上 下
48 / 93
三人目:魔王の娘ヘルクレア

別次元の私4

しおりを挟む
片方は背が高く筋肉質、髪の毛は黒と金が混じった髪。
もう片方は普通の体系に黒髪でボウズ。

「よぉ~かわいこちゃんよぉ、こんなトコでずぶ濡れになって何してんのよぉ~」
男は私の透けている胸元を見ていた。
「アニキィ・・・こいつ胸ちょーーーでかいっすよ 兄貴が大好きなパイズリも余裕っすよ」
「へへ・・・そうだなぁ」
私の胸に触ろうとしたとき、抱きかかえていた黒猫が暴れだし 男に飛翔し噛み付いた。
「っ!!!なにしやがる!!!!」
噛み付かれた男の手からは血が流れ落ちる
「アニキッ!!このやろお!!!」
ガッ!!!と猫を踏みつける
「邪魔すんじゃねぇよ くそ猫がよぉ!」
踏みつけた猫はよろめく、そこに男の靴先が猫のお腹にえぐるように当たり蹴り飛ばした。
猫は二度、三度跳ねながらゴロゴロと倒れ、動かなくなった。

私はそれを目の当たりにし、なぜかわからないが怒りがこみ上げてきた。
「貴様・・・・・!」
男をにらみつける
「んだよ・・なんなんだよ おい その目はよお!!!」
男は私の胸倉を強く握り締め、体を寄せたとき、ジャリッという音と共に、さらに男が一人登場する。
「そ、その手を・・・離せ!」
その場にいた者は全員 男の方を向いた
私の目の前に現れたのは、黒髪ショートヘア、同じ学校の生徒らしき人物が立っていた。
「なんだよ滝谷(たきや)・・・じゃねぇか・・・てめぇ今俺に なんつった?あぁん?」
不良は掴んでいる手を離し滝谷と呼ばれる男に近づく
滝谷は身構えるが、その両足はガクガクと震えていた。

男は容赦なく滝谷の顔を力いっぱいぶん殴った
滝谷は何もできずに地面に崩れ落ちる
「ハッ!!もう終わりかよ、最初から出てくんじゃねぇよタコがっ」
げしげしと不良は滝谷を踏みつける
滝谷は情けない声を出しながら唸り、頭を両手で守る

「やめろっ!」
「やめろじゃないだろ、次はお前の服をひん剥いてやるからよぉ」

不良は私の方に歩きだした時だった、パアアンッ!!と一発の銃声がその場を支配した。
終夜だ。
終夜が猟銃を空に撃った音だった。

「死にたくなければ去れ、次は当てる」

「や、やべえよ!アニキ!!こんなトコで銃ぶっぱなすなんざ狂ってやがる!!」
不良達は逃げていった。




しおりを挟む

処理中です...