原始時代に生き抜いた最強の戦士オクルトス

三人目：魔王の娘ヘルクレア

別次元の私３

夕日の見える川辺を歩いていた。
私の目に映る　その景色たちは　私の心を躍らせた。
「癒される・・」

フッ・・・と　浅い川に手をつける
冷たくも気持ちいい

私は川の中で寝そべる

体全身に流れて抜けていく冷水
目を閉じて気持ちよさに身を任せたとき　私の脳裏に何かが入ってくる
それはこの世界とはまるで違う荒廃した世界だった
羽の生えた悪魔、人の死体　そんなイメージが頭の中に入ってくる
その時だった、ガサガサと木陰から物音がする
私はその音にハッと我に返った。

起き上がり音のする方を見る

ガサガサと音がして何かが飛び出してきた。
飛び出てきた何かは私に一直線に飛び込んでくると
私の体という体にすりすりしてきて、ほっぺたや腕をぺろぺろしてきた。
それは黒い猫だった。

「ふふっ　何だお前　やめろ　くすぐったいじゃないか」
猫をまじまじと見ていると　猫は視線に気づいたのか　口をパクパクして鳴いている
「なんだ？お前　お腹が空いているのか？」
私が猫にそう問いかけると、黒猫は私の太ももの上でバインバイン跳ねたと思ったら
地面でジタバタと駄々をこねる

「そうか、よほどお腹が空いているのだな、家に帰れば何か食べ物があるだろうか・・」
猫を抱き上げて家に帰ろうとしたときだった。
気づくと目の前に二人、学生らしき男が立っていた。