原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

二人目：吟遊詩人は少女に謳う

詩人と少女１８

明らかに標準体型のアベルに比べてマッスル体系の大男。
「くそ・・・笛さえ・・笛さえあれば・・！！」
「なにゴチャゴチャ言ってんだよ　あぁん？」
ゴッ！！！！
アベルの頭を足でおもいっきり踏みつける
ぐりぐりと踏みつける
ガシッと男の足を掴む、その指は男の足にめり込む程強く握られている。
アベルはゆっくりと踏みつけられている頭に力を入れる
じょじょに踏みつけられているはずの頭があがっていく
「こ、こいつっ！！！！」
大男は、自分よりも非力なはずの男に、一筋を汗を垂らした。
「チッ！！！！」
アベルの顔をおもいっきり蹴り上げる。
血を撒き散らしてアベルは仰向けに倒れこむ。
ゲホゲホと呼吸をしながら　ゆっくりと起き上がる
その額からは血が垂れてきて眼に入るが、アベルは男から視線を外さない。
「なんなんだよ　てめぇ・・・いいかげんにしねぇとマジで殺っちまうぞ！！！！」
「へ・・・へへ・・ゲホッ・・はぁ・・はぁ・・こっちも　マジなんだよね・・
譲れないんだわ・・・やっと掴んだ光なんだからよお！！！！！！！！！！！！！！」
ぎゅっと拳に力を入れ、勢いよく立ち上がり
命を燃やすような叫びと共に、大男に走り出す。
（届けっ！！！！！！届いてくれ！！！！俺のこの一撃に全てを賭ける！！）
まだこんなにも動けることに驚いた男は完全に油断していた。
男の下顎にアベルの渾身の一撃が見事に入った。
ゴフッ！！！と噴出すと共に男は後ろに倒れて気を失う。
「くっ・・・！！！！はぁ・・・はぁ・・・ロンを追わないとっ・・
くそっ・・・足が・・・っ！！！」
戦闘の負担により　足がガクガクしてまともに歩くことができない
壁に手をつけて少しずつ歩いていたその時！！！
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ！！！！！！！！！ガガガガガガ！！！！！！！！
「な、なんだっ！！！？」
洞窟全体に地響きが鳴り響いた。