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本編
新人マフィアは正直ダルい。
しおりを挟む「マフィア………?」
渾身で焦ってみる。ボスはコクっと頷いた。…いや、でもマフィアかぁ……。
だって他にもあるじゃん!魔術師系!
ゲームみてぇに視界にパラメータが映んねぇかなぁ!一回だけ!一回で良いから!
…と、私は現実逃避する様に自分を騙すが…もう遅いのは解っていた。
「…マフィア。聴こえ、は良くないだろうな。………シバ。説明してあげなさい。」
「はい。」
さっきまでツッぱってた彼もボスのお陰で今では丸くなっている。
彼は私に体を向けると、落ち着いた口調でこう言った。
「…俺達は、『cannibal/カーナバル』というマフィアだ。マフィアといえば
人殺し…人身売買…善くない事をやるというのはアタリだ。だが…
彼が意味ありげに人差し指を立てる。私はそれに息を飲んだ。
俺達は…『マフィア殺しのマフィア』だ。あくまで悪りぃマフィアをな。
人身売買売買なんて以ての外さ。…これも全部、ボスの考えなんだよ。 」
『マフィアを殺すマフィア』…私はびっくりした。
マフィアというのは『悪』の存在であって『正義』ではない…のに。
「勿論、俺達は並よりは強ぇ。んでも、やっぱり単体では生きていけなくてな。」
すると、今度はボスが机の上のファイルに手を伸ばして数枚の紙を出した。
机には、なにやら個人情報のようなモノが広がる。…マフィアだろうか。
「これは私達と共闘するマフィア…『imitation/イミテーション』。此奴らも私達と
同じく、マフィア殺しだ。我等は2つの軍団で活動をしている。 」
そのイミなんちゃらもこの人達と同じ…私はやっと現実に戻って来る。
「…で。俺らは…………ルイ。アンタを仲間にしたいと思っているのさ。
他のマフィアみてェに直ぐ売り飛ばす連中じゃ…死んじまうからな。 」
「死ぬ………って。……ぇ?なんで私の名前知ってるんですか…?」
驚いた。いきなり名前を呼ぶモンだから。…しかも名前は教えていない。
「あー…いや。一年程前にこちらに転生するという連絡があってな。我等はそれを
早くに情報入手出来たが…場合によっては他のマフィアも忍び寄って来るだろう。」
一年!!!???
そんなに死んでから時間が経っていたのか…私は記憶が無いから解らないけど……。
私は小さく驚きを見せながらも冷静にボスに質問する。
「…それで、なんで私とか…転生する人は皆んなが欲しがるんですか?」
それは本気で気になっていた。何故転生する身はそんなにも特別なのか…。
それには、シバが答えてくれた。
「俺達の世界では稀に特別な力を使う者が居んだ。…まぁ、俺もその一人だ。」
そう言って、シバは少しカッコつけたように振る舞った。
…イマイチカッコよくないぞ!シバ!!
「…でも俺達はほんっとーに稀でな。居ても解放するのも一苦労なんだ。…だが。」
「アンタ達…転生人は、それを解放ナシで巨大な力を手に入れてる。
…さっきの良かったぞ!案外素質あると思うんだよ!アンタさ! 」
…褒められているのだろうか。…なら良いが。
確かに私もビックリした。屋敷に来る際だ。宙返りもBダッシュも…。
自分は世界大会も夢なんじゃないかと一瞬思ったが、死んじゃったしな。
私は少し笑顔になる。それだけの事でも一安心する様なカオスな状況なのだ。
「…で、仲間になってくれんのかな?”お嬢”。」
そう言ってシバは子供の様にニカッとはにかんだ。
クール系かと思ったが、そういうところがあってちょっとホッとしてしまう。
「勿論、報酬は弾むさ!護衛に豪華な食事、それに洋服まで!」
凄い!SPとか?!良いなぁ…高級ビュッフェ!一度食べてみたかったんだよね!
…まぁ、最後のはちょっと考えるが。
私は甘い妄想の中、一つの大きな決断を普通に決めてしまった。
大きく息を吸い、いつもより晴れやかな声を喉から。
「こちらこそ、マフィアで頑張っていきます!宜しくお願いします!」
ーーーーこうしてマフィア(お嬢)に私はなったのでした。
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