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春告げの迷い子
第4話
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ランファが言葉を失って見上げていると、檻の前まで近付いてきた。
「目が覚めたのか。神獣はどうした?」
「…………」
低音の落ち着いた声が目の前の男から発せられた。自分に話しかけているのだと理解するのに数瞬かかった。さらに「神獣」を自分に尋ねてくる真意を計りかねて、ランファは口を開けずにいた。
神獣と言えば、大陸では四神に他ならない。この李西なら、白虎だ。
北の玄武、東の青龍、南の朱雀、そして西の白虎。それぞれの国に人々の安寧と繁栄をもたらす神が存在した。文字通り、それは伝説ではなく『存在』するのだ。
神に選ばれた巫女がおり、その巫女によって四神は顕現し、人知の及ばない神の力を行使した。四つの国による長きに渡る争いもまた見方を変えれば、神々を巡る争いであったと言っても過言ではない。そして李西に長く巫女がいないことは、里から出たことのないランファですら知っている、大陸の誰もが知っていることだ。
そんなほいほい神獣がいるもんですかっ!
ランファが答えないこともさして気にせず、男は檻の中をぐるりと見渡した。
ふがふがと唸り声を上げる麻袋を目に留めて、懐から取り出した鍵で入ってきた。男はランファの目の前で、麻袋の口を開いてクルルを出してやった。
袋から出たクルルは、ランファに一目散に飛びついた。地面に転がっているところに乗り上げて、顔を舐めまわす。
「わ、クルルちょっと待って」
身を捩っていると、今度は男が近づいてきた。だが、身構えるランファと反対にクルルは警戒する様子を見せない。
ええと、悪い人じゃないのかな……?
そんな風に感じた時だった。背後に回った男が小刀でランファを縛る縄を切った。 こわばる上体を起こして飛びついてくるクルルを撫でてやった。
「あの、ありがとう、ございます」
恐る恐る振り向くと、膝をついて屈んだままの男に話しかけた。何かを確認するように、ランファとクルルを交互にじっと見つめていた。
「お前は、それがなんだか知らないのか?」
「それって……クルルのことですか?」
それ、と呼ばれたことにランファはむっとして眉を寄せた。そう言えば、ランファに薬を盛った男もクルルに興味を持っていたな、とクルルを背に庇った。
「クルルはクルルです。物じゃありません、売ったりもあげたりもしません!」
睨みつけるように言い切ると、男は呆れたように息を吐き出した。
「違う。そうじゃない。それ……クルルは神獣だぞ」
「さっきもそんなこと言ってましたけど、クルルはクルルです。神獣じゃありません。私の兄妹みたいなものです」
「……まあ、いい」
ランファの説得を諦めると立ち上がって檻の外へと歩き出した。それを目で追っていると、外に出た男が顎を洞窟の奥に向けて促した。
「何をしている。さっさと来い」
「待って、クルル!」
戸惑うランファを他所に、軽快な足取りで追いかけていった。クルルが駆け出したのを認めて、男は背を向けて歩き出した。輝光石の灯りが遮られて、牢の中に再び闇が満ちる。ランファは我に返ると慌ててその後を追った。
「あの、あなたは私を捕まえた人たちと仲間じゃないんですか? 私を捕まえたのって誰なんですか?」
ランファの矢継ぎ早な質問に男は一瞥をくれた。
「お前を連れてきたのは山賊の手下で、ここは奴らが根城にしている坑道のひとつだ」
「ここは――、もしかして閉山したっていうあの鉱山?」
「そうだ。俺は用心棒に雇われてはいるが、お前みたいなのが巻き込まれるとは聞いてない。さっさとここを出るぞ」
「山賊の手下……」
そんな人だったのか、と肩を落とした。落胆するランファに構わず、一行は無数に枝分かれする道をしっかりした足取りで進んでいく。この男は本当にランファとクルルを逃がそうとしているようだと今更ながら悟った気分だ。
「私を逃がしてあなたは困らないんですか?」
「それは困るな」
即答されたが、次に続いたのは意外な言葉だった。
「だが、このまま山賊にクルルもろとも売り飛ばされるのはもっと困る」
どうしてと尋ねようとした時、大事なことを思い出した。
「そういえば、沙南さんは大丈夫なのかな……」
「サナン……?」
「山賊の討伐に参加するって言ってたから」
「それなら諦めたほうがいい、罠だ」
前を向いたまま淡々と告げられた。言われた言葉をうまく飲み込めず、ランファは足を止めた。どうした? と男が訝しげに振り返った。
「た、助けなきゃ! みんなはどこにいるんですか!?」
思わず男の長衣を握って詰め寄った。その勢いに男は少し狼狽えたようにランファの肩を掴んで押し返した。
「何を言っ、……っ!」
途中で言葉を切ったかと思うと、男は前触れもなくランファを突き飛ばした。何が起きたのかわからないまま地面に倒れ込んだランファの耳に何かを弾く音が聞こえた。次いで鋭い金属音が坑道に響く。
慌てて顔を上げると、男と剣で切り結ぶ沙南の姿があった。
「沙南さんっ!?」
一見したところ、沙南に大きな怪我は見当たらない。無事だったことに安堵して、それからこの状況をどうしたものかと目を白黒させた。
「なぜお前がここにいる、ランファ!」
視線は標的に固定したまま怒声をあげた沙南の剣幕にランファは息を呑んだ。本当のことを言ったら怒られる、と顔を青くしていると、男が変わらない調子で淡々と答えた。
「こいつはうっかり騙されて誘拐されてきた」
「ああ!?」
「なんで知ってるんですか!?」
皆まで言ってからハッと口を押さえるが、時すでに遅く、沙南の怒気か殺気か区別のつかない気配が強くなった。その口元に不敵な笑みが浮かぶ。
「まあいい、話はあとだ。いいから先に逃げろ! じきに来る討伐隊と合流するんだ! あいにく私の狙いは貴様だがな、あの時の鏡を返してもらおうか……!」
沙南の言葉を男が覆面の下で鼻で笑ったのがわかった。
「討伐隊との合流はやめた方が賢明だな。お前たちの動きは元より筒抜けだ」
「なんだと……?」
剣を交えた状態から男の刃を弾くと、即座に斬り返した。すぐに片をつけられず、ここで長引けば沙南一人ではいささか分が悪い。
「くそ、どうにも臭うと思ったら、そういうことか」
沙南が苦々しい顔で舌打ちをした。その後方から複数の足音が聞こえてきた。
「とにかく、ここから離れろランファ、すぐに追いかける!」
沙南の勢いに押されて頷いたランファが駆け出すと、男がはじめて慌てた声を出した。思わず振り返ると、沙南の攻撃に男の覆面がはらりと剥がれたところだった。
「――っ!」
輝光石の光に照らし出された姿。
鋭く尖った人とは思えぬ耳に、黒曜石の瞳がランファの瞳を捕えた。
「なっ、貴様、獣人か……!」
「だったら、どうした!」
男が一瞬動きを止めた沙南の動揺を見逃さず、再び斬りかかった。
沙南さん、とランファが悲鳴をあげた。構うな、と沙南が避けながら叫ぶ。ランファは動揺を隠せないまま、沙南の声に叱咤されるように走りだした。
これまで目にしたこともなければ、出会ったこともなかった。
四神の存在と同様に、獣人と呼ばれる種族の存在を大陸で知らぬ者はいない。
彼らが「獣人」と呼ばれる所以は、その容姿にあった。遺伝により耳の形、牙や尻尾と言った部分は人でありながら獣であることを主張するように色濃く表れるのだ。稀に嗅覚や視覚といった五感までも獣同等の場合もあるというが、多くは人のそれと変わらない。
「あの人、まるで狼みたいだった……」
あの時クルルが大人しかったのは男に悪意がなかったのか、はたまた同属と見なしたせいか、ランファにもわからなかった。
とにかく今は前に進むしかなかった。出口へと続くように一定間隔に置かれた灯りを頼りに、暗い足下を一気に駆け抜けた。
「目が覚めたのか。神獣はどうした?」
「…………」
低音の落ち着いた声が目の前の男から発せられた。自分に話しかけているのだと理解するのに数瞬かかった。さらに「神獣」を自分に尋ねてくる真意を計りかねて、ランファは口を開けずにいた。
神獣と言えば、大陸では四神に他ならない。この李西なら、白虎だ。
北の玄武、東の青龍、南の朱雀、そして西の白虎。それぞれの国に人々の安寧と繁栄をもたらす神が存在した。文字通り、それは伝説ではなく『存在』するのだ。
神に選ばれた巫女がおり、その巫女によって四神は顕現し、人知の及ばない神の力を行使した。四つの国による長きに渡る争いもまた見方を変えれば、神々を巡る争いであったと言っても過言ではない。そして李西に長く巫女がいないことは、里から出たことのないランファですら知っている、大陸の誰もが知っていることだ。
そんなほいほい神獣がいるもんですかっ!
ランファが答えないこともさして気にせず、男は檻の中をぐるりと見渡した。
ふがふがと唸り声を上げる麻袋を目に留めて、懐から取り出した鍵で入ってきた。男はランファの目の前で、麻袋の口を開いてクルルを出してやった。
袋から出たクルルは、ランファに一目散に飛びついた。地面に転がっているところに乗り上げて、顔を舐めまわす。
「わ、クルルちょっと待って」
身を捩っていると、今度は男が近づいてきた。だが、身構えるランファと反対にクルルは警戒する様子を見せない。
ええと、悪い人じゃないのかな……?
そんな風に感じた時だった。背後に回った男が小刀でランファを縛る縄を切った。 こわばる上体を起こして飛びついてくるクルルを撫でてやった。
「あの、ありがとう、ございます」
恐る恐る振り向くと、膝をついて屈んだままの男に話しかけた。何かを確認するように、ランファとクルルを交互にじっと見つめていた。
「お前は、それがなんだか知らないのか?」
「それって……クルルのことですか?」
それ、と呼ばれたことにランファはむっとして眉を寄せた。そう言えば、ランファに薬を盛った男もクルルに興味を持っていたな、とクルルを背に庇った。
「クルルはクルルです。物じゃありません、売ったりもあげたりもしません!」
睨みつけるように言い切ると、男は呆れたように息を吐き出した。
「違う。そうじゃない。それ……クルルは神獣だぞ」
「さっきもそんなこと言ってましたけど、クルルはクルルです。神獣じゃありません。私の兄妹みたいなものです」
「……まあ、いい」
ランファの説得を諦めると立ち上がって檻の外へと歩き出した。それを目で追っていると、外に出た男が顎を洞窟の奥に向けて促した。
「何をしている。さっさと来い」
「待って、クルル!」
戸惑うランファを他所に、軽快な足取りで追いかけていった。クルルが駆け出したのを認めて、男は背を向けて歩き出した。輝光石の灯りが遮られて、牢の中に再び闇が満ちる。ランファは我に返ると慌ててその後を追った。
「あの、あなたは私を捕まえた人たちと仲間じゃないんですか? 私を捕まえたのって誰なんですか?」
ランファの矢継ぎ早な質問に男は一瞥をくれた。
「お前を連れてきたのは山賊の手下で、ここは奴らが根城にしている坑道のひとつだ」
「ここは――、もしかして閉山したっていうあの鉱山?」
「そうだ。俺は用心棒に雇われてはいるが、お前みたいなのが巻き込まれるとは聞いてない。さっさとここを出るぞ」
「山賊の手下……」
そんな人だったのか、と肩を落とした。落胆するランファに構わず、一行は無数に枝分かれする道をしっかりした足取りで進んでいく。この男は本当にランファとクルルを逃がそうとしているようだと今更ながら悟った気分だ。
「私を逃がしてあなたは困らないんですか?」
「それは困るな」
即答されたが、次に続いたのは意外な言葉だった。
「だが、このまま山賊にクルルもろとも売り飛ばされるのはもっと困る」
どうしてと尋ねようとした時、大事なことを思い出した。
「そういえば、沙南さんは大丈夫なのかな……」
「サナン……?」
「山賊の討伐に参加するって言ってたから」
「それなら諦めたほうがいい、罠だ」
前を向いたまま淡々と告げられた。言われた言葉をうまく飲み込めず、ランファは足を止めた。どうした? と男が訝しげに振り返った。
「た、助けなきゃ! みんなはどこにいるんですか!?」
思わず男の長衣を握って詰め寄った。その勢いに男は少し狼狽えたようにランファの肩を掴んで押し返した。
「何を言っ、……っ!」
途中で言葉を切ったかと思うと、男は前触れもなくランファを突き飛ばした。何が起きたのかわからないまま地面に倒れ込んだランファの耳に何かを弾く音が聞こえた。次いで鋭い金属音が坑道に響く。
慌てて顔を上げると、男と剣で切り結ぶ沙南の姿があった。
「沙南さんっ!?」
一見したところ、沙南に大きな怪我は見当たらない。無事だったことに安堵して、それからこの状況をどうしたものかと目を白黒させた。
「なぜお前がここにいる、ランファ!」
視線は標的に固定したまま怒声をあげた沙南の剣幕にランファは息を呑んだ。本当のことを言ったら怒られる、と顔を青くしていると、男が変わらない調子で淡々と答えた。
「こいつはうっかり騙されて誘拐されてきた」
「ああ!?」
「なんで知ってるんですか!?」
皆まで言ってからハッと口を押さえるが、時すでに遅く、沙南の怒気か殺気か区別のつかない気配が強くなった。その口元に不敵な笑みが浮かぶ。
「まあいい、話はあとだ。いいから先に逃げろ! じきに来る討伐隊と合流するんだ! あいにく私の狙いは貴様だがな、あの時の鏡を返してもらおうか……!」
沙南の言葉を男が覆面の下で鼻で笑ったのがわかった。
「討伐隊との合流はやめた方が賢明だな。お前たちの動きは元より筒抜けだ」
「なんだと……?」
剣を交えた状態から男の刃を弾くと、即座に斬り返した。すぐに片をつけられず、ここで長引けば沙南一人ではいささか分が悪い。
「くそ、どうにも臭うと思ったら、そういうことか」
沙南が苦々しい顔で舌打ちをした。その後方から複数の足音が聞こえてきた。
「とにかく、ここから離れろランファ、すぐに追いかける!」
沙南の勢いに押されて頷いたランファが駆け出すと、男がはじめて慌てた声を出した。思わず振り返ると、沙南の攻撃に男の覆面がはらりと剥がれたところだった。
「――っ!」
輝光石の光に照らし出された姿。
鋭く尖った人とは思えぬ耳に、黒曜石の瞳がランファの瞳を捕えた。
「なっ、貴様、獣人か……!」
「だったら、どうした!」
男が一瞬動きを止めた沙南の動揺を見逃さず、再び斬りかかった。
沙南さん、とランファが悲鳴をあげた。構うな、と沙南が避けながら叫ぶ。ランファは動揺を隠せないまま、沙南の声に叱咤されるように走りだした。
これまで目にしたこともなければ、出会ったこともなかった。
四神の存在と同様に、獣人と呼ばれる種族の存在を大陸で知らぬ者はいない。
彼らが「獣人」と呼ばれる所以は、その容姿にあった。遺伝により耳の形、牙や尻尾と言った部分は人でありながら獣であることを主張するように色濃く表れるのだ。稀に嗅覚や視覚といった五感までも獣同等の場合もあるというが、多くは人のそれと変わらない。
「あの人、まるで狼みたいだった……」
あの時クルルが大人しかったのは男に悪意がなかったのか、はたまた同属と見なしたせいか、ランファにもわからなかった。
とにかく今は前に進むしかなかった。出口へと続くように一定間隔に置かれた灯りを頼りに、暗い足下を一気に駆け抜けた。
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