、各機集合して防衛に専念しつつ時間を稼ぐぞ」
「えっ?」
「どういうことだよ、副長!」
ルシオが怒ったように捲くし立てる。
気持ちは俺も同じだ。
ここから反撃開始ってとこだったのに。
「奴らの中に一機だけ指揮官機がいる。団長が相手をしてるが分が悪い」
指揮官機?
視界の端に見えるあの機人。
俺には見覚えがあった。
装甲機人に乗って初めて死を覚悟した相手にそっくりだったから。
「あれは、アスラレイドか!」
「そうだ。状況は分かったな。団長の機人は動いてるが、どうやら無線機が破壊されてしまったようだ」
マジかよ。そういえば、さっき団長の声は無かったかもしれない。
団長の機人は装甲が破られて、コックピットが剥き出しかもしれないじゃねーか。
うだうだ文句を言ってる暇はない。
「こいつらは間違いなくリグド・テランだ。だが数はそう多くはない。この程度の戦力で侵略してくることはないはずだ。なんとか団長を助け出して後詰を待つ」
「了解!」
そのためには、攻撃を仕掛けてくる二機をどうにかしなくちゃならない。
でもコイツの奇襲は、Kカスタムの装甲を傷つけられなかった。
だから敢えて構えを解いて油断させよう。
振り回していたハンマーを一旦止めて敵を待った。
それと同時に俺の目の前にいるイステル・アルファが突撃してきた。
後ろからも何やら振動を感じる。
きっと前後同時に仕掛けているはず。
だったら、ちょっとだけ前進だ。
まずは目の前の機人に向けてハンマーを水平に振り回す。
当然敵機はそれを避ける。
それは想定済み。
最初の一撃は助走みたいなものさ。
そこからさらに加速して半回転。
「狙いは後ろの機人だ!」
けど、当たりが浅い。
ハンマーの半分ぐらいしかヒットしてない気がする。
敵機をわずかに凹ました感触だけだ。
当たり所が悪かったのか、敵機の動きが鈍い。
だったら、止めを刺すよりも、残りのもう一機だ。
「よし次っ!」
俺の経験値なら二対二よりも、一対一の方が動きやすい。
ホントなら今すぐ味方と合流したいけど、ここを踏ん張ってからだ。
「ん? 敵の様子がおかしい?」
辺りを見渡して確認する。
光をまき散らす五つの機人が見える。
皆無事なようだ。
なんだろう、団長の所以外は積極的に戦闘してる感じじゃない。
暗くてよく見えないけど、互いに距離を取っている感じだろうか。
「敵の攻撃が緩んだ。この機に集結するぞ」
副長の指示に合わせて、各機が近寄っていく。
敵はそれを遮る様子はない。
ってか、逆に撤退しようとしてるのか?
「副長、なんだか団長とやりあってる機人、味方に抑えつけられてる気がしませんか?」
フォルカの言葉に視線をうつすと、確かにそんな動きにも見える。
奴らの意図は何だ?
って、そういえば俺は敵さんのチャンネル知ってるんだった。
もう変わってるかもしれないけど、一応合わせてみるか。
「マグレイア様、奴らは少数とはいえ精鋭ぞろいです。それに後詰の光も見えて来てます。当初の目的は達成しています。ここは予定通り撤退すべきと進言致します」
よしっ、どうやら変えてなかったみたいだな。
はっきり聞きとれる。
マグレイアって奴がアスラレイドか?
「まだだ! まだ全然気が済まないんだよ!」
それにしてもこの世界の女は気が強いな。
「こんなもんじゃ弟の、グルディアスの弔いには足りないんだよ!」
「しかし、今、教会と事を構えるわけには参りません」
「わかっている! くそっ、撤退だ!」
リグド・テランの奴らは後退して、俺たちは全員生き残った。
でも、ちょっと待てよ。
ってことは、こいつは俺が殺したグルディアスの敵を討ちにきたってのかよ。
いや、そうとは言い切れないけどさ。
ロギリア商会が襲撃されて、まだ分からないけど殺されたのは俺のせいかもしれないってことなのか?
くそっ!
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