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第2章
◇甘いご褒美
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学校の昼休み。今日もわたしは、一堂くんと一緒に中庭でランチ中。
一堂くんと初めて中庭でランチをしたあの日以来、わたしは毎日一堂くんと一緒にお昼ご飯を食べるようになった。
『これから1ヶ月間、毎日お昼は俺と一緒に食べるってことで』って、一堂くんに言われたけど。まさか、本当に毎日一緒に食べることになるなんて。
わたしとしては、たまには友達ともランチがしたくて、真織たちの元へと行くのだけど。昼休みになったら、すぐに一堂くんがわたしのところへやって来て。
『依茉、借りてくね』と、連れ去られてしまう。
そんな様子を見ている杏奈と真織は、いつも謎のニヤニヤ顔。ちょっとくらい、助けてくれてもいいのに。
ちなみに、友達の杏奈と真織には嘘をつきたくなくて。
心配性なお兄ちゃんに言われて、一堂くんには男避けとして1ヶ月だけ恋人のフリをしてもらってるだけだって、一堂くんとの関係を正直に話したんだけど。
なぜか二人は盛り上がっちゃって、大変だった。
『偽りでも、依茉が先輩と付き合ってるってことには変わりないよね?』
『そうそう。毎日一緒にお昼食べたりしてるんだし。いいなぁ、依茉ちゃん』
そう言って、羨望の眼差しで見られただけだった。
『ていうか、彼女を二人以上掛け持ちしてる一堂先輩が、毎日お昼休みは依茉とばかり過ごしてるなんて……こんなこと初めてじゃない?』
『だよねー。もしかしたら依茉ちゃんは、先輩の彼女のなかでも特別に思われていたりして』
そんなふうに二人から言われたけど。
『えー、それはないよ』と、わたしはすぐに否定した。
だって、それは多分、一堂くんにとってわたしは、大事な親友の妹だからだ。きっと、ただそれだけの理由に違いない。
「……どうした? 依茉。さっきから箸止まってる」
「え!?」
やばい。今朝の、杏奈たちとの会話を思い出していたから。
「ねぇ。それ、ずっと食べないままなら俺がもらっても良い?」
一堂くんが、わたしのお弁当からオムレツをつまんで横取りする。
「ああっ。わたしのオムレツ! 今日は特別にチーズを入れたのにぃ」
「ははっ。依茉がさっさと食べないのが悪いんだろ?」
オムレツを口に入れた一堂くんが、ニヤリと笑う。
「もう!」
わたしは、頬をぷくっと膨らませる。
「オムレツひとつで怒るなって。せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?」
「そんなこと言ってもダメ。どうせ、他の彼女にも言ってるくせに。そんなお世辞は、わたしには通用しないんだから」
「は? お世辞じゃないし。依茉は、めちゃくちゃ可愛い」
そんなセリフを恥ずかしげもなく、サラッと言えちゃうなんて。さすが、彼女が絶えないだけあって慣れてるなぁ。
「つーか、前の卵焼きも美味かったけど。このオムレツも、すげえ美味い」
「えっ、ほんと?」
「うん」
だけど、自分の作ったものを一堂くんに『美味い』って言ってもらえると嬉しくて。
「依茉って、料理上手なんだな。今度作ったら、またちょうだい?」
こんなふうにニッコリと微笑んでもらえると、すぐに許してしまいそうになる。
それから少しして、わたしのスマホに三原くんから着信があった。
昼休みにわざわざ電話なんて、どうしたんだろう。
「電話、三原から?」
わたしのスマホの画面に表示された三原くんの名前を見て、一堂くんが眉をひそめる。
「……そんなの、出なくて良いんじゃない? 無視しろよ」
「何言ってるの? ダメだよ。もしかしたら、委員会の連絡かもしれないし」
「ちぇー。せっかくの依茉とのランチタイムなのに。あいつに邪魔されるなんて……」
ブツブツと文句を言う一堂くんを無視し、わたしは電話に出る。
「もしもし?」
『あっ、西森さん!? 急なんだけど、今日これから遠足の実行委員の集まりがあるらしくて。今から来られる?』
「わかった。すぐ行くね」
わたしは食べかけのお弁当を、急いでしまう。
「依茉、どうした?」
「これから、遠足の実行委員会があるらしくて」
「これはまた、ずいぶんと急だな。俺が代わりに行こうか? 依茉、お弁当あまり食べれてないだろ?」
確かにお弁当は、まだ少ししか食べてなかったけど。
「ううん、大丈夫。これは、わたしの仕事だから。ちゃんとやらなくちゃ。一堂くん、ありがとう」
「行ってらっしゃい。頑張って」
こちらに手を振ってくれる一堂くんにわたしも手を振り返すと、急いで校舎のほうへと向かった。
委員会は予鈴が鳴るまで続き、結局わたしは残りのお弁当は食べられなかった。
「ああ、お腹空いた……」
昼休み、お弁当のおかずをひとつとご飯二口くらいしか食べてなかったら、さすがに空腹になるよね。
5限目の授業後の休み時間、わたしが机に突っ伏していると。すぐそばから、ふわっとシトラスの香りがした。この爽やかな香りは……。
「依茉、もしかしてお腹空いたの?」
わたしが顔を上げると、思ったとおりそこには一堂くんが立っていて。
わたしは、彼にこくりと頷く。
「やっぱり。依茉、昼飯食べれてなかったもんな。授業中もめっちゃお腹鳴ってたし。俺の席のほうまで、聞こえてたわ」
え、ほんとに!? わたしと一堂くんの席は、けっこう離れているのに。そこまで聞こえてしまうくらい、そんな大きな音が鳴っていただなんて……!
「うわーっ、どうしよう。めちゃめちゃ恥ずかしい」
頬が一気に熱くなるのが、自分でも分かる。
「ああ……今すぐ、ここから走って逃げたい」
慌てて席から立ち上がるわたしを見て、一堂くんは「くくくっ」と笑う。
「まあ、嘘だけど」
「へ、うそ!?」
「ああ。俺らの席って、けっこう離れてるから。さすがに聞こえるわけないじゃない」
う、嘘だったなんて……!
「焦って損した。ていうか、人のことをからかうなんて一堂くんひどいよ!」
「ごめんごめん。これあげるから、許して……?」
「これあげるって。どうせまた何か変なものなんじゃ……んぐっ」
プンプン怒っているわたしの口に、一堂くんが何かを入れた。
少し強引に口にモノを入れられたわたしは、それを食べるしかなくて。
何だろう、これは。なんか甘いなぁ。
「どう? 美味しい?」
「うん、美味しい……」
噛めば噛むほど、口の中いっぱいに程よい甘さが広がっていく。わたしが好きな、あの味が……。
「一堂くん、これって……」
「ああ。ほら」
わたしに、一堂くんが小さな箱を見せてくる。
「トマトキャラメル?」
一堂くんが見せてくれた箱には、『トマトキャラメル』という文字と赤いトマトの絵が。
食べてる途中から、わずかにトマトっぽい味がするなと思っていたら。まさか、トマトのキャラメルだったなんて。
「スマホ見てたら、これを見つけてさ。珍しくない?」
「へぇー。こんなのがあるんだね。美味しいよ。もう一個もらってもいい?」
トマト好きのわたしとしては、何個でも食べたいって思うくらい美味しい。
「気に入ってくれたようなら良かった。それじゃあ、もう一個と言わずに全部あげる」
そう言って、わたしに箱ごとキャラメルを渡してくれる一堂くん。
「えっ。でもこれ、一堂くんが食べようと思って買ったんじゃ……?」
「まさか。トマトが苦手な俺が、トマト関連の食べ物を買うわけないじゃない。これは、依茉のために買ったんだよ」
わたしに……?
「ネットでそれ見てるとき、依茉の顔が自然と頭に浮かんでさ。トマトと言えば、やっぱり依茉だから」
ふいっとそっぽを向き、ハチミツ色の髪をくしゃくしゃと掻く一堂くん。
トマトが苦手なのに。わざわざわたしのために買ってくれたの?
一堂くんの頭の中に、ちゃんとわたしが存在しているんだなって思うと、胸がポカポカと温かくなった。
「嬉しい。ありがとう!」
「おう。これくらい、またいくらでも買ってあげるよ」
二個目のキャラメルを口に含むと、先ほどよりもわずかに甘さが増した気がした。
一堂くんと初めて中庭でランチをしたあの日以来、わたしは毎日一堂くんと一緒にお昼ご飯を食べるようになった。
『これから1ヶ月間、毎日お昼は俺と一緒に食べるってことで』って、一堂くんに言われたけど。まさか、本当に毎日一緒に食べることになるなんて。
わたしとしては、たまには友達ともランチがしたくて、真織たちの元へと行くのだけど。昼休みになったら、すぐに一堂くんがわたしのところへやって来て。
『依茉、借りてくね』と、連れ去られてしまう。
そんな様子を見ている杏奈と真織は、いつも謎のニヤニヤ顔。ちょっとくらい、助けてくれてもいいのに。
ちなみに、友達の杏奈と真織には嘘をつきたくなくて。
心配性なお兄ちゃんに言われて、一堂くんには男避けとして1ヶ月だけ恋人のフリをしてもらってるだけだって、一堂くんとの関係を正直に話したんだけど。
なぜか二人は盛り上がっちゃって、大変だった。
『偽りでも、依茉が先輩と付き合ってるってことには変わりないよね?』
『そうそう。毎日一緒にお昼食べたりしてるんだし。いいなぁ、依茉ちゃん』
そう言って、羨望の眼差しで見られただけだった。
『ていうか、彼女を二人以上掛け持ちしてる一堂先輩が、毎日お昼休みは依茉とばかり過ごしてるなんて……こんなこと初めてじゃない?』
『だよねー。もしかしたら依茉ちゃんは、先輩の彼女のなかでも特別に思われていたりして』
そんなふうに二人から言われたけど。
『えー、それはないよ』と、わたしはすぐに否定した。
だって、それは多分、一堂くんにとってわたしは、大事な親友の妹だからだ。きっと、ただそれだけの理由に違いない。
「……どうした? 依茉。さっきから箸止まってる」
「え!?」
やばい。今朝の、杏奈たちとの会話を思い出していたから。
「ねぇ。それ、ずっと食べないままなら俺がもらっても良い?」
一堂くんが、わたしのお弁当からオムレツをつまんで横取りする。
「ああっ。わたしのオムレツ! 今日は特別にチーズを入れたのにぃ」
「ははっ。依茉がさっさと食べないのが悪いんだろ?」
オムレツを口に入れた一堂くんが、ニヤリと笑う。
「もう!」
わたしは、頬をぷくっと膨らませる。
「オムレツひとつで怒るなって。せっかくの可愛い顔が台無しだぞ?」
「そんなこと言ってもダメ。どうせ、他の彼女にも言ってるくせに。そんなお世辞は、わたしには通用しないんだから」
「は? お世辞じゃないし。依茉は、めちゃくちゃ可愛い」
そんなセリフを恥ずかしげもなく、サラッと言えちゃうなんて。さすが、彼女が絶えないだけあって慣れてるなぁ。
「つーか、前の卵焼きも美味かったけど。このオムレツも、すげえ美味い」
「えっ、ほんと?」
「うん」
だけど、自分の作ったものを一堂くんに『美味い』って言ってもらえると嬉しくて。
「依茉って、料理上手なんだな。今度作ったら、またちょうだい?」
こんなふうにニッコリと微笑んでもらえると、すぐに許してしまいそうになる。
それから少しして、わたしのスマホに三原くんから着信があった。
昼休みにわざわざ電話なんて、どうしたんだろう。
「電話、三原から?」
わたしのスマホの画面に表示された三原くんの名前を見て、一堂くんが眉をひそめる。
「……そんなの、出なくて良いんじゃない? 無視しろよ」
「何言ってるの? ダメだよ。もしかしたら、委員会の連絡かもしれないし」
「ちぇー。せっかくの依茉とのランチタイムなのに。あいつに邪魔されるなんて……」
ブツブツと文句を言う一堂くんを無視し、わたしは電話に出る。
「もしもし?」
『あっ、西森さん!? 急なんだけど、今日これから遠足の実行委員の集まりがあるらしくて。今から来られる?』
「わかった。すぐ行くね」
わたしは食べかけのお弁当を、急いでしまう。
「依茉、どうした?」
「これから、遠足の実行委員会があるらしくて」
「これはまた、ずいぶんと急だな。俺が代わりに行こうか? 依茉、お弁当あまり食べれてないだろ?」
確かにお弁当は、まだ少ししか食べてなかったけど。
「ううん、大丈夫。これは、わたしの仕事だから。ちゃんとやらなくちゃ。一堂くん、ありがとう」
「行ってらっしゃい。頑張って」
こちらに手を振ってくれる一堂くんにわたしも手を振り返すと、急いで校舎のほうへと向かった。
委員会は予鈴が鳴るまで続き、結局わたしは残りのお弁当は食べられなかった。
「ああ、お腹空いた……」
昼休み、お弁当のおかずをひとつとご飯二口くらいしか食べてなかったら、さすがに空腹になるよね。
5限目の授業後の休み時間、わたしが机に突っ伏していると。すぐそばから、ふわっとシトラスの香りがした。この爽やかな香りは……。
「依茉、もしかしてお腹空いたの?」
わたしが顔を上げると、思ったとおりそこには一堂くんが立っていて。
わたしは、彼にこくりと頷く。
「やっぱり。依茉、昼飯食べれてなかったもんな。授業中もめっちゃお腹鳴ってたし。俺の席のほうまで、聞こえてたわ」
え、ほんとに!? わたしと一堂くんの席は、けっこう離れているのに。そこまで聞こえてしまうくらい、そんな大きな音が鳴っていただなんて……!
「うわーっ、どうしよう。めちゃめちゃ恥ずかしい」
頬が一気に熱くなるのが、自分でも分かる。
「ああ……今すぐ、ここから走って逃げたい」
慌てて席から立ち上がるわたしを見て、一堂くんは「くくくっ」と笑う。
「まあ、嘘だけど」
「へ、うそ!?」
「ああ。俺らの席って、けっこう離れてるから。さすがに聞こえるわけないじゃない」
う、嘘だったなんて……!
「焦って損した。ていうか、人のことをからかうなんて一堂くんひどいよ!」
「ごめんごめん。これあげるから、許して……?」
「これあげるって。どうせまた何か変なものなんじゃ……んぐっ」
プンプン怒っているわたしの口に、一堂くんが何かを入れた。
少し強引に口にモノを入れられたわたしは、それを食べるしかなくて。
何だろう、これは。なんか甘いなぁ。
「どう? 美味しい?」
「うん、美味しい……」
噛めば噛むほど、口の中いっぱいに程よい甘さが広がっていく。わたしが好きな、あの味が……。
「一堂くん、これって……」
「ああ。ほら」
わたしに、一堂くんが小さな箱を見せてくる。
「トマトキャラメル?」
一堂くんが見せてくれた箱には、『トマトキャラメル』という文字と赤いトマトの絵が。
食べてる途中から、わずかにトマトっぽい味がするなと思っていたら。まさか、トマトのキャラメルだったなんて。
「スマホ見てたら、これを見つけてさ。珍しくない?」
「へぇー。こんなのがあるんだね。美味しいよ。もう一個もらってもいい?」
トマト好きのわたしとしては、何個でも食べたいって思うくらい美味しい。
「気に入ってくれたようなら良かった。それじゃあ、もう一個と言わずに全部あげる」
そう言って、わたしに箱ごとキャラメルを渡してくれる一堂くん。
「えっ。でもこれ、一堂くんが食べようと思って買ったんじゃ……?」
「まさか。トマトが苦手な俺が、トマト関連の食べ物を買うわけないじゃない。これは、依茉のために買ったんだよ」
わたしに……?
「ネットでそれ見てるとき、依茉の顔が自然と頭に浮かんでさ。トマトと言えば、やっぱり依茉だから」
ふいっとそっぽを向き、ハチミツ色の髪をくしゃくしゃと掻く一堂くん。
トマトが苦手なのに。わざわざわたしのために買ってくれたの?
一堂くんの頭の中に、ちゃんとわたしが存在しているんだなって思うと、胸がポカポカと温かくなった。
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