原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

ジンクス

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一人目:闇血月のジェイスウォーカー

ベルライラ公国10

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ジェイスを追尾するかのように火の珠はジェイスを追いかける
ジェイスは何百という数の珠を避けなければならない。
この時、彼の目には この火の玉の数だけ人間に囲まれ、リンチを受けているという
そういう考えをジェイスはしていた。

1:500人という 壮絶なる戦いだ

ジェイスが火の玉を首を反らし、体を地面にたたきつけて回避したり
飛び越えたり
だが、全てを避けれたわけではない、彼の能力は圧倒的な速さだけでしかないのだ。
500という数の火の珠を把握しきれるはずもなく
その身は少しずつ赤に染められていく。
「くっ!!!ぐっ・・がはっ」

ジェイスの体力が消耗される一方で、ギデオンもまた出血多量で死の宣告が迫っていた。
召喚された火の玉が時折、影のように薄く消えるときがある、術者が死ぬ時
この火の玉も消えるだろう。

ジェイスはその考えに行き着いていたが、ギデオンが死ぬよりも早くに
この火の玉を回避しつづけるのは無理だと自覚していた。
「もう一段階・・・・あげるしかねぇっ!!!!」
キュゥイイイイイン
ジェイスが早さを一段階あげようとしたとき
ドクンッ!!!!!
謎の鼓動が全身を震わせる
立ちくらみのような感覚で、前のめりに倒れそうになるがすぐに意識を取り戻す。
(なんだ・・いまの、まさか投影の限界点ってやつなのか・・?)
眼前に火の玉が螺旋を描き高速に突っ込んでくる
(迷ってる暇なんかねぇえんだよっ、どうなるかなんか後で考えりゃいい!!)
「うああああああっ!!!!!!!」
ジェイスが命の叫びをするとともに
やぶれかぶれの限界突破を行う。
ギュインッ!!!!!
さらにジェイスの足が50倍にアップ
音速の世界に到達したジェイスは1秒の間に1500kmの速度で移動する。
もはやジェイスの目には全ての景色は止まって見える。
時の中を移動する手段を体得したといえよう。
火の玉をかいくぐってギデオンに近寄り、その手に握られた刀を
彼の心臓に突き立てた。

その瞬間に俊足化の能力は消えていた。
「なっ・・・なん・・あ・・なにが・・・おき・・」
ごぽっ!!!とギデオンの口から吐血。
まったく何が起きたのか理解できていないようだった
気づいたら自分の懐に刀が突き刺さっているんだからな。
ギデオンはそのまま突き刺さった刀を握ったままその場に倒れ伏せた。

ジェイスは ふぅ・・と一息ついてあたりを見る
火の玉はその能力を失い、ただの本のページとしてばら撒かれていた。
ドクンッ!!!
激しい心臓の痛みに思わず両膝を地面に落とす
「うっ・・・なんだ・・?また・・謎の鼓動が・・
まさか、この力、使いすぎるとよくないのだろうか・・。
やはり、この能力について詳しくエリスや王に聞く必要があるな。」

ふと、かすかに見えるベルライラ公国に眼をやると黒煙が立ち込めているのが見える
「ま、まさか 攻め込まれているのか?!
冗談じゃねぇぞ、まだこの力について全然話を聞けてねぇんだ!!!」

数多の死体に吹きすさぶ風に乗る、砂にまぎれてページが舞う
砂嵐が全てを包み込み、また何事もなく砂漠となるだろう
一人の運命を背負った男の走る後姿だけが、全てを記憶している。
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