聖女の御旗に集え!! ~ こんな世界、俺がぶっ壊してやるよ!!

犬猫パンダマン

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最終話!! 俺のイチャイチャ生活はこれからだ!!

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 最後の戦いから七日が経過した。

 ラヴェルサの地下プラントは完全に活動を停止し、現在は念のために各国の見張りがついているだけだ。それも実際には、他の国が勝手に赤光晶を持ち出さないように、って感じだけどな。

 最後の攻撃の時、レディア・ソローから放たれたレストライナ因子は近辺のラヴェルサ因子を浄化して、一緒に消滅していった。

 その結果、残されたのは無垢な赤光晶。

 ラヴェルサ鎮圧の報告を受けた者はそう思ったはずだ。
 ところがそうじゃなかった。

 アルフィナが死んだ時、彼女の想いが周囲を満たしていた。
 それはつまり、アルフィナの想いが赤光晶に入り込んでしまったってことだ。

 ラヴェルサの因子なら、レストライナの因子で相殺できるけど、アルフィナの平和を願う心を浄化させるなんて、ちょっと方法が思い浮かばない。将来的には科学の力で解決できるかもしれないけど、しばらくの間は無理だと思う。

 つまり、各国はアルフィナの意に反して赤光晶を利用できなくなってしまったってことだ。装甲機人はどうなるんだろうな。防衛はできるけど、侵略はできないとかアルフィナの因子が判断するんだろうか。

 そのアルフィナだけど、今はレトの体を離れて、自分の体に戻っている。
 肉体は死んでしまったけど、赤光晶を利用して動かしてるんだ。

 けど使ってるのが元の体だなんてな。
 ご都合主義万歳だけど。

 植物人間状態で死んだ体を無理やり動かしてる感覚か?
 よく分からないけど、レトと同じなんだろう。

 でもレトはたまに体を入れ替えてるよな?
 それは蝶々の寿命の問題なんだっけ?

 だとしたら、人間の寿命の間は体を交換しなくてもいいのかもしれない。
 そうだとしても、疑問が残るけど。

 はたして、アルフィナの体は成長するのかどうかって。
 もしかすると、ずっとそのままかもしれない。

 ってことはだ。

 数十年後、アルフィナは本当にロリバ――。

「痛っ!」

 頭に衝撃を受けて振り返る。
 イオリがアルフィナを支えながら、歩いてきていた。
 アルフィナは、まだ体を上手く操れないらしい。
 人間の体ってのは結構複雑だからな。

「今、アルフィナ様に対して失礼なことを考えていただろう?」
「いやいや、世界はこれからどうなるんだろうなって思ってたんだよ」

 イオリが疑いの目を向けてくる。
 さすが、イオリさん。
 俺のことをよくご存じで。

「そうじゃな。リグド・テランは西のエリステルを警戒しているようじゃし、教会側も混乱が続いておる。どうなるのかは想像できぬな」

 結局、人間ってのは争いを止められないのかもな。
 でも人々は勝ち取った平和を享受する権利があるはずだ。

 だから俺はこれから、それを守るための旅に出るんだ。

 ラヴェルサの領域にいた機人は大人しくなったけど、離れた場所のラヴェルサはまだ生き残っている。俺はそいつらを倒しに行く。

 戦いの前にアルフィナが提案した連合軍が結成されるなら、その軍が担当したと思う。でもそうはならなかった。

 リグド・テランはエリステルの怪しい動きに対応しなくちゃならないし、教会勢力も内部のごたごたが続いで機人を動かしづらい。政治的な思惑もそうだけど、あまりにも戦力が減り過ぎたせいで、各国が戦力を出し渋ったのもあるだろう。でもその理念は、形を変えて残っている。

 各国が少しづつ供出した資金を活動費にして、彼らの代わりに俺たちが世界中のラヴェルサを倒すんだ。

「ケンセー、早くしなさ~い!」
「もうちょっと、待っててくれ!」

 機人に腰掛けてるレトが暇そうに足をバタバタさせている。

「そういえば、なんでレトは大丈夫だったんだろうな。あんなにレストライナ因子を失ったら、人格が保てなくてもおかしくないのに」

「私はあの時、剣星とレストライナ、アルフィナ様以外にも別の存在を感じ取っていた。それはレト自身の力だったんじゃないか?」

「そうじゃな。羽虫はお主と生活していくうちに、レストライナとは別の人格が生まれていたのやもしれぬ。……いや、そうに決まっておる。妾の中にいた、あの暖かく、優しい想いが羽虫のモノであるはずがなかろう!」

 アルフィナが強調したい気持ちは理解できる。
 ってか、俺も同意見だ。

 レトは恐らく、無意識にレストライナの力だけじゃなくて、自分の力も放出していたんだ。だから今もレストライナ因子を失わずにいるんだろう。これからの旅でも、レトの中のレストライナ因子が、ラヴェルサを引き寄せてくれればいいんだけど。

「さて、そろそろ羽虫も我慢の限界じゃろう」
「ああ、行ってくるよ」
「多くの人々が剣星を待っているぞ。さっさと倒してくるんだな」

「なんじゃ、イオリ。早く剣星に帰ってきて欲しいとな。昨晩も遅くまで――」
「アルフィナ様! それはっ!」

 口を押えられて、アルフィナがもごもご言っている。
 イオリにはこの地に残って、アルフィナを補佐する役目がある。
 でも大丈夫。すぐに会えるさ。

「心配するな。すぐ戻ってくるよ」
「だからっ! ……もういい、さっさと行け!」

 昇降機に乗って、機人を見上げる。

 決戦から戻ってきた機人は、全機がボロボロになっていた。
 その中から無事なパーツをかき集めて造られたのが俺の新しい機人だ。

「待たせたな」
「おっそ~い」

 シートに座って起動させる。
 赤く輝く線が全身に広がっていく。

 何度味わっても、この瞬間がたまらない。

「なあ、レト。俺さ、最近考えてたんだよ。俺はなんでこの世界に来たんだろうって」
「ふうん、それで?」

「俺が昔から聞いてた助けを求める声っては、ラヴェルサの声だったんだよな。アルフィナがいう見えない道ってので繋がっててさ。レトはレストライナとは違うよな?」

「ぜ~ったい違う。だって、私は私だもんね!」

「だろ? だから俺と繋がってたラヴェルサも、破壊しまくるラヴェルサとは違う奴なんじゃないかって。そいつはきっと暴れまわる自分の分身を止めて欲しかったと思うんだ。そのために俺を呼んだんじゃないかって」

 レトはきっと、最初は俺の中の純粋なラヴェルサを感じて付いてきてくれたのだと思う。でも今はそれだけじゃないって分かる。

 騒々しい奴だけど、いないとなんだか物足りない。
 たぶん、レトも似たようなことを思っててくれると思う。

「そっか。それじゃあ、ケンセーの戦いはまだ終わってないんだね」
「ってことだ。最後まで頼むぜ、相棒」
「まっかせなさ~い!」

 機人を左右にふって、周囲を確認する。

 格納庫内に団長たちの姿が見えた。
 見送りに来てくれたんだな。

 皆がいてくれたから、今の俺がある。
 本当に出会えてよかった。

 よし!

「行くぞ、レト!」
「おー!」

「剣星、Kカスタムmk2――――」
「発進しま~す!」

 ちょっと、レトさん!!

 そのセリフは取らないでよ!!
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