原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

三人目：魔王の娘ヘルクレア

王の代償３

「北の悪魔・・ルセイン・・・！！」
ヘルクレアは手を強く握った。


その後の自室
私は眠りに就くまでにベッドの上で一冊の本を使い魔のルピエットと読んでいた。
ボロボロになっている絵本、使い古されているというよりは、風化の方でボロボロになっているようだ。
見てるページには魔界には存在しない、緑に満ちた世界
植物が生き、綺麗な水、そして屍ではない生物達が写っていた。

「ねぇ、ルピエット　世界のどこかには、この本の世界があるのかな」

猫の体に炎を纏らせたペットは喋る
「まーたそんな本読んでるぢゅー？、本当にご主人サマは絵本が大好きぢゅ
でも、そんな世界はもう何億光年も前の話だーぢゅ」

ごろりとベッドの上を転がる

「わかってはいるんだけどさ、もし生まれ変われるなら、私はこういう世界に生まれてみたいな」

ルピエットは尻尾を　ふりふりと揺らす
「きっと長生きしすぎて、死ぬ頃には違うことを思ってるに違いないぢゅー」

仰向けになって左手を目の上に添え　目を瞑る
「この世界は退屈よ・・何もないじゃない、あるのはただただ闘争の繰り返し
だからいつか、私の手で　魔王になった暁には魔界を終わらせてやる」