地獄で捧げる狂死曲(ラプソディー)~夢見る道化は何度死んだって届けたい、笑顔を君に~

norikurun

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プロローグ

生と死とそのはざまで……

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 そう、ボクが生まれて死んだとき――――


 あの時ボクは、死ぬほどの息苦しさと、熱苦しさを感じた。

 今思えば不思議なほど熱くて――サウナとかそんなレベルじゃない。

 体が熱い蒸気に直接晒されたように、ただただ熱かった。


 初めて感じる熱。

 身じろぎもできず、声も出せなかった。

 周囲の大人達の声は聞こえていたけど、だんだん意識が遠のいていって……。


 ――そこから走馬灯が始まった。

 ボク自身の記憶は、振り返っても何もない。あるのは、産まれるちょっと前。


 お母さんのお腹の中の記憶――真っ暗だけど、暖かくて、安心できて……。

 言葉なんか知らなかったから、すごく抽象的でしかない。

(……どこまで遡っても、そんなイメージ)


 だけど、この意識が途切れたら――

 きっとこの苦しさのせいでどこかに飛んで行ってしまう。

 そんな本能的な感覚だけがあった。


 だから願った――――「もっと見せてっ!」って。

 その瞬間、パァっと光が降りてきて……前世の記憶が流れ始めたんだ……。
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