転生先がマフィア(お嬢)でした。

七井

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本編

慣れねぇ先輩(怖い)

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「え…転生………………」

正直私も解っていた。自分が転生したんじゃないのかは。
よくラノベとかで見る転生っつったら…


異世界でチーターになる……いやいやまだ手から何も出ねぇよ?


俗に言う王子に囲まれて逆ハーレム…うーん、ちょっと怖い。


異世界でお店開店しちゃったり…いや!私は永遠のお客様だから!(は?



色々考えを張り巡らせてはいるもののイマイチパッとしない。
しかし、この堂々とした男…コイツが転生先に関わっているのは間違いないだろう。
まずはコイツの身元を知ることが重要だ。

「えっと……どういう職種の方…ですか?」

「そんなのお前が知ることじゃないし。」

即答。ですよねー…いやいや、それくらい教えてよっ!!!
男は拗ねて逆方向に足を進めようとする。
私は焦って男を呼び止めようとした。

「…あの!待っ

「今から逃げる奴に『待て』なんて言って待つワケなくね?」

ぐうの音もでない………。私が苦悶の表情を浮かべると男は呆れて言った。

「はぁぁ~~~~……ジョークだよ。あのさぁ…知りテェんなら…

すると彼は眼をひん剥いて私の頭上に…………あれ。

頭上、って…………

「………浮いてるぅぅぅ??!!!」

「はぁ?何言ってんだ…あ。そっちでは怖いモンか。」

そうして彼は地上に降りる。また帰ろうとする。

「いや、待ってよ!!!」

また私が呼び止めると、彼は不気味な笑みを浮かべて言った。

「『待て』なんか言うより追う方が早いと思うぞ。」

「…………!!」

彼は住宅の屋根をピョンピョンと跳躍しながらぐんぐん進んでいく。
私も跡を追いかけようとする。…が。
…ムリだ。あのスピードでは運動神経自信がある私もお手上げ。

しかし、アイツを知ることが出来ない限り、私の物語は0章でお終いだ。
慣れない走行を自分で行い、ヤケクソで追う。…すると。




私は住宅の壁を駆け上がっていた。



「…え?!!どういうこと?!!」

そんな事を言いながらも私は速度を増し、住宅を跳ねながら追っていた。

「ハッ!!上手ぇじゃねぇか!!!」

彼は私をチラ見するともっと速く走っていく。
それと同時に私の身体は無意識にその影を追う。
夜の風を身体全体で感じながら足を回す。

慣れるとそれがだんだん楽しくなっていく。また、彼にも近づく。
すると、彼は明らかに大きい屋敷の様な建物の前で宙返りすると
後ろの私に手をあげて、住宅の真下に消える。
私も同じように繰り返すと、屋敷の中に二人で入った。

門を抜けるとなんと灯りが自動で点き玄関がギィっと開いた。
私はソレを馬鹿みたいな顔で眺めながら入っていく。
屋敷は洋風の城の様だった。色々な装飾と絵画を観ながら
コツコツと大理石の階段を登る。
私達は何も話さず奥へと進む。
すると、高級そうな扉を鍵であけ、何も無い白の道を歩く。

私は男の顔を伺おうとするがその顔は真っ直ぐ前だけを向いていた。

行き止まりの扉が自動で開く。…どこまで近未来なんだ。




…すると、そこは一つの机と本棚しかない冷たく寂しい部屋だった。
しかし、それに温度を足すように小さく燃える蝋燭が一人の男を灯していた。

「…ボス。お連れしました。」

横の彼は丁寧な口調と声色で『ボス』という男に跪いた。

「…あぁ。」

『ボス』は中年の様に見える。しかしとてつもない貫禄を私は感じた。

「君が…………転生人なのかな?」

「えと…おそらく。」

私の声を聞いた中年男は少し俯き、私に聞いた。
それは私の想像を絶する事だった。



「私達は…マフィアだ。それもマフィアを喰らうのだが。…それでだ。
    君にお願いがある。…私達の仲間にならないか?                                  」




「マフィア………ですか…………。………………………え!!!??」





ーーーどうやら私の転生先はマフィア…だったらしい。









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