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第4章
髪飾りの行方①
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「ねえ、千春ちゃん。私の髪飾り、見なかった?」
翌朝。登校した私は自分の席で読書する彗くんを横目に、友達の千春ちゃんにこっそりと声をかけた。
「髪飾りって、菜乃花ちゃんがカバンにいつもつけてた、黄色いお花のバレッタ?」
「そう! 昨日から見当たらなくって」
「うーん。わたしは見てないなあ」
「そっか……」
千春ちゃんの言葉に、ガクッと肩を落とす。
「もし見かけたら、すぐに菜乃花ちゃんに言うね」
「ありがとう。お願いね」
それからも髪飾りは一向に見つからないまま、1週間が経過。
職員室にも落とし物として届いていないらしく、私の不安な気持ちは日に日に大きくなるばかり。
1週間経っても見つからないってことは、もう諦めるしかないのかな。
「はぁ……」
口からは、もう何度目か分からないため息がこぼれる。
この1週間、ずっと心が晴れない。彗くんからもらった髪飾りがなくなってから、胸の奥にぽっかりと穴が空いてしまったようだ。
「菜乃花、どうしたんだよ?」
彗くんが、心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
しまった。今は空き教室で、彗くんとお昼ご飯の最中なんだった!
「何か悩みごと? ご飯もあまり減ってないし。俺で良ければ、話聞くよ?」
「……っ」
「ほら。誰かに話すだけで、スッキリすることもあるしさ。こういうときこそ、彼氏の出番だろ?」
『彼氏』
彗くんが、そう言ってくれるのは嬉しいけど……。
「だっ、大丈夫だよ。少し頭が痛いだけだから」
彗くんに、余計な心配をかけたくなくて。私は、無理やり笑顔を作る。
「うそつけ。ここ最近の菜乃花、ずっと元気ないじゃないか」
見透かすように彗くんにじっと見つめられて、少しだけ視線を逸らした。
「ほっ、本当に大丈夫だから」
「それじゃあ、なんで俺から目をそらすんだよ」
「……っ!」
彗くんが私の頬を、そっと両手で挟んだ。
真剣な目で見つめられて、心臓が破裂しちゃいそう。
「やっぱり俺じゃ、菜乃花の力になれない?」
少し悲しそうに落ちる、彗くんの声。
余計な心配はかけたくないって、思っていたけど。
そんなふうに言われたら、話さないわけにはいかないよ。
「実は……彗くんからもらった髪飾りをなくしちゃって」
「そっか。菜乃花、それで元気がなかったのか」
「ごめんなさい……」
私の目には、じわりと涙が浮かぶ。
「大丈夫だよ」
彗くんの手が、私を安心させるように肩にぽんと置かれた。
「何か心当たりとかはないの?」
「心当たり……あっ」
彗くんに聞かれてふと頭に浮かんだのは、あの日の伊集院さんの顔だった。
そういえば、あのとき……
校舎から花瓶が落ちてきた日。私が保健室から教室に戻ったとき、伊集院さんは私の席の近くで、まるで何かを探しているかのように慌てていた。
「菜乃花?」
動きが止まった私を、彗くんが怪訝そうな顔で見つめてくる。
「もしかして、何か思い出した?」
彗くんの言葉に、私は意を決して告げた。
「えっと……髪飾りがなくなった日の昼休み、伊集院さんが私の席の近くにいたのを見かけたの。何だか、慌てている様子で……」
「えっ!?」
彗くんの目が大きく見開かれる。
「言われてみれば伊集院さんって、菜乃花のことが気に食わないみたいな感じだったよな。まさか、あの子が?」
彗くんの顔つきが、険しくなる。
「俺、今から教室に戻って伊集院さんに確かめてみる」
椅子から勢いよく立ち上がった彗くんの腕を、私は慌てて掴む。
「待って、彗くん」
「何だよ。髪飾りがなくなった日、伊集院さんが菜乃花の席の近くにいたのなら、あの子が一番怪しいだろ?」
確かに、伊集院さんが私の席の近くにいた日の放課後、髪飾りがなくなったけど……。
「伊集院さんがやったって確証もないのに、疑っちゃダメだよ。私、もう一度校内を探してみる」
「だったら、俺も探すよ」
翌朝。登校した私は自分の席で読書する彗くんを横目に、友達の千春ちゃんにこっそりと声をかけた。
「髪飾りって、菜乃花ちゃんがカバンにいつもつけてた、黄色いお花のバレッタ?」
「そう! 昨日から見当たらなくって」
「うーん。わたしは見てないなあ」
「そっか……」
千春ちゃんの言葉に、ガクッと肩を落とす。
「もし見かけたら、すぐに菜乃花ちゃんに言うね」
「ありがとう。お願いね」
それからも髪飾りは一向に見つからないまま、1週間が経過。
職員室にも落とし物として届いていないらしく、私の不安な気持ちは日に日に大きくなるばかり。
1週間経っても見つからないってことは、もう諦めるしかないのかな。
「はぁ……」
口からは、もう何度目か分からないため息がこぼれる。
この1週間、ずっと心が晴れない。彗くんからもらった髪飾りがなくなってから、胸の奥にぽっかりと穴が空いてしまったようだ。
「菜乃花、どうしたんだよ?」
彗くんが、心配そうに私の顔を覗き込んでくる。
しまった。今は空き教室で、彗くんとお昼ご飯の最中なんだった!
「何か悩みごと? ご飯もあまり減ってないし。俺で良ければ、話聞くよ?」
「……っ」
「ほら。誰かに話すだけで、スッキリすることもあるしさ。こういうときこそ、彼氏の出番だろ?」
『彼氏』
彗くんが、そう言ってくれるのは嬉しいけど……。
「だっ、大丈夫だよ。少し頭が痛いだけだから」
彗くんに、余計な心配をかけたくなくて。私は、無理やり笑顔を作る。
「うそつけ。ここ最近の菜乃花、ずっと元気ないじゃないか」
見透かすように彗くんにじっと見つめられて、少しだけ視線を逸らした。
「ほっ、本当に大丈夫だから」
「それじゃあ、なんで俺から目をそらすんだよ」
「……っ!」
彗くんが私の頬を、そっと両手で挟んだ。
真剣な目で見つめられて、心臓が破裂しちゃいそう。
「やっぱり俺じゃ、菜乃花の力になれない?」
少し悲しそうに落ちる、彗くんの声。
余計な心配はかけたくないって、思っていたけど。
そんなふうに言われたら、話さないわけにはいかないよ。
「実は……彗くんからもらった髪飾りをなくしちゃって」
「そっか。菜乃花、それで元気がなかったのか」
「ごめんなさい……」
私の目には、じわりと涙が浮かぶ。
「大丈夫だよ」
彗くんの手が、私を安心させるように肩にぽんと置かれた。
「何か心当たりとかはないの?」
「心当たり……あっ」
彗くんに聞かれてふと頭に浮かんだのは、あの日の伊集院さんの顔だった。
そういえば、あのとき……
校舎から花瓶が落ちてきた日。私が保健室から教室に戻ったとき、伊集院さんは私の席の近くで、まるで何かを探しているかのように慌てていた。
「菜乃花?」
動きが止まった私を、彗くんが怪訝そうな顔で見つめてくる。
「もしかして、何か思い出した?」
彗くんの言葉に、私は意を決して告げた。
「えっと……髪飾りがなくなった日の昼休み、伊集院さんが私の席の近くにいたのを見かけたの。何だか、慌てている様子で……」
「えっ!?」
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彗くんの顔つきが、険しくなる。
「俺、今から教室に戻って伊集院さんに確かめてみる」
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「待って、彗くん」
「何だよ。髪飾りがなくなった日、伊集院さんが菜乃花の席の近くにいたのなら、あの子が一番怪しいだろ?」
確かに、伊集院さんが私の席の近くにいた日の放課後、髪飾りがなくなったけど……。
「伊集院さんがやったって確証もないのに、疑っちゃダメだよ。私、もう一度校内を探してみる」
「だったら、俺も探すよ」
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