67 / 91
一章
67.vsメルリル⑤
しおりを挟む
「何が……!?」
和希達がいきなりいなくなった事に驚いたハルト。同様にそれを見ていた生徒も驚いていた。ハルトはいち早く気を取り直し迫ってきていた氷の鎧に火の弾を放ち溶かす。他の生徒も少し経つと目の前の戦いに集中し始める。
「ハルト! 後ろはもう大丈夫そうだ!」
後ろから声が聞こえてきた。ハルトは振り向かずともそれが誰なのかわかっていた。
「そうか。まだ後ろで守っていた方が良いんじゃないか?」
「ハルト、お前が好きにしろって言ったんだぞ」
「でも後ろに戦力の和希がいなくなってる以上他の奴らがどうなるかわからないぞ」
「ハルト、俺らはそんなに弱くはないぞ。それに俺達を信じろ」
「信じろ、か。俺はもう行くから」
「おい、ハルト、待てって!」
ハルトはシノとラムネのいる最前線へと走り出す。手に力を込め近づいてこようとする氷の鎧に火の弾を放ちながら進んでいく。走るハルトの後ろには剣を持った京香の姿があったが海斗の姿はどこにも見当たらなかった。すると次の瞬間ハルトの隣に海斗がいきなり現れる。
「!?」
「俺の能力、忘れたのか? 走りじゃ俺から逃げられないぞ」
「ずるだろ」
「おっ、やっとちゃんと反応してくれた」
「うるせ」
走っていたハルトはシノとラムネの元に着くとスピードを緩め止まる。それに合わせて海斗も止まった。京香は必死に走ってきて遅れてハルト達の元に到着した。
「ハルト、いいの?」
「こいつらか? 勝手についてきてるだけだ」
「ずっと思ってたけどこの可愛い人達は何なんだ?」
「それは後でいつかそのうち死ぬまでに話すよ」
「いつだよ」
ハルトはメルリルを見たあとに周辺を見渡す。どこもかしこも氷の鎧と戦闘を繰り広げておりやはりキリがない状況。このまま行けばきっとハルト達側が負ける事になってしまうだろう。実際馬車の方で戦闘をしている者の中には体力の限界を迎え結華に治療してもらっている者もちらほらいるのが見える。つまりはどれだけ早くメルリルを倒せるかが重要となってくる。
しかしメルリルにはそう簡単には攻撃が通用しないと言うことがハルトの攻撃で判明している。あの翼をどうにかすることができればもしかしたら致命傷を与えることが出来るかもしれない。それとメルリルは攻撃に対して耐久性がないようでちょっとの攻撃でもダメージを負っていた。
ということはもし直接攻撃を当てる事ができれば形勢逆転することが出来るかもしれないとハルトは思った。
「ハルトさん! もういっそ巻き込んで氷を燃やしちゃいません??」
「そんな事したら俺達は大丈夫かもしれないが他のやつがどうなるかわからないぞ」
「東雲くん、それならいい案があるけど」
いきなり会話に入ってきた京香がそう言うとハルトはその言葉に反応し何かと訪ねた。そして京香はその問いに対して答える。
「麻衣美の能力を使えばなんとかなると思う。東雲くんのしようとしている攻撃がどれほどまでのものかはわからないけどきっと麻衣美の能力なら大丈夫」
ハルトは自分と結華、海斗、和希以外の能力については知らないため麻衣美の能力と言われてもあまりピンと来てはいなかった。そんなハルトの様子を見て京香は話をより詳しく話し始める。
「麻衣美の能力【フィールド】を使えば行けると思うんだけど」
能力名を言われたハルトだがそれでもピンと来ない様子なのでさらに京香が詳しく話してくれた。
京香が言っている事をまとめると、まず麻衣美の能力は【フィールド】というものでこれは言わば防御結界の様なものらしい。ドーム型の防御結界は様々な攻撃を遮断する上に防御結界外にいる者の侵入を防ぐことも出来るそう。そして京香が何をしたいかというとこの麻衣美の能力である防御結界を展開しハルトの攻撃からみんなを守れば良いのではないかということである。
しかし京香にはこの作戦にひとつ懸念点があった。それはハルトの攻撃威力に防御結界が耐えれるかどうかということ。麻衣美のこの能力には一定の耐久値が存在しておりそれを超過すると割れてしまいしばらくの時間使えなくなってしまう。もしハルトの攻撃威力に耐えれず防御結界が割れてしまえば中にいた全員は炎に飲み込まれお陀仏してしまうのだ。
和希達がいきなりいなくなった事に驚いたハルト。同様にそれを見ていた生徒も驚いていた。ハルトはいち早く気を取り直し迫ってきていた氷の鎧に火の弾を放ち溶かす。他の生徒も少し経つと目の前の戦いに集中し始める。
「ハルト! 後ろはもう大丈夫そうだ!」
後ろから声が聞こえてきた。ハルトは振り向かずともそれが誰なのかわかっていた。
「そうか。まだ後ろで守っていた方が良いんじゃないか?」
「ハルト、お前が好きにしろって言ったんだぞ」
「でも後ろに戦力の和希がいなくなってる以上他の奴らがどうなるかわからないぞ」
「ハルト、俺らはそんなに弱くはないぞ。それに俺達を信じろ」
「信じろ、か。俺はもう行くから」
「おい、ハルト、待てって!」
ハルトはシノとラムネのいる最前線へと走り出す。手に力を込め近づいてこようとする氷の鎧に火の弾を放ちながら進んでいく。走るハルトの後ろには剣を持った京香の姿があったが海斗の姿はどこにも見当たらなかった。すると次の瞬間ハルトの隣に海斗がいきなり現れる。
「!?」
「俺の能力、忘れたのか? 走りじゃ俺から逃げられないぞ」
「ずるだろ」
「おっ、やっとちゃんと反応してくれた」
「うるせ」
走っていたハルトはシノとラムネの元に着くとスピードを緩め止まる。それに合わせて海斗も止まった。京香は必死に走ってきて遅れてハルト達の元に到着した。
「ハルト、いいの?」
「こいつらか? 勝手についてきてるだけだ」
「ずっと思ってたけどこの可愛い人達は何なんだ?」
「それは後でいつかそのうち死ぬまでに話すよ」
「いつだよ」
ハルトはメルリルを見たあとに周辺を見渡す。どこもかしこも氷の鎧と戦闘を繰り広げておりやはりキリがない状況。このまま行けばきっとハルト達側が負ける事になってしまうだろう。実際馬車の方で戦闘をしている者の中には体力の限界を迎え結華に治療してもらっている者もちらほらいるのが見える。つまりはどれだけ早くメルリルを倒せるかが重要となってくる。
しかしメルリルにはそう簡単には攻撃が通用しないと言うことがハルトの攻撃で判明している。あの翼をどうにかすることができればもしかしたら致命傷を与えることが出来るかもしれない。それとメルリルは攻撃に対して耐久性がないようでちょっとの攻撃でもダメージを負っていた。
ということはもし直接攻撃を当てる事ができれば形勢逆転することが出来るかもしれないとハルトは思った。
「ハルトさん! もういっそ巻き込んで氷を燃やしちゃいません??」
「そんな事したら俺達は大丈夫かもしれないが他のやつがどうなるかわからないぞ」
「東雲くん、それならいい案があるけど」
いきなり会話に入ってきた京香がそう言うとハルトはその言葉に反応し何かと訪ねた。そして京香はその問いに対して答える。
「麻衣美の能力を使えばなんとかなると思う。東雲くんのしようとしている攻撃がどれほどまでのものかはわからないけどきっと麻衣美の能力なら大丈夫」
ハルトは自分と結華、海斗、和希以外の能力については知らないため麻衣美の能力と言われてもあまりピンと来てはいなかった。そんなハルトの様子を見て京香は話をより詳しく話し始める。
「麻衣美の能力【フィールド】を使えば行けると思うんだけど」
能力名を言われたハルトだがそれでもピンと来ない様子なのでさらに京香が詳しく話してくれた。
京香が言っている事をまとめると、まず麻衣美の能力は【フィールド】というものでこれは言わば防御結界の様なものらしい。ドーム型の防御結界は様々な攻撃を遮断する上に防御結界外にいる者の侵入を防ぐことも出来るそう。そして京香が何をしたいかというとこの麻衣美の能力である防御結界を展開しハルトの攻撃からみんなを守れば良いのではないかということである。
しかし京香にはこの作戦にひとつ懸念点があった。それはハルトの攻撃威力に防御結界が耐えれるかどうかということ。麻衣美のこの能力には一定の耐久値が存在しておりそれを超過すると割れてしまいしばらくの時間使えなくなってしまう。もしハルトの攻撃威力に耐えれず防御結界が割れてしまえば中にいた全員は炎に飲み込まれお陀仏してしまうのだ。
0
あなたにおすすめの小説
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
勇者じゃないと追放された最強職【なんでも屋】は、スキル【DIY】で異世界を無双します
華音 楓
ファンタジー
旧題:re:birth 〜勇者じゃないと追放された最強職【何でも屋】は、異世界でチートスキル【DIY】で無双します~
「役立たずの貴様は、この城から出ていけ!」
国王から殺気を含んだ声で告げられた海人は頷く他なかった。
ある日、異世界に魔王討伐の為に主人公「石立海人」(いしだてかいと)は、勇者として召喚された。
その際に、判明したスキルは、誰にも理解されない【DIY】と【なんでも屋】という隠れ最強職であった。
だが、勇者職を有していなかった主人公は、誰にも理解されることなく勇者ではないという理由で王族を含む全ての城関係者から露骨な侮蔑を受ける事になる。
城に滞在したままでは、命の危険性があった海人は、城から半ば追放される形で王城から追放されることになる。 僅かな金銭で追放された海人は、生活費用を稼ぐ為に冒険者として登録し、生きていくことを余儀なくされた。
この物語は、多くの仲間と出会い、ダンジョンを攻略し、成りあがっていくストーリーである。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
クラス転移で無能判定されて追放されたけど、努力してSSランクのチートスキルに進化しました~【生命付与】スキルで異世界を自由に楽しみます~
いちまる
ファンタジー
ある日、クラスごと異世界に召喚されてしまった少年、天羽イオリ。
他のクラスメートが強力なスキルを発現させてゆく中、イオリだけが最低ランクのEランクスキル【生命付与】の持ち主だと鑑定される。
「無能は不要だ」と判断した他の生徒や、召喚した張本人である神官によって、イオリは追放され、川に突き落とされた。
しかしそこで、川底に沈んでいた謎の男の力でスキルを強化するチャンスを得た――。
1千年の努力とともに、イオリのスキルはSSランクへと進化!
自分を拾ってくれた田舎町のアイテムショップで、チートスキルをフル稼働!
「転移者が世界を良くする?」
「知らねえよ、俺は異世界を自由気ままに楽しむんだ!」
追放された少年の第2の人生が、始まる――!
※本作品は他サイト様でも掲載中です。
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第四章フェレスト王国ドワーフ編
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる