緋色の竜狩り

やまねん

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サルブ村救出戦

瘴気に覆われた村サルブ①

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「大丈夫?まだ走れる?」

シスターに手を引かれ走る小さな女の子は少し苦しそうだがうん、うん、と繰り返し頷く

「もう少しだからね、頑張って!あと少しでお母さんとお父さんの所に着くから!」

左手にメイスを持ち、右手で女の子の手を引きながら女の子が精一杯走れるスピードで村の中を駆けていく。

突如地面から嫌な音を立て表れた不気味な存在にシスターは急ブレーキをかけた様に止まり、女の子を自分の後ろに下がらせてメイスを両手で強く握る。

「こ、こわいよ~おねぇちゃん!」

「大丈夫、お姉ちゃんに任せて!ゾンビなんかすぐにやっつけちゃうから。」

ゾンビは下級のアンデッドで動きは非常におそく子供の歩く速度より遅い。
しかし腐った腕を振り下ろす攻撃は成人男性に軽く致命傷を与えるほどの攻撃力がある。

ゾンビは全部で3体
シスターは素早く1体目のゾンビの懐に飛び込みメイスを脳天に勢いよく叩きこむ。
グチャア!と嫌な音を立て
頭を潰されたゾンビは力なく崩れ落ちた。

その隙を狙い2体目のゾンビが腐った腕を振り上げシスターに向けておもいきり振り下ろす。
シスターはバックステップで躱し腕を下ろしきり隙だらけのゾンビの頭にすかさずメイスの一撃を叩き込む。

そのまま返す体で3体目の足元にメイスを振り体勢を崩す。無防備なゾンビにめがけ飛び上がり、やあっ、とのかけ声と共にゾンビの脳天に渾身のメイスを叩き込み全滅させた。

ゾンビを見て驚き竦み上がっていた女の子はゾンビが全滅したことに安心し立ち上がろうとするが立ち上がれなかった。
先ほどゾンビが表れ後ろに下がった時に転んでしまったようだ。

「ケガしてる!大丈夫だよ!お姉ちゃんが治してあげるからね。神よ!癒しの奇跡を!ヒール!」

シスターが回復魔法を唱えると女の子の足のケガは瞬く間によくなった。

「ありがとう、おねえちゃん」

女の子は嬉しそうにお礼を言うとシスターの手を取り走り出す。

2人がしばらく走っていくと村の入り口に住民を避難させるためのキャラバン隊が列を作っているのが見えてきた。

「もうすぐだからね」

シスターが女の子を励ます。
目的地が見え 女の子の頬が緩んだがキャラバンに近付いていくとアンデッドに襲われている。
守備隊と交戦しているようだ。
守備隊のおかげで馬車や住民に被害はなさそうだが、シスターと女の子に気付いた1体のアンデッドがこちらに向かってくる。

盾と剣を装備した下級アンデッド、スケルトンだ。
スケルトンはゾンビに比べるとパワーは劣るがスピードは優れている。
また知性があり装備した剣や盾を巧みに扱う為、危険度はゾンビよりも上である。

襲いかかってきたスケルトンにシスターはメイスを打ち込むが素早く躱されてしまう。

「こいつっ、速い!」

カタカタと骨音を響かせながら剣を振り回しシスターを追い詰めていく。
反撃しようにも剣を振るスピードが早く隙がない。剣撃を躱しメイスでガードをしながら隙を待つ。

「反撃しようにも隙がない…このままじゃ…」

もしこのままスケルトンの凶刃に倒れることになればあの小さな女の子は殺されてしまう。
追い込まれたシスターはメイスで攻撃を受け止め、スケルトンが一瞬止まった隙を逃さなかった。

「そこっ!!!」

シスターは受け止めた剣を押し返しスケルトンが仰け反った瞬間、骨盤目掛けてメイスを降り下ろした。
しかし、間一髪盾でメイスを防ぐスケルトン。

「まだまだぁ!」

一気にスケルトンと間を取り力いっぱいメイスを投擲する。
投擲されたメイスはスケルトンの本体を打ち抜くことはできず盾で防がれてしまう。
だがこれはシスターの計算通りであった。

さらに距離をとったシスターは素早く魔法の詠唱に入る。

「貫け!光の矢よ!レイスティング!」

魔法の詠唱が終わる前に斬りかかろうと距離を詰めるスケルトンだったが間に合わず頭と体を盾ごと光の矢に撃ち抜かれバラバラになり消滅した。

「はぁ、はぁ、はぁ。なんとかなった」

安堵したシスターはペタンと地面に座り込んでしまう。

そこへ女の子が嬉しそうに駆け寄ってきた。

「おねえちゃん、すごいよ!かっこよかった!」

「そう?ありがと…」

女の子に微笑むと女の子の両親と思われる2人の大人がこちらに向かってきた。

「メル…よかった…無事でよかった…」

「怪我はないかい?本当に無事でよかった」

泣きながら女の子を抱きしめる母親と父親

「だいじょぶだよ!だってカッコいいシスターのおねえちゃんがまもってくれたら!」

女の子は自分が大業を成し遂げたかのように
えへんと胸をはる。

「シスター・ルミナ!!なんとお礼をいえばいいか…娘を救ってくださり本当にありがとうございます。」

両親は深々と頭を下げルミナに感謝し女の子にもお礼を言うように催促する。

「ありがとう、ルミナおねえちゃん。」

「どういたしまして!メルちゃんも一生懸命走ってくれたね。たくさん頑張ったね」

「うん、メルがんばったよ!えらかった?」

「うん!凄く偉かったよ!」

嬉しそうに微笑むルミナとメル。
喜びを分かち合っているとキャラバン隊の守備隊員に声をかけられる。

「みなさん、瘴気が広がってアンデッドが湧き出てきています。早く馬車に乗って避難しましょう。さぁ、お早く。」

守備隊に誘導されルミナはメルを馬車に乗せる。

「ルミナおねえちゃんもいっしょにいこう!」

「メルちゃんはお父さんとお母さんと先に行ってて!まだ村に逃げおくれた人がいるかもしれないしそれに神父様が教会で瘴気を防ぐ為に1人で残って結界を張ってくれてる。そんな神父様をおいて行くわけにはいかない。神父様を迎えに行ってから必ず後から追い付くから。ね?」

「わかった!やくそくだからね」

「うん。約束」

ルミナはメルと指切りをしているとキャラバン隊の出発の合図がなる。

「そろそろ出発します。シスター・ルミナ乗らないのですか?」

「神父様を迎えに行ってから必ず追い付きます。」

「わかりました、無理はなさりませんよう。どうかご武運を!」

守備隊の隊員は敬礼をし馬車は走り出す。

馬車に揺られながら何度も頭を下げる両親と手を振るメルを見送ったルミナはほどけかかった三つ編みを結び直し教会へと駆け出していく。

教会を目指しながら逃げ遅れた人がいないか確認していくがどうやら皆うまく避難できたようだ。

「村の人は大丈夫!後は神父様だけ…急がないと。」

村中の瘴気がどんどん広がってきている。
瘴気は人間には有害で吸いすぎると体を蝕み後遺症や最悪死に至る毒の霧の様なものだ。
瘴気が広がる前に村人達を皆避難はさせられたのは不幸中の幸いだった。

ルミナは聖者の儀で体を清めてもらっているのでしばらくは瘴気の影響を受けないが時間に限りはある。

走って走ってようやく教会の前広場に到着した。

「はぁ…はぁ…やっと着いた…早く神父様のところへ!」

教会へ歩を進めようとした瞬間、地面からグチャグチャっと嫌な音を立て大量のアンデッドが湧き出てくる。

「な…なんで…こんなにたくさん…」

次から次へと湧き出してくるアンデッドにルミナはあっという間に取り囲まれてしまう。
その数は少なくともゾンビやスケルトン合わせて50体以上はいるだろう。
辺りを見回して見るが逃げ道はどこにもなさそうだ。

「魔力が切れちゃうかもしれないけどやるしかない!」

ルミナは詠唱を始める。幸運にも地面から出てきたばかりのアンデッド達はまだ動きだしていない。

「聖なる星々よ!降り注ぎ悪しき者を打ち払え!スターダスト・レイン!!」

光の礫がアンデッド達に降り注ぎその穢れた体を次々と貫き浄化していく。

スターダスト・レインはルミナが扱う魔法の中では1番威力があるが魔力の消費も大きい。
この魔法で村人を避難させるために戦い続けていたルミナの魔力は底を尽きた。
魔力だけではなく気力体力も限界に近い

「な、なんとかなったけど…もう魔力が…早く神父様と逃げなきゃ…ひゃあ!しまっ…」

地面からゾンビの腐敗した両手がルミナの足を掴む。
普段のルミナなら振り払えるが疲労困憊の今、そんな力は残されていなかった。

すかさず後ろから這い出たスケルトンがルミナを羽交い締めにする。

「いやぁ、やめて!!離して!」

ただ叫ぶしかできないルミナに剣を構えたスケルトンが徐々に近づいてくる。

「こないで!離して!このぉ!」

アンデッド達にはルミナの声は届かずその叫びが虚しく木霊する。

ルミナの前に立ったスケルトンは剣を振りかぶりルミナの腹目掛けて剣を突き出す

「お父さん、お母さん、神父様、ごめんなさい。」

ルミナが諦め冷酷な刃を受け入れ死を迎えようとしたその瞬間、空から突如と物凄いスピードで炎の剣が舞い降りスケルトンを真っ二つに切り裂く。

凶刃はルミナへ届かず九死に一生を得えたルミナは呆然としていた。

「私…生きてる…」

そこには魔法で発生させた炎の剣を両手に携えた魔法使いの女の子が立っていた。
とんがり帽子に深紅のローブを羽織り肩まで伸びた赤い髪、1番目を引くのは整った顔立ちに宝石のトパーズの様に輝く黄色の瞳とサファイアの様に深い青色の瞳のオッドアイだ。

その魔法使いの女の子は地面に炎の剣を突き立てゾンビを消滅させ素早く土魔法を発動しルミナの背後のスケルトンを地面から発生させた岩の槍で串刺しにする。

「大丈夫?ケガはない?」

「はい、なんとか…」

ルミナは赤髪の魔法使いが差し伸べてくれたら手を取り立ち上がると辺りはアンデッドにまた囲まれていた。
数は先ほどの比にならない。
軽くみても200体以上はいそうだ。

「いつのまにこんな数…どうしたら…」

「大丈夫だよ!あたしに任せて!光魔法は聖職者には劣るけど!聖なる星々よ!降り注ぎ悪しき者を打ち払え!スターダスト・レイン」

ルミナが唱えた時よりも光の礫は広範囲で速度が早く量も多い。しかも魔法の詠唱をせずに発動している。

あれだけたくさんいたアンデッドがほんの一瞬で1匹残らず浄化された。

「す、凄い…」

赤髪の魔法使いの圧倒的な魔法の前にルミナはただその凄さに驚くしかできなかったがまずは助けてくれたお礼を言うことにした。

「あの、私はこのサルヴ村の教会のシスター、ルミナです。危ない所を助けて頂き本当にありがとうございました。」

ルミナは赤髪の魔法使いに深々と頭を下げると赤髪の魔法使いは照れくさそうに答えた。

「どういたしまして。無事でよかった。ルミナちゃん、よろしくね。あたしはルル。フリムのギルドから依頼を受けてここに来たんだけどルミナちゃんは村長さんの居場所とかわかる?」

「フリムのルル…もしかしてかの有名な緋色の竜狩りのルル=フォーサイス様ですか!?まさかこんなところでお会い出来るだなんて…光栄です!」

ルルの手を両手で握りキラキラした目で見つめるルミナ

「あはは…なんかちょっと恥ずかしいね…ルミナちゃん?あの、手を握る強さが強い気がするんだけど…」

「ご、ごめんなさい。憧れのルル様にお会いできたのが嬉しくて私ったら…」

コホン、とルミナは1つ咳払いをし話がそれてしまったことをルルに謝罪し本題にはいることにした。

「村長さんも神父様と教会の中にいると思います。ご案内します。」

教会の扉を開けるといつもなら神秘的で物静な講堂も神聖な光が差す綺麗なステンドグラスもなぜか今は淀んで見えた。
アンデッドや瘴気の仕業でそう見えるだけなのだろうか。
そんな暗い気分を吹き飛ばすかのようにルミナは教会の中心で魔方陣を形成している初老の男性に元気よく声をかける。

「神父様!ただいま戻りました!」

「シスター・ルミナ!なぜ、皆と逃げなかったのです?私達のことは構わず逃げなさいといったではありませんか…」

「私が命令されたのは村人全員を無事に避難させることです!村人の中には神父様と村長さんも含まれているんですよ?神父様と村長さんも避難できなければ全員避難させたことにはなりませんからね…まだ私の仕事は終わっていません」

「シスター・ルミナ…立派になりましたね。
おや、そちらのお方は?」

「村長さんの救援依頼でフリムから来てくださったルル=フォーサイス様です」

「おお!あの高名なルル様が来てくださるとはなんと心強いことか!ルル様、申し遅れました。私、サルブ村教会の神父、ズィオと申します。以後お見知り置きを」

「ズィオ神父。ところで、村長さんはどちらにいますか?」

「それが…村民を逃がすために尽力してくださったのですが瘴気を吸いすぎた為か床に伏せってしまったのです…」

ズィオは奥にある部屋へとルルとルミナを案内する。
その部屋のベットの上で白髪の老人が眠っていた。

「この方が村長さん?」

ルルの問いにルミナは首を縦に振る。

「はい。ロレンス村長です。この人は凄く責任感が強くて私達も避難させようとしたら拒否して1人でも多くの村人を逃がすことに尽力していたんです」

何か異変を感じ取ったルルはロレンスの体の上に手を伸ばし目を瞑る

「……!!瘴気の毒が身体に回り過ぎてる!!このままじゃ命に関わる!」

「そんな!どうしたら…私も神父様も瘴気を浄化する様な高度な魔法は使えませんし…」

今にも泣き出しそうな顔のルミナ

「安心して、ルミナちゃん!あたしの仲間に瘴気を浄化できる人がいるから」

「本当ですか?村長は助かるんですね!よかった…」

ルミナは安心し安堵の表情を浮かべる

「まずはみんなを呼ばなきゃね!」

ルルはそう言うと自分の箒をトントントンと3度叩く。
そうすると箒は浮かび上がり赤い光を纏いながら外に飛び出し南西の方角へ物凄いスピードで消えていった。

「これで明日にはみんな来てくれるよ。」

「ありがとうございます、ルル様」

微笑むルミナであったがその顔には疲労の色が濃くでている。無理もない。村民の避難の為に村中を駆け回り村人達を避難させアンデッドの大群と戦い疲労困憊なのだから。

「ルミナちゃん、疲れてるんじゃない?休んだほうがいいと思うけど…」

「私は大丈夫ですよ。それにここで寝てしまったら敵が侵入してきた時に気づけないですし…」

「確かにその通りだけどルミナちゃんが倒れちゃったら大変だよ!」

「ですが……」

「とにかくルミナちゃんは休みなさい!」

「はい…」

「アンデッドの警戒はあたしがやっておくから。ズィオ神父も!」

「はい、わかりました…シスター・ルミナここはルル様のお言葉に甘えさせてもらい休ませて頂くとしましょう。」

「はい、ズィオ神父。ルル様、ありがとうございます。」

ズィオに促され教会の寝室に向かったルミナであったが疲労が限界に達していたのかベッドに横になった途端静かな寝息を立てるのであった。

それはズィオも同様であった。彼も等に限界を超えていた。

そんな2人を優しく見守りルルは漆黒の世界に蔓延るアンデッド達を警戒している。

こうして深い夜は過ぎていくのであった。
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