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24 山育ち、配信から少し経つ
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さて、あれから色々あったものの、なんやかんや一日は平穏に過ぎていく。
SNSを開設したものの、フォロワーは結構な頻度で増えているが特に目立った動きはなかった。
そもそも俺が対して発信をしていないのだから当然だろう。
というか何を発信すればいいのだ?
余計なことはいいたくないから、日常的な発信はできないし。
結局、シオリ殿の配信告知を拡散したり、シオリ殿が拡散したものを更に拡散することしか今の俺にできることはない。
とりあえず、それも合わせて俺の探索者としての認知度はそこまで変わらなかった。
あれ以来、有名探索者に声をかけられたりとかはしていないし。
周囲の視線も、そこまで変化はない。
少しずつ落ち着いているが、それでも完全に零になることはないだろうといった感じだ。
明確にシオリ殿に飛んでくる問い合わせは激減したそうだから、配信をする一番の目的は達成できたと思えば、悪いことではないな。
学校でも、配信のことは色々話題になった。
とはいえ、そもそも配信することは周囲に話していたし、配信の内容はほとんどクラスの中では周知されていたことだ。
むしろ、スラ子がスキルを覚えたことの方が話題になっていたかもしれない。
何でもスライムに対する特効攻撃を行うスキルだとか。
スラ子のスラはスライムのスラなのか……?
名字と名前から一文字ずつ取っているということではなく……?
「あ、両方だよ。スラ子だし、スライム倒すのが最近の趣味だから」
「そ、そうか……」
聞いてみたら、そんな返答が帰ってきた。
スライムを倒すのが趣味とは、変わった趣味の女子だな……スラ子は……。
というと、スラ子はなんだか嬉しそうにしていた。
変わっていると言われると嬉しいらしい。
変わっているなスラ子は……。
なお、周囲のクラスメイトから草埜もじゃろがいと総ツッコミを受けた。
それはまぁ……否定できぬ。
しかしスラ子は、どうして俺まで変と言われると嬉しそうなのだ?
さて、学生生活に゙関してはそれくらいか。
授業に゙関しては、なんとかついていけている。
もともと婆ちゃんから最低限の教育は受けているからな。
自分で言うのも何だが、俺は飲み込みが早いほうだ。
まぁそれでも、やっている内容がだいぶ複雑で、いっぱいいっぱいなのだが。
現代の人間は凄いなぁ、こんなにもいろいろなことを学び覚えるのか……。
え、大半は忘れる? じゃあ何のために学校に通っているのだ?
ダンジョンに関しては、第四階層へはすんなりと進むことができた。
マップを貰ったその日に、第四階層への入口へ到達したからな。
第三階層の探索はもう十分だと感じていたからだ。
シオリ殿とは第五階層のボス討伐を約束したものの、すぐにその約束が果たされるわけではない。
お互いに色々と用事があるからだ。
というか、シオリ殿は有名配信者だけあって結構忙しい。
予定を合わせるのも一苦労である。
ただこれに関しては俺にとっても都合がいい。
俺だって、自分の足でダンジョンを攻略したいのだ。
ここまで、第二階層も第三階層もなんやかんやシオリ殿の助けを経て突破している。
まぁ第二階層に関しては、偶発的なものではあるけれど。
とにかく、シオリ殿が忙しい今のうちに個人でのダンジョン攻略をするというのは自然な流れである。
第四階層に関しては、多少モンスターの歯ごたえが上がった程度か。
ここまで、階層が進むたびにモンスターの行動そのものに変化が見られる。
第一階層はモンスターが人を襲わない。
第二階層はモンスターが人を襲う。
第三階層はモンスターがスキルを使い始める。
では、第四階層は?
モンスターが、知性を持ち始めた、だ。
具体的には、こちらの引っ掛けに引っかからない時がでてきた。
これは妖怪と山でやり合っていたころから感じていることなのだが、知性を持つかどうかは生物として余りにも大きい違いだ。
特に闘争においては、知性の有り無しが余りにも戦いを左右しすぎる。
知性を持ったモンスターは、こちらの攻撃の意図を察し始める。
引っ掛けだとか、牽制だとか。
そういった小手先の技術へ向こうが対応し始めるのだ。
これができない第三階層の魔物は、一方的にやられるしかなかったのだよな。
こういった傾向は、第五階層まで続く……とシオリ殿は言っていた。
第五階層では、武器を使うモンスターが現れるとか。
なんてことだ、それは妖怪の中でもかなり上位の妖怪だぞ。
なお、第六階層以降はこの傾向がなくなるらしい。
知性のありなしも関係なく、モンスター自身の能力が上がっていくのだとか。
まぁとにかく第四階層の仔細は把握できた。
そして幸運なことに、俺は第四階層を探索し始めてから半月ほどで、第五階層への入口を見つけることができた。
半月、と言っても一日中探索できるのは土日だけ。
実質かかった時間は一週間といったところか。
シオリ殿との約束の日は近い。
最悪第五階層はシオリ殿――マップを持っているので迷うことはない――と攻略すればいい。
準備は整ったな、と言ったところで。
俺とシオリ殿は、ダンジョン運営から呼び出された。
――なぜ?
SNSを開設したものの、フォロワーは結構な頻度で増えているが特に目立った動きはなかった。
そもそも俺が対して発信をしていないのだから当然だろう。
というか何を発信すればいいのだ?
余計なことはいいたくないから、日常的な発信はできないし。
結局、シオリ殿の配信告知を拡散したり、シオリ殿が拡散したものを更に拡散することしか今の俺にできることはない。
とりあえず、それも合わせて俺の探索者としての認知度はそこまで変わらなかった。
あれ以来、有名探索者に声をかけられたりとかはしていないし。
周囲の視線も、そこまで変化はない。
少しずつ落ち着いているが、それでも完全に零になることはないだろうといった感じだ。
明確にシオリ殿に飛んでくる問い合わせは激減したそうだから、配信をする一番の目的は達成できたと思えば、悪いことではないな。
学校でも、配信のことは色々話題になった。
とはいえ、そもそも配信することは周囲に話していたし、配信の内容はほとんどクラスの中では周知されていたことだ。
むしろ、スラ子がスキルを覚えたことの方が話題になっていたかもしれない。
何でもスライムに対する特効攻撃を行うスキルだとか。
スラ子のスラはスライムのスラなのか……?
名字と名前から一文字ずつ取っているということではなく……?
「あ、両方だよ。スラ子だし、スライム倒すのが最近の趣味だから」
「そ、そうか……」
聞いてみたら、そんな返答が帰ってきた。
スライムを倒すのが趣味とは、変わった趣味の女子だな……スラ子は……。
というと、スラ子はなんだか嬉しそうにしていた。
変わっていると言われると嬉しいらしい。
変わっているなスラ子は……。
なお、周囲のクラスメイトから草埜もじゃろがいと総ツッコミを受けた。
それはまぁ……否定できぬ。
しかしスラ子は、どうして俺まで変と言われると嬉しそうなのだ?
さて、学生生活に゙関してはそれくらいか。
授業に゙関しては、なんとかついていけている。
もともと婆ちゃんから最低限の教育は受けているからな。
自分で言うのも何だが、俺は飲み込みが早いほうだ。
まぁそれでも、やっている内容がだいぶ複雑で、いっぱいいっぱいなのだが。
現代の人間は凄いなぁ、こんなにもいろいろなことを学び覚えるのか……。
え、大半は忘れる? じゃあ何のために学校に通っているのだ?
ダンジョンに関しては、第四階層へはすんなりと進むことができた。
マップを貰ったその日に、第四階層への入口へ到達したからな。
第三階層の探索はもう十分だと感じていたからだ。
シオリ殿とは第五階層のボス討伐を約束したものの、すぐにその約束が果たされるわけではない。
お互いに色々と用事があるからだ。
というか、シオリ殿は有名配信者だけあって結構忙しい。
予定を合わせるのも一苦労である。
ただこれに関しては俺にとっても都合がいい。
俺だって、自分の足でダンジョンを攻略したいのだ。
ここまで、第二階層も第三階層もなんやかんやシオリ殿の助けを経て突破している。
まぁ第二階層に関しては、偶発的なものではあるけれど。
とにかく、シオリ殿が忙しい今のうちに個人でのダンジョン攻略をするというのは自然な流れである。
第四階層に関しては、多少モンスターの歯ごたえが上がった程度か。
ここまで、階層が進むたびにモンスターの行動そのものに変化が見られる。
第一階層はモンスターが人を襲わない。
第二階層はモンスターが人を襲う。
第三階層はモンスターがスキルを使い始める。
では、第四階層は?
モンスターが、知性を持ち始めた、だ。
具体的には、こちらの引っ掛けに引っかからない時がでてきた。
これは妖怪と山でやり合っていたころから感じていることなのだが、知性を持つかどうかは生物として余りにも大きい違いだ。
特に闘争においては、知性の有り無しが余りにも戦いを左右しすぎる。
知性を持ったモンスターは、こちらの攻撃の意図を察し始める。
引っ掛けだとか、牽制だとか。
そういった小手先の技術へ向こうが対応し始めるのだ。
これができない第三階層の魔物は、一方的にやられるしかなかったのだよな。
こういった傾向は、第五階層まで続く……とシオリ殿は言っていた。
第五階層では、武器を使うモンスターが現れるとか。
なんてことだ、それは妖怪の中でもかなり上位の妖怪だぞ。
なお、第六階層以降はこの傾向がなくなるらしい。
知性のありなしも関係なく、モンスター自身の能力が上がっていくのだとか。
まぁとにかく第四階層の仔細は把握できた。
そして幸運なことに、俺は第四階層を探索し始めてから半月ほどで、第五階層への入口を見つけることができた。
半月、と言っても一日中探索できるのは土日だけ。
実質かかった時間は一週間といったところか。
シオリ殿との約束の日は近い。
最悪第五階層はシオリ殿――マップを持っているので迷うことはない――と攻略すればいい。
準備は整ったな、と言ったところで。
俺とシオリ殿は、ダンジョン運営から呼び出された。
――なぜ?
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※この小説はフィクションです。
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