6面体の世界で自分探し

歯磨き子

文字の大きさ
1 / 1
自分探し

6面体の世界

しおりを挟む
ここは6面体の世界。
1面の広さは実際の地球と同じサイズ。
この6面には1面づつ自分と同じ人が存在している。
違う面の自分に見つかってしまうと自分は消えてしまう。
生き残るには他の面の自分を見つけ出すのみ。

この世界では見つかって消された人間は偽物とされ悲しむどころか喜ばしいことだと言われている。
家族が減ったとしても悲しむ人は1人もいない。
だが、幼い子は現実をうけいれられず泣き喚く者もいる。

大富豪は自分の顔に懸賞金をかけ"自分探し"通称"ダミーハンター"と呼ばれる職業に自分を見つけさせるものもいる。

他の面の自分が何をしているかは誰もわからない。

ちなみに他面の自分を"ダミー"と呼ぶ

ダミーは自分と全く同じ見た目をしている。

違うのは生活、性格、出身の面のみ。

他の面に行くことは可能。

ざっくりとした説明だがこれが6面体の世界。

詳しくは順を追って説明しよう。

自己紹介が遅れたが俺の名前は"六月すぐる"高校2年生

まだ自分を見つけたこともないし探そうとしたこともない。

ダミー同士で潰しあってくれてるのを毎日祈ってる。

正直なところはやく見つかるか見つけるかしてこんなドキドキする生活をやめにしたい。

まぁ…こんなに広い世界でダミーなんかにあうわけないか。

俺はそう思いながら机に顔をつけて寝ようとした。

その時

ドタドタドタドタ!

?「おいっ!六月!起きろ!」
六月「うぉ!なんだよ七瀬」
七瀬「聞いたか?隣のクラスの一郎がよ!ダミーに見つかって消えたんだとよ!」
六月「えっ!?一朗が?じゃあ一郎の席どうなるんだろう…」
七瀬「いや、そこかよ…怖いよなぁ。昨日まで普通に喋ってたやつがよ。よその面から来たやつに見つかっただけで消えちまうんだもんな」

たしかにその通りだ。
一朗は何も悪いことをしていない。
ただこの世界の理論上、俺の友達の一郎は5人のダミーの中の1人であった。
ということだけがはっきりと分かっている。

ある教会の会長は偽物を見つけ出し自分を本物だと示すことが救われる道。

別のある教会の会長は違う面には行かず世界の理論に囚われないで平和に暮らすのが救われる道。だと言う

正直、教会とかあまり興味はないが俺は見つかったときに後悔が残らないように毎日クラスのがベストだと思ってる。

七瀬「今日さ西と一緒にゲーセン行くんだけどお前も来る?」
六月「あーゴメン、今日バイトだわ」
七瀬「えー!せっかく部活休みなのにぃ。しゃーない今度絶対こいよな」
六月「うん。予定空けとくよ」

はぁ、俺もゲーセン行きたかったな。
まぁせっかくバイトで貯めた金をすぐに使うのもよくないし、結果オーライかな。

キーンコーンカーンコーン

級長「起立!気をつけ!礼っ!」
みんな「うぃーす」級長「さようならっ!」

西「お~い!むーつーきーk」
ドテッ
六月「だ、大丈夫?」
西「あ、大丈夫!いつものことだから!」
六月「そ、そうなのか、今日七瀬とゲーセン行くんだろ?一緒に行かなくていいの?」
西「あー…そうだった!ゴメン!じゃあね!!」

西って天然なんだよなぁ
制服のままバイト行っちゃおう

2時間後
シフトの時間の半ば

六月「いらっしゃいま…あれ?西じゃん!七瀬は一緒じゃないのー?」
西「…」

んー聞こえなかったのかな。
まっ、レジで会うからいいや。

西がコーヒーを片手にレジに来た。

六月「ねぇ。七瀬はどうしたの?」
西「あ?誰だよ七瀬って?」

喧嘩でもしたのかな?

六月「あぁごめんごめんなんか察したよ。てか西ってコーヒー嫌いじゃなかった?」

ガシッ
西が俺の胸ぐらを掴む

西「テメェが誰かは知らねぇけどよ、客に口聞く態度じゃねえよな。」

え?え?なんで~、八つ当たりかなぁ

六月「と、とりあえず離してよ。ね、あとで相談に乗るからさ」
西「初対面に舐めた口聞くなよつってんだよ」

え?初対面…そっくりさん、いや絶対に西だ。声も背丈も全く一緒だもん

西「釣りはいらねぇ。もうこの店にも来ねえからな」
六月「あ、ありがとうごさいましたぁ」

ふぅ、なんだったんだろう。

バイトが終わりスマホを見る。
あ、西からメールだ。
"見て~UFOキャッチャーでぽ○もんのぬいぐるみ取れたー"

待てよ…今日は部活がなく早帰りの日
つまり下校は3時。
西が店に来たのはバイトの半ばだから4時半頃。
今の時刻は5時半。
西のメールは4時45分にきてる。
店からゲーセンはチャリで急いでも20分はかかる。
そして店に来た西の態度
全てが繋がった。

店に来た西は、ダミーだ。

すぐに電話をかける。

プルルルルルルプルルルルルル

西「あ、もしもし~六月くーんバイト終わったのー?」
六月「今すぐ誰もいないところに隠れろ!隠れたらその場所送ってくれ!」
西「え~なんでよぉせっかく七瀬くんとホッケーやろうと思ってたのにぃ」
六月「いいから早く!!俺もすぐそこに行く!」

ブチッ

西「そんなにぽ○もん羨ましいかったのかなー」
七瀬「きっとバイトで疲れてんだろ」

30分後

六月「はぁはぁ着いた」

プルルルルルル

六月「今、はぁはぁ、どこにいる?」
西「…」
六月「西?おい西!返事しろよ!」

ブチッ

六月「クソッこんな時に!まさか」

ウィーン
自動ドアが開く

てくてく

西「あ、テメェはあの店員じゃねえか」

六月の心臓の鼓動が信じられないくらい強くなる。

西「あんときは悪りぃことしたな。俺、趣味でダミーハンター(自分探し)やってるもんでよ。ラストの1人がなかなか見つからなくてイライラしちまってた」
六月「ラ、ラスト1人って…」
西「あぁここにいたよ」

六月の目に涙が溢れる

六月「ああああああああ!!!ちくしょーーー!!!」
西「ちくしょうとはまた不思議なことを言うなぁ。あいつはダミーだ。本当の西は俺ってことが証明されたのさ。おめでたいことだろぉ!?」
西「じゃあな、故郷の面に帰るわ」
六月「待て!ダミー!俺らの西を返せ!」

バシっ!ボコっ!

西「お前にいいことを教えてやるよ。ダミーを見つけたらこんな風に2、3発殴ると消えてくれる。だからダミーハンターの大半は格闘技などを習っている。これが現実だよ。じゃあな店員さん」

次の日

七瀬の顔は熱を帯びていないかのように青ざめ、目は死んだ魚のような目をしていた。
俺ももちろん悔しかったが目の前で友達を消されたあいつがきっと1番悔しだろうと思った。

七瀬「六月、お前に言いたいことが…」
六月「わりぃけど状況は全部わかってる」
七瀬の頬に涙が伝う
七瀬「ごめん、ごめん西ぃ。うぅ、俺がもっと早くに気づいてれば」
六月「七瀬、俺ダミーハンターになる。」
七瀬「え?」
六月「ダミーハンターになって友達のダミー全員消せばもうこんな想いはしなくて済む」
七瀬「でも」
六月「お前もやるだろ。今日学校帰りにすぐ第2の面に行くぞ」

*この世界には面ごとに番号が振られており主人公たちが住む面は第1の面となっている

七瀬「ズズッ、おう」
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

意味が分かると怖い話(解説付き)

彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです 読みながら話に潜む違和感を探してみてください 最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください 実話も混ざっております

同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。

ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。 真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。 引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。 偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。 ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。 優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。 大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。

まなの秘密日記

到冠
大衆娯楽
胸の大きな〇学生の一日を描いた物語です。

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

処理中です...