如月さん、拾いましたっ!

霜月@如月さん改稿中&バース準備中

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58話(3)続く嫌がらせ。離れていても想い合い。思い浮かぶのは貴方のことだけ?!

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「お兄ちゃん、そういえば仕事は?」
「うん?」
「今日仕事始めじゃないの?」
「……腹が痛いって休んだけど?」
「……休むなよ(※卯月は火曜日から学校)」


 仕事より如月の方が大切だし。今日はお別れの日だったから、毎年同じようなことしか話さない、仕事始めのダラダラとした社長の話を聞くよりは、如月の見送りがしたかった。


 卯月とこたつに入り、話しながら皐と千早の帰りを待つ。


 ピンポーン。


「皐さんかな?! 私見てくる!!!」
「おー」


 卯月がバタバタと玄関へ行き、皐と千早を連れ、リビングに戻ってきた。2人の表情からは成功したのかどうか、読み取れない。


「どんな感じでした……?」


 恐る恐る皐に尋ねる。皐がこたつのそばに腰を下ろすと、ゆっくり口を開いた。


「家族に興味ないのか、適当に相槌を打って決めたら、弥生と婚約させてしまった、みたいな感じだな」
「…………」
「心配するな、喝は入れて来た」
「喝って……」
「僕たちが出来ることは全部やったよ。あとは睦月くん次第じゃない?」


 俺次第……。やっぱり、北条家のお父さんに会いにいくしかないのかな。会って、頭を下げることしか、俺には出来ないのかも。


「しっかり、頭を下げてこい。弥生と一緒にな。以上だ。帰る」
「僕も帰るね、締め切りがあるしー。きちんと話せば分かってもらえそうな雰囲気はあったよー。じゃあね~~」


 報告だけして、さっさと2人は帰ってしまったが、肝心の、如月とどう時間を合わせて北条家のお父さんに会いにいくとか、どうやってお父さんを呼び出す(?)のかとか全く決まっていない。


 言いたいことだけ言って帰るあたり、2人らしくはあったが、もう少し相談に乗って欲しかった。


「う~~ん、ゴールは決まっていても、そこまで持っていくのが難しそう」


 気づけば夕方。立ち上がり、夕飯の準備を始めた。



 ーーーーーーーーーーーー
 ーーーーーーーー
 ーーーー
 *



 眠れない!!!! 澪が風呂から上がってくる前に寝てしまおうと思ったのに全然眠れない!!! ここが佐野家ホームではないせい?!?! それとも睦月さんがいないせい?!?!


「やばい……澪が来る……えっちとか無理……」


 仰向けになって目を瞑り、せめて、寝たふりを試みる。瞼の裏には睦月さんの姿ばかり浮かぶ。えっちな下着、睦月さんに送りつけようかな。『き、きさらぎっ…ぁあっ……んぁっ…だめぇっ…(レース下着着用妄想)』ぁあぁあぁあ!!!! 立つぅうぅうぅ!!!!


「私も大概脳内えっちだ……」


 心と下半身を落ち着かせ(?)見開いてしまった目を、もう一度閉じる。無の心!!! 何も考えるな!!! 寝ろ!!! 寝るんだ!!! 弥生!!!


 寝ようとすればするほど、えっちな睦月さんが頭の中を巡り、1人で悶々としていると、隣で、人の気配を感じた。薄目を開けて、隣を確認する。ランジェリー姿の澪が恥ずかしそうに座っていた。うわぁ、やる気満々……。


 出るところはちゃんと出て、綺麗なボディラインだけど、卯月さんの方が美しいと思うのは失礼だろうか。澪に性的欲求は感じない。薄く開いた瞼を閉じる。私は寝ています。(?)


 人差し指で肩がつんつんと突かれた。


「ねぇ……」
「な、なんですか……」
「だから……その……」


 頬を赤く染め、私にえっちを促してくる。でも、シたくないものはシたくない。相手は一応女性。ダイレクトにシたくないことを伝えてしまうと、傷つける可能性がある。


 はぁ、と小さく溜息を吐く。ごろんと寝返りを打ち、澪に背を向けた。


「ごめん……疲れてるから……」
「……触ってもくれないの? 胸は大きい方だよ? 口でしようか?」
「結構です……おやすみなさい」
「何よ!!! ばか!!!」


 バンっ!!!!


 寝室の扉が思いっきり閉まる音が聞こえた。澪が寝室から出て行ったと思うと、なんだかホッとして、気づいた時には眠りに落ちていた。



 ーーーーーーーーーーーー
 ーーーーーーーー
 ーーーー

 *


 ーー翌日 朝



「眠れなかったぁあぁ……」
「お兄ちゃん顔色やば!!! ほんと、如月が居ないと眠れないんだね!!!」
「うるさぃ……如月がそれだけ好きなの……卯月ぃ……変な年賀状届いてないか見てきてぇ……」
「はいはい」


 別れてないとはいえ、そばに如月が居ないのは不安すぎる!!! あと寂しいし、ぎゅーしたいし、ちゅーしたいし、如月に触られたいし、如月の……触りたい!!! ぐはぁ……。(※欲求不満)


 はぁ~~。如月、昨日はちゃんと夜ご飯食べたかなぁ? 俺が言わないとすぐ髪の毛、濡れたままにするんだから!!! 頭乾かして寝たかな?! 寝起きは必ず白湯を飲む人だけど、淹れてもらったかな?!?! 朝はあっさり控えめな和食、作ってもらってるかな?!?!


 大丈夫かなぁあぁああ!!!!


「ぎゃあぁぁあぁあ!!!!」
「卯月?!?!」


 玄関の方から悲鳴が聞こえ、急いで様子を見に行く。ポストを開けて、真っ青になりながら、卯月が尻餅をついていた。ポストの中を覗くと、虫やら生卵など、悲惨な程、突っ込まれている。気持ちが悪い。


「大丈夫? 俺が行けば良かったね。ごめん」
「ううん。ちょっとびっくりしただけ……」
「……随分古典的な嫌がらせだなぁ」
「お兄ちゃん、今日仕事だよね? 気をつけてね?」
「俺は大丈夫だけど、卯月も気をつけて」


 とりあえず、これは後で掃除をするとして。まずは朝食。でも誰がこんなことを? そのうち不幸の手紙(?)とか来たりして?!


 北条家のことも考えないといけないのに、地味な嫌がらせのせいか、少しだけ自分の気持ちに余裕がなくなった気がした。


 *


「弥生、おはよう。起きて」
「ん……まだ眠……」
「も~~寝起きは悪かったのね!!!」
「……睦月さん……白湯……」
「誰が睦月よ!!! 白湯くらい自分で淹れて!!!」


 ぼーーっとしながら身体を起こす。あぁ、そうだった。ここ、佐野家じゃなかった。朝から怒鳴られて、声が頭に響く。ズキズキ。睦月さんは何も言わずに、私が起きるとこたつに白湯を置いてくれるのに……。


 ふらふらとリビングへ行き、ソファに座る。白湯、淹れるとか面倒だな。やめよ。くーくー。うとうと。


「どうせ今日も1日中家にいるんでしょ?! 私は仕事があるから、起きたなら家事でもやったら?!」
「……在宅で出来る仕事ではありますが、私もやることあります……」
「こういうのは家にいる方がやるの!! 私の方が収入多いんだから弥生がやってよね!!!」
「…………(また収入……)」


 テーブルに並べられる朝食が一食分しかないことに気づく。これって私の分? それとも私の分はないとかある?


「あの……朝ごはんは……?」
「はぁ?! 何もしないくせにあるわけないでしょ!!!」
「…………」


 なんかすぐ怒るなぁ。ないならないで別にいいけど。食べないだけだし。テーブルの方で溜息が聞こえた。何故私が溜息を吐かれないといけないのか。


 私と婚約したいと言っておきながら、なんでこんな扱いされないといけないのだろう。家事は私がやらないとダメなのかな?


 始まったばかりの同棲生活に私は既に嫌気が差していたーー。


 


 


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