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第5章
これからもずっと②
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「はぁっ、はぁ……星奈、やっと見つけた」
陽向はここまで全力で走ってきたのか、息が切れている。
「何だよ、陽向。僕は今、せーちゃんと大事な話をしてるんだ。邪魔しないでくれる?」
「俺だって、星奈に大事な話があるんだ」
「大事な話? ハッ。婚約を解消した人が、何を言ってるんだよ」
陽向とそーちゃんが、互いににらみ合う。
「想良、お前に星奈は絶対に渡さない」
すると、私は陽向に手をギュッと握られる。
「確かに、許嫁は解消したけど。俺はまだ、星奈の彼氏になることを諦めたワケじゃない」
陽向の言葉に、胸がドキッと跳ねる。
「俺は、星奈のことが好きだ」
う、うそ。陽向の予想外の告白に、私は固まってしまう。
「だから星奈、俺の彼女になって」
陽向がそんなことを言うなんて。もしかしてこれは……夢?
だって、そーちゃんに続いて陽向にまで告白されるなんて。こんな幸せなこと、あるはずがない。
「陽向、遅いよ。やっと本気になったんだ」
「うるせえ」
そーちゃんにからかうように言われた陽向が、顔を赤くさせる。
そんな彼を見ていたら、これはウソじゃないんだって分かって。胸の奥が、じわじわと熱くなってくる。
「良かったね、せーちゃん。陽向と想いが通じ合って」
私の耳元で話すそーちゃんは、まるで最初から私の気持ちに気づいていたかのような口ぶり。
「陽向、分かってると思うけど……僕や虹輝からせーちゃんを奪うからには、絶対に彼女を幸せにしないと許さないから」
「もちろんだ。約束する」
「ねえ、せーちゃん」
「は、はい!」
突然そーちゃんに呼ばれ、私は思わず敬語になる。
「もしさっきみたいに、陽向に泣かされたりしたら。いつでも僕のところに来て良いからね」
私に向かって、そーちゃんがウインクする。
「そんなこと、絶対にさせねーよ」
先ほどからずっと私の手を握っている陽向の手に、力がこもる。
「それなら良いけど」
「ていうか想良。お前、いつまでここにいるんだよ」
「ハイハイ。それじゃ邪魔者は、退散しまーす。二人ともお幸せにね。シーユー!」
そーちゃんがこの場からいなくなった途端、辺りはシンと静まり返る。
「えっと……」
陽向と今ふたりきりだと思うと緊張して、胸の鼓動が一気に騒がしくなる。
「ちょっと、こっち来て」
「え!?」
私は陽向に手を引かれ、すぐそばの空き教室に連れて行かれる。
「ごめん。星奈からの返事は、やっぱり誰にも邪魔されない所で聞きたくて」
そうだ。私たち、さっきまで廊下にいたから。
「改めて言うけど。俺は、星奈のことが好きだ」
私を真っ直ぐ見つめる陽向の真剣な瞳に、ドクンと胸が高鳴る。
「だから、俺と付き合って欲しい」
私は、目頭が熱くなる。
「今までずっと、好きだってなかなか素直に言えなくてごめんな」
彼の言葉に私は、首を何度も横に振る。
振られたとばかり思っていた陽向と、両想いだったなんて……まだ信じられないよ。
「星奈の気持ちも聞かせて?」
「わっ、私も……」
声だけでなく、足もガクガク震えるけど。
陽向が、精一杯伝えてくれたから。私も勇気を出して、彼にちゃんと自分の想いを伝えたいと思った。
「私も陽向のことが……好き」
「ほんとに?」
「うん。小学生のあのときは、みんなの前で男子にからかわれてつい、陽向が好きなのは嘘だって言ってしまったけど。本当はあの頃からずっと、陽向のことが好きだった」
「星奈……!」
陽向が私を優しく抱きしめる。
「俺いま、すっげー嬉しい。まさか、星奈と両想いだったなんて」
私も、陽向の背中にそっと腕をまわす。
「俺たち、ただお互い素直になれてないだけだったんだな」
「そうだね」
「さっき、想良が星奈に告白してるのを見たとき。星奈がオッケーしたらどうしようって、マジで焦った」
陽向の話を聞きながら、私はある疑問が頭に浮かぶ。
「でも、私を好きでいてくれてるのなら……どうして陽向は、私と許嫁を解消するって言ったの?」
「それは……」
陽向が口ごもる。
「星奈が俺と許嫁だったせいで、女子の反感を買ったって知って。恋人でもない俺たちが、中途半端に許嫁でいるのは良くないと思った」
私は、陽向の話に黙って耳を傾ける。
「そして何より……俺は、まだ子どもだから。いきなり婚約じゃなくて、まずは星奈と恋人になって。ちゃんと順番を踏んでから、婚約したいと思ったんだ」
確かに。言われてみれば、そういう順番って大事にしたいかも。
相手を好きになって、告白して付き合って。二人の仲をさらに深めて。その先に、結婚があると思うから。
「だからアレは、子どもの頃から勝手に親に婚約なんかさせられたら困るって意味で言ったんだ」
そっか。そういうことだったんだ……良かった。
「なあ、星奈」
陽向が、私を真っ直ぐ見つめてくる。
「許嫁は解消するけど。それは決して、将来星奈と結婚したくないっていうことじゃない」
話しながら、何かを決意するような瞳。
「俺が大人になって、今よりも頼れる男になったら……そのときに、ちゃんと星奈にプロポーズさせて欲しい」
「陽向……っ」
「だから、ここは……それまで俺のために空けておいて?」
そうして陽向は私の左手を持ち上げると、薬指にチュッとキスをした。
「よし。これで予約完了だな」
よ、予約って……! 小さく笑う陽向に、かあっと頬が熱くなる。
予約なんてしなくても……私の左手の薬指は、この先もずっと陽向だけのモノなのに。
だけど、陽向の気持ちが何より嬉しくて。薬指を見て、私は微笑む。
「俺、星奈のこと、誰よりも大切にするから。これからは恋人としてよろしくな」
「こ、こちらこそだよ」
両想いになった私たちは、もうただの幼なじみじゃない。今日からは、彼氏と彼女なんだ。
改めて陽向に言われると、なんだか照れちゃうな。
「星奈」
陽向の顔が近づいてくる。
ドキンドキンと激しく打つ鼓動を感じながら私がまぶたを閉じると、そっと唇が重なった。
「星奈、大好きだよ」
「私も……大好き」
昔も今もこれからも、ずっとずっと……。
私は、陽向のことが大好きです。
END
陽向はここまで全力で走ってきたのか、息が切れている。
「何だよ、陽向。僕は今、せーちゃんと大事な話をしてるんだ。邪魔しないでくれる?」
「俺だって、星奈に大事な話があるんだ」
「大事な話? ハッ。婚約を解消した人が、何を言ってるんだよ」
陽向とそーちゃんが、互いににらみ合う。
「想良、お前に星奈は絶対に渡さない」
すると、私は陽向に手をギュッと握られる。
「確かに、許嫁は解消したけど。俺はまだ、星奈の彼氏になることを諦めたワケじゃない」
陽向の言葉に、胸がドキッと跳ねる。
「俺は、星奈のことが好きだ」
う、うそ。陽向の予想外の告白に、私は固まってしまう。
「だから星奈、俺の彼女になって」
陽向がそんなことを言うなんて。もしかしてこれは……夢?
だって、そーちゃんに続いて陽向にまで告白されるなんて。こんな幸せなこと、あるはずがない。
「陽向、遅いよ。やっと本気になったんだ」
「うるせえ」
そーちゃんにからかうように言われた陽向が、顔を赤くさせる。
そんな彼を見ていたら、これはウソじゃないんだって分かって。胸の奥が、じわじわと熱くなってくる。
「良かったね、せーちゃん。陽向と想いが通じ合って」
私の耳元で話すそーちゃんは、まるで最初から私の気持ちに気づいていたかのような口ぶり。
「陽向、分かってると思うけど……僕や虹輝からせーちゃんを奪うからには、絶対に彼女を幸せにしないと許さないから」
「もちろんだ。約束する」
「ねえ、せーちゃん」
「は、はい!」
突然そーちゃんに呼ばれ、私は思わず敬語になる。
「もしさっきみたいに、陽向に泣かされたりしたら。いつでも僕のところに来て良いからね」
私に向かって、そーちゃんがウインクする。
「そんなこと、絶対にさせねーよ」
先ほどからずっと私の手を握っている陽向の手に、力がこもる。
「それなら良いけど」
「ていうか想良。お前、いつまでここにいるんだよ」
「ハイハイ。それじゃ邪魔者は、退散しまーす。二人ともお幸せにね。シーユー!」
そーちゃんがこの場からいなくなった途端、辺りはシンと静まり返る。
「えっと……」
陽向と今ふたりきりだと思うと緊張して、胸の鼓動が一気に騒がしくなる。
「ちょっと、こっち来て」
「え!?」
私は陽向に手を引かれ、すぐそばの空き教室に連れて行かれる。
「ごめん。星奈からの返事は、やっぱり誰にも邪魔されない所で聞きたくて」
そうだ。私たち、さっきまで廊下にいたから。
「改めて言うけど。俺は、星奈のことが好きだ」
私を真っ直ぐ見つめる陽向の真剣な瞳に、ドクンと胸が高鳴る。
「だから、俺と付き合って欲しい」
私は、目頭が熱くなる。
「今までずっと、好きだってなかなか素直に言えなくてごめんな」
彼の言葉に私は、首を何度も横に振る。
振られたとばかり思っていた陽向と、両想いだったなんて……まだ信じられないよ。
「星奈の気持ちも聞かせて?」
「わっ、私も……」
声だけでなく、足もガクガク震えるけど。
陽向が、精一杯伝えてくれたから。私も勇気を出して、彼にちゃんと自分の想いを伝えたいと思った。
「私も陽向のことが……好き」
「ほんとに?」
「うん。小学生のあのときは、みんなの前で男子にからかわれてつい、陽向が好きなのは嘘だって言ってしまったけど。本当はあの頃からずっと、陽向のことが好きだった」
「星奈……!」
陽向が私を優しく抱きしめる。
「俺いま、すっげー嬉しい。まさか、星奈と両想いだったなんて」
私も、陽向の背中にそっと腕をまわす。
「俺たち、ただお互い素直になれてないだけだったんだな」
「そうだね」
「さっき、想良が星奈に告白してるのを見たとき。星奈がオッケーしたらどうしようって、マジで焦った」
陽向の話を聞きながら、私はある疑問が頭に浮かぶ。
「でも、私を好きでいてくれてるのなら……どうして陽向は、私と許嫁を解消するって言ったの?」
「それは……」
陽向が口ごもる。
「星奈が俺と許嫁だったせいで、女子の反感を買ったって知って。恋人でもない俺たちが、中途半端に許嫁でいるのは良くないと思った」
私は、陽向の話に黙って耳を傾ける。
「そして何より……俺は、まだ子どもだから。いきなり婚約じゃなくて、まずは星奈と恋人になって。ちゃんと順番を踏んでから、婚約したいと思ったんだ」
確かに。言われてみれば、そういう順番って大事にしたいかも。
相手を好きになって、告白して付き合って。二人の仲をさらに深めて。その先に、結婚があると思うから。
「だからアレは、子どもの頃から勝手に親に婚約なんかさせられたら困るって意味で言ったんだ」
そっか。そういうことだったんだ……良かった。
「なあ、星奈」
陽向が、私を真っ直ぐ見つめてくる。
「許嫁は解消するけど。それは決して、将来星奈と結婚したくないっていうことじゃない」
話しながら、何かを決意するような瞳。
「俺が大人になって、今よりも頼れる男になったら……そのときに、ちゃんと星奈にプロポーズさせて欲しい」
「陽向……っ」
「だから、ここは……それまで俺のために空けておいて?」
そうして陽向は私の左手を持ち上げると、薬指にチュッとキスをした。
「よし。これで予約完了だな」
よ、予約って……! 小さく笑う陽向に、かあっと頬が熱くなる。
予約なんてしなくても……私の左手の薬指は、この先もずっと陽向だけのモノなのに。
だけど、陽向の気持ちが何より嬉しくて。薬指を見て、私は微笑む。
「俺、星奈のこと、誰よりも大切にするから。これからは恋人としてよろしくな」
「こ、こちらこそだよ」
両想いになった私たちは、もうただの幼なじみじゃない。今日からは、彼氏と彼女なんだ。
改めて陽向に言われると、なんだか照れちゃうな。
「星奈」
陽向の顔が近づいてくる。
ドキンドキンと激しく打つ鼓動を感じながら私がまぶたを閉じると、そっと唇が重なった。
「星奈、大好きだよ」
「私も……大好き」
昔も今もこれからも、ずっとずっと……。
私は、陽向のことが大好きです。
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