転生先がマフィア(お嬢)でした。

七井

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本編

自宅前で散りまして。

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玄関前で私は足を床に軽くトントンとやって全身を整える。

鏡の前では今日がワックワク過ぎて寝れなくてクマ付きの私。


早乙女 累(さおとめ るい)がいる。


なんといっても今日は高校生生活の記念すべき第1日目!
ヘマは出来ないのだ。中学で入学式の際に父が感極まり過ぎて吐いたことは内緒だ。
それ以来父とは『嘔吐』の話題は禁句なのである。…普通無いけど。
…とまぁ、フッツーの私であるのです。(何処が)

黒のツインテを少し両サイドに引っ張りポンポンと叩き『よし!』と決意する。

玄関を開ける。涼しい風が私を浄化してくれそうだ…いや、汚くないけど。
足を玄関から道路へ踏み入れる。





ーーーーーーそれが、この世界の早乙女 累の最期の行動であった。






…………あれ。…………ぁ…えと………は?


私は口も声帯も無い自分の中で意識だけを頼りに声を出してみる。
…もちろん、出るわけない。しかし、私が今活動をしている器官…

目、とか…脳?とか…それしかないか。

まずは状況の整理だ。私はなんなのかを思い出してみよう。


…黒髪のツインテール。キリっとした目。運動神経は良い。…学習能力、…うぅーん。
その日は高校生に成ったのか…めでたい日に何したっていうんだ…。
んんー……玄関出てぇ……とことこ……………


…………どかーん。



………………。





………ん?!『どかーん。』?!!!!


やっとわかった…………私は、『高校入学直前で交通事故に遭った』!
嘘だろ………高校生…なりたかったなぁ…。。
まぁ、私の事については充分分かった。…黒歴史まで。


………で、ここどこよ!!!!


変だって!なんじゃこりゃだよ!ほんと!真っ黒だし!
…ぁ、待って。(誰も待ってない)
もしかして…私、死んだから………『地獄』??

いや、そんなまさかだわ!…あぁあ………今のフラグかぁ…地獄フラグ。
嫌だなぁ…とりあえず、舌だけはご勘弁ください、閻魔様。

すると、一気に真っ黒は除き、眩しくなっていく。

…ん、もしかして……『天国』かな!だったら良い、な……




私の意識はまた遠のいていくのだった。





「………ってててて。…ん、………………ん!???」

ムクっと体を起こす。…ん、体?!!
私はあるはずもない手足があることを確認する。そして、髪、制服。

「………は……は……


「禿げてないっっっっっっ!!!!!!」

良かったー…禿げてたら天国でも地獄でもやってらんねーよ…ってね!うん!
でも、此処はどうやら天国でも地獄でもない。じゃあ、一体……

まず、此処が何処なのか把握するために久し振りに足を踏む。
自分でも何故か驚いている。

…とりあえず、夜の様な風景だ。少し肌寒いし。ぽつんぽつんと街灯もある。
おそらく文明はある。しかし、日本ではなさそうだ…。いや、だって。

…ちょっと近未来だな!

なんか始め思ったんだよ!なんていうか、いろいろ近未来!
通る車みたいなデケェ鉛物はなんか浮いてるし!夜と言っても明るい。
しかし、通行人は私を変なものを見るような眼でガン見してる。…怖い。

私は少し恐怖を覚えながら歩いていると、住宅の影から多数の黒服がザザッと出る。
なんか………


『マフィア』のような格好だ。


通せんぼするような形の目的…、それは私だ。私は無表情で臨戦体勢をとる。
…って、あぁー!!!足は見るな!ガクガクの足は!当たり前だろ!怖いって!!!

すると、黒服らは凄い勢いで猛ダッシュしてきた。
私はもうヤケクソで叫んだ。


ーーーーその時。


男達は綺麗に服をカットされる。まるで漫画の様に。
怖気付いたソレの顔はサングラスに似合わぬ怯え顔であった。
ソレらは合図を出すとおそらく私物であろう車に乗り込み走り去っていった。

すると、俊速に私の目の前にカットした張本人が登場。かまいたちみたいだ。

大きく細長い背広。黒スーツにチャラチャラした金具。そして、暗器。

黒髪に赤メッシュを決めた男はゆっくりと振り向く。私にはそれが一時間のように。


そして月明かりのもと、清々しい笑みをひとつだけ零して言った。



「ようこそ、ずーっと待ってたよ。転生人。」






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